【DAOについて】FUELHASH社内勉強会
こんにちは!
FUELHASHのインターン生です。
先日行われた社内勉強会の報告をさせていただきます!
今回はDAOをテーマに、6名のインターン生が分担して調査を行いました!
DAOとは
まず定義から見ていきましょう。
なぜDAOが必要となったのか、その理由の一つとして2者間の信頼を築く必要がなくなることが挙げられます。
組織を立ち上げるには資金やお金が関わるため相手との信頼関係が必要となりますが、インターネット上でしか交流のない人を信用するのは難しいです。
そこでスマートコントラクトのみに信頼を必要とするDAOにより、すぐに商売の実現が可能となり、世界的な広がりや協力がしやすくなりました。
DAOの特徴
DAOの特徴は大きく分けて三つあります
①階層が存在しない
従来の組織ではトップダウン式が一般的ですが、DAOには組織を統率する代表者が存在せず、参加者同士で意思決定がなされます。
(その際には各DAOの発行するガバナンストークンを購入して組織に参加し、投票が用いられる。組織内の全員が発言可能。)
②透明性が高く、誰でもソースを閲覧できる
DAOはブロックチェーン(オープンソース)上に構築されているため、誰でも(DAO参加者以外の人でも!)そのコードを閲覧可能です。
→スマートコントラクトの内容を確認できます。
③誰でも組織に参加できる
従来の株式会社では、採用のために試験や面接、雇用契約を結ぶ必要がありましたが、インターネットにアクセスできる人なら誰でも参加できる上に、DAOトークンを保有・購入することが可能で、実際にDAOの意思決定に関わることができます。
以上の特徴はメリットでもありますが、デメリットも三つあります。
①ハッキングリスク
例えば2016 年には、イーサリアム上の分散型投資ファンドである「 The DAO 」がハッキングを受け、約 360 万 ETH(当時の価格で約52億円)を盗まれる事件が発生しました。
スマートコントラクトの欠陥が発見された後でも修正するのが困難でセキュリティ上の懸念があります。
②問題の修正に参加者の合意が必要
DAOは中央管理者をもたず、参加者同士の合意によって運営されることが特徴ですが、問題が見つかったとしても、システムを変更するには投票を通じてコミュニティからの合意を得る必要があり、迅速な対応が難しいため、意思決定に時間がかかってしまう可能性がある。
③法整備が未発達
DAO では法的な整備が追い付いておらず、万が一被害を受けても補償されるとは限らないのです。
(ハッキング被害に対して補償をする義務はDAOにはない。)
これらのことから、DAOはまだまだ発展途上にあることが伺えます。
DAOの種類
そんなDAOにはどんな種類があるのか、以下にまとめたのでご覧ください。
DAOの将来性
続いてDAOのこれからについて見ていきましょう。
①DAOの注目度が高まることで、投資が集まる
特にDeFi市場で大きな伸びが見られ、これはDAOに継続して投資がされているということにもなります。
②多くの業態で株式会社に取って代わる
DAOの特徴の部分でも触れた通り、DAOには様々なメリットがあり新しい組織の形として普及していくことが予想されます。
例えば、暗号通貨に関する情報提供メディアのBanklessDAOが挙げられます。
こちらは「旧来の銀行なしで生きていくための情報を提供する」というコンセプトのもと、購読者のリテラシーを高めることを目指している組織になります。
③ガバナンストークンの価格が上昇する
MakerDAOやCompoundのガバナンストークンは価格上昇が起きていますが、今後DAOの注目が高まるにつれて、さらに通貨自体の価値上昇も期待できます。
このほかにも、NFTや今ホットなメタバースと深い関わりを持っていたり、2021年〜2022年で下の表のように8倍以上の成長が見られることからもDAOの将来は明るいと言えるでしょう。
(ただしConstitution DAOなど一部が延ばした影響もあります。)
BitDAOについて
DAOの概要を押さえたところで、二つのDAOを見ていきます。
まずはBitDAOからです。
BitDAOはDeFiプロジェクトとDAOによって開かれた金融システムの発展を目指すDAOです。
大手仮想通貨取引所のByBitの主導により2021年9月に立ち上げられました。(なお、議決権は他のベンチャーなどに渡しているとのこと)
そのため、DeFiプロジェクトへの投資を主として活動し、そのプロジェクトが発展することで増加するBitDAOの保有資産、独自トークンBITの価格上昇、Bybitからの提供を元に新たな活動資金を捻出しています。
次にガバナンスについて、全ての行動はBITを保有する人の投票によって行われます。一般のBITホルダーは、Discordの他に
①Snapshotや②BitDAOフォーラムで議論できます。
BitDAO今後の見通し
独自のブロックチェーンを構築するかについて、R&Dは運営、基金マネジメント、DeFiプロダクトの開発に注力するそうです。
また、これまでは最も有力なイーサリアム上でアプリを構築してきましたが、他のブロックチェーン上で展開するプランもあるとのことです。
