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【エッセイ】砂漠とオアシス

こたろうが、うなっている。

夜中、
うちの老柴犬“こたろう”が
いつも寝ている
マット(薄いラグ風なもの)の上で
何やら・・・うなっている。

「ウオッ~ウ、ウォウ、グルールル~」

すっかりお爺ちゃん犬なので、
心配になり慌ててそばに行った。

「グルッ~ル、ウオッ~ウ、ウォウ」

寝ながらうなっている。

発作で痙攣している的な
苦しがっている感が
なかったので安心した。

こたろうのいる部屋の中は、
クーラーのタイマーが切れて
暑かった・・・

ゴメン、こたろう。

自分がもし熱帯夜に
毛皮を全身に纏って寝れるのか?

いや~ムリ、無理。

勝手な妄想だが、

こたろうは、きっと
寝苦しいのだろうと。
そして今、
まさに夢の中で、
永遠に続く砂漠の中を
ひらすら走り続けているのだろうと。

スマン、こたろう・・・。


次の日、


近所のホームセンターで
夏用のワンちゃん用の
『冷感ひんやりマット』
なるものを即買いした!
たしかに、素手でさわると
生地が少しひんやりする感じた。
視覚的には水色でいかにも
クールな感じである。

よし~こたろう待ってろよ。
今夜から快適な睡眠できるよ~

家で早速、
いつものマットと交換した。

まったく寄り付かない
こたろう。

遠目でみている
こたろう。

夜も寄り付かない
こたろう。


深夜、
やはり気になり
そっとその場所に見に行った・・・

こたろうはそのマットの上で
すやすやと寝ていた。

おしりは出ていた。

少し小さかった。


by  カツなう










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