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アメリカでの4回の転職 成功・失敗

僕はアメリカの製薬会社で働く日本人研究者です。2003年にアメリカに渡り、早19年が経ちました。この間にアメリカで4回の転職を経験したので、今回はそれを振り返ってみました。

転職1 アメリカ駐在員から日系企業のアメリカ現地社員へ

背景

すでに39歳。念願だったアメリカ赴任も2年が過ぎ、残りの任期があと1年足らずとなった。アメリカで更に挑戦してみたいという夢が捨てきれず、一か八か転職活動をしてみることに。

アプローチ

人生初の、しかもアメリカでの転職活動で右も左も分からないが、製薬業界のリクルーターにメールや電話でコンタクトしまくった。たまたま1社のリクルーターから日系製薬会社のアメリカ支社で自分に合ったポジションを募集していることを紹介され、飛びついた。

転職プロセス

リクルータに設定していただいたたった1回の直接訪問。1日休暇を取り、赴任先だったシカゴ郊外からニュージャージーへ飛び、主要メンバー5人と、各自30~45分程度の面談をした。下記の2つの幸運が重なり、インタヴューから1週間で採用が決まった。
1. 自分のボスになる予定の人がたまたま過去に1度だけ一緒に仕事をしたことがある人で、自分のことをよく覚えてくれていて大変気に入ってくれた。
2. 日系企業のため、日本人が応募してきたことが採用先にとっても好都合だった。

転職前・転職後

・シカゴ郊外からニュージャージー州プリンストンへ
・アメリカ駐在員からアメリカ現地採用へ
・駐在員として2年4ヶ月、その後、転職先で2年8ヶ月勤務 

成功か失敗か?

大成功!
1. アメリカで挑戦し続ける夢がかなった。
2. 