取引所上場後は、大手パートナー企業の存在やエアドロップ(無料配布)で注目を集め価格上昇したものの、2022年5月〜の仮想通貨全体としての価格安もあり落ち着きを取り戻しました。
BitDAOはDeFi特化のDAOとして知名度が高く、仮想通貨の冬を乗り越えれば、もう一度価格は安定する可能性もありそうです。
Maker DAO
続いてMaker DAOについてです。
こちらもDeFiプロトコルで、2014年に作られました。
MakerDAOはステーブルコインDAIの発行・管理やDSRというレンディングプラットフォームを提供しています。
ガバナンストークンとしてMKRを発行し、仮想通貨の担保はステーブルコインDAIが行なっています。
なお、Maker DAOの開発の中心だったメーカー財団は、自らが強大化し中央集権的なプラットフォームになることを理由に、2021年夏に解散を表明しています。
MakerDAOではMKRが議決権となっており、保有量の多い人ほど意思決定に影響を及ぼしますが、フォーラムでの議論にMKRは必要とされていません。
投票方式としては①Governance Voteと②Executive Voteの二つがあります。
次に、ステーブルコインDAIについてです。
DAIは価格を1ドルに維持するよう様々な仕組みが開発されており、仮想通貨担保型で唯一の成功例とも言われています。
以下の記事に詳しく書いてあるので、ご覧ください。
ApeDAOについて
最後にApeDAOについて扱います。
以前「ApeCoin(APE)」に着目しまとめたことがありますので、ぜひそちらもご覧ください。
ApeDAOとは
ApeDAOはNFTコレクターDAOの一つに数えられ、2021年夏に誕生しました。
DAOの方向性を決める投票の際には、ガバナンストークンである「APED」の保有量に応じて発言力を持ちます。
また、知名度の高いBAYC(Bored Ape Yacht Club)のNFTコレクションを81体所有するなど、保有NFTの総資産額は13000ETHとも言われていました。
本記事で簡単に触れますが、2022年2月には投票の末解散することが決定しました。
以下の記事が参考になるので、詳細を知りたい方はぜひご覧ください。
解散の経緯
この巨大なDAOがなぜ解散に至ったのか。
それは
「ApeDAOが保有するNFTを活かした価値作りにいっぱいしたから」と言われています。
一般的な株式会社の仕組みから考えると、会社側であるApeDAOは、独自トークンAPED(≒株券)の価値を高める必要がありましたが、それがうまくいっていませんでした。
具体的には、DAO立ち上げ時に$10/APEDだったのが、2022年1月には$8/APEDにまで下落していました。
先ほど述べた通り、ApeDAOは多くの NFTを有しており、それを込みで算出すると価格は$16/APEDにも達していたことから、これこそがApeDAOの価値創造失敗と言われる所以です。
ではなぜ価格は下落したのでしょうか?
それはApeDAOによる計画が頓挫したからと言われています。
その計画は、ApeDAOが持つ高価なNFTの知的財産利用権を一括でライセンスしようとしたものでした。
NFTを商業利用したい企業にとっては、個人個人に許可を得るより魅力的なものでしたが、コレクターDAOという理念に反するということで否決されてしまい、結果的に解散投票に移ることになりました。
解散投票について
結果は解散賛成派の勝利でしたが、反対票は一つのアドレス(ApeDAO創設者のKyloren氏)から多く投じられていました。
創設者として反対するのは当然のように見えますが、彼は保有するAPEDトークンの1/3しか投じていなかったのです。
つまり、自分の意志を示しつつも、方向性は総意に委ねたということになります。(筆者は大人の対応に感じました。)
この解散劇から学べることは二点あります。
①DAO自体の価値が投資家に正しく評価されない可能性がある
②十分に分散化されていないDAOにはリスクが伴う
①に関しては、NFT自体の価値算定が難しく、それを保有するDAOの算定もなおさら難しいということになります。
②に関しては、ガバナンストークンが特定の人に集中すると意思決定がその人のものになってしまい、DAOが私利私欲に利用される恐れがあるということです。そのためNFT所有権の分権化を行おうという動きも出ています。
今回のApeDAO解散劇では、創設者のKyloren氏の良心のおかげで免れましたが、まだまだDAOのリスクは残されています。
世界に広がるDAOの運営には、今後も注目していく必要があるでしょう。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
いかがだったでしょうか?
今回の勉強会は扱う範囲が広く多くのインターン生が関わったこともあり、1時間半を超えてかなり盛り上がりました。
弊社では引き続きホットな話題を追っていきます。
次回は「流動性マイニング」について勉強会を行う予定です!
お楽しみに!
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