きのう物語【#プロローグ】

年が明けてしまったら、やろうとしていることが幾つかあります。

何かをやる、と言っても、企業やチームのそれとは違い、わたしはひとりの類ですから、小さな舟だと分かっています。それでも風を読んで、帆を張って、オールを漕ぎ、大海原の先へ進まなければなりません。いつか、どこかの大陸に上陸できる日を信じて、ね。

明日2021年から、「きのう物語」をはじめます。日記とは、その日に起きた出来事をまとめるものですが、その”昨日バージョン”です。どうして当日ではなく、昨日の話なのか。理由は三つほど。

一つ、きちんと書きたい。
一つ、続けたい。
一つ、昨日撮った写真を一枚載せたい。

やる気がないのか、あるのか、どっちなんだい。と、なかやまきんに君の甲高い声がわたしの脳裏をよぎりましたが、もちろん、真剣なんだい。

写真を撮ることも、文章を書くことも、本質は似ている気がして。一枚の長方形に、写真が写っているのか、文字が書いてあるのか、と。ほどよく、毎日のあちらこちらを受け流さずに、ちいさく感じ取りながら生きていくことは、いまのわたしに必要だと思いますし、何より楽しいのです。

ただ、毎日写真を撮って、その日に更新しようと思ったとき、それは頓挫の原因にもなります。夜に編集をしても、時間が厳しい日が必ずあるからです。文章も、同じです。その日の出来事をその日のうちに、自分の言葉でまとめるための文章力を、わたしはまだ持ち合わせていません。せめて一日、欲しいのです。もっとも真剣に、そして長く続けるために、「きのう物語」をはじめます。

写真も文章も、ほんの少し、まずは自分の心の体温を上げられるように。みなさんには、読みたい日に、たまにでも読んでいただけたら、幸いです。それで良いですし、いつでもお迎えできるよう、わたしも2021年を、迎えます。