組織の暗黙知が、忖度を生み出す。勇気をもって立ち向かう重要性。
皆さん、こんにちは。
「今日(9/11)は何の日?」と聞かれれば、多くの人が、アメリカで起きた同時多発テロを思い浮かべるのではないだろうか。あれから22年。
当時はまだ中学生だったが、テレビ画面の映像は、今も私の記憶に鮮明に残っている。争いの根源には「貧困」がある。SDGsも、あらゆる貧困をなくすために生まれた行動計画である。
さて、日本では今、ジャニーズ事務所の性加害問題が、芸能の枠を超えて大きな社会問題として注目されている。半世紀以上前から問題になっていたことが今、大きな進展を見せている。
前提として、このような性加害は重大な犯罪であり、いかなる理由があったにせよあってはならないことである。その点について、異論を唱える人などはいないだろう。
ただ私は、この問題の本質は、このような重大な犯罪が、半世紀以上も隠され続いていたという恐ろしい事実だと考える。これは、日本社会が蔓延る闇であり、日本が世界に求められる上でも解決しなければいけない重大な社会問題である。
今回の記事は、組織において暗黙知となってしまっているあるまじき忖度や風習について、どのように対応すべきかについて考えてみた。
何をしても許される人
どんな世界にも、なぜか「何をしても許される人」がいる。嘘をついても、遅刻をしても、最終的には許される。そのようなケースの共通項としては、周囲から愛されていることが挙げられる。
一方で、そうではない「何をしても許される人」もいる。自らの権力を振りかざし、相手に選択の余地を与えない。つまり、許すも許さないの「己の選択」だと思っている人だ。
後者が好まれることでないことは周知の事実だが、実際には、権力に溺れ、いつの間にか自分自身がそうなってしまっている人も少なくはない。皆さんの周りにも、少なくとも数人はいるのではないだろうか。
前提として、「何とかなるだろう」という浅はかな思考が、周囲に迷惑をかけ、犯罪を引き起こす。その思考から抜け出さない限り、私も含め「明日は我が身」であると思っておいた方がいい。
忖度のメカニズム
日本には、「阿吽の呼吸」という言葉をポジティブに捉える文化がある。相手の意向を推し量って仕事をすればキャリアアップができるという迷信も、日本では根強い。(実際にはそのようなケースも存在している)
私は、この文化が忖度を引き起こす源泉になっていると考えている。本人が良かれと思って推し量ったことも、相手がそれを利用すれば、忖度の一部に変換されてしまう。
いつしかそれが暗黙知として常態化し、理解できない人は「会社や組織のことが分かっていない」と理由で省かれる。時には脅して従わせるケースもあるだろう。残念なことに、これは会社に限った話ではない。地方などの地域においても、似たようなケースが今も残っていたりする。
目的と公平の観点から
これまでお伝えしてきたような忖度には、2つの対処法があると考える。いずれも容易ではないが、忖度から抜け出すためには勇気が必要だ。今回のジャニーズの件も、闇の大きく根深かった分、多くの人の勇気や行動が必要だったように感じている。
まずは、「目的を確認すること」だ。何を達成するために、何を得るために必要なことなのか、しっかりと確認する。何気ない文化が常態化している時こそ、目的に立ち戻ることが重要となる。
すでに達成されていたり、そもそも目的が変わっている場合などは、文化そのものを入れ替える必要があるだろう。また、誰かに特定の恩恵しか教授できていない行動や風習であれば、十分に忖度に該当する。
次に、「公平性を確認すること」だ。えこひいきがある状態でスタートする時点で、それはフェアな戦いにはなっていない。年齢や経験によっても差はあるので、その点は配慮した関わり方も必要になる。
理由なき平等やアンフェアな環境では、正常な競争原理は働かず、不必要な忖度を生みかねない。プロフェッショナルであればあるほど、常に、公平性という観点を持ち合わせておく必要がある。
勇気をもって立ち向かう
前述した通り、忖度に立ち向かうことは簡単なことではない。私も昔、忖度に立ち向かうことができずに、つらい経験をしたことがある。耐えることで解決できることは少ない。誰かが、立ち向かわなければいけない。
立ち向かうことは、誰かを不幸にすることではない。自分を助け、周囲を助け、加害者そのものを救う可能性もある。使命感をもって行動ができる人には、自然と信頼も集まってくる。
近年注目を集めているサービスの中には、社会の忖度にモノ申す事業もあったりする。行動や言動できない人は、自分で事業を作って向き合うこともできる。私たちの会社の挑戦も、その一役を担えたらと思っている。
幸せを提供できる会社・個人
私自身は、私や私の会社での活動を通りして、忖度と向き合う勇気の醸成や向き合うためのサポートを通じて、「すべての人が社会を活躍する社会をつくる」というビジョンを実現したいと考えている。
忖度を超えた先には、自分自身が自由に判断できる世界が待っており、私はそんな社会を「幸せ」だと考えている。ひとつでも多くの幸せを提供できるように、引き続き、人間力を磨いていきたい。
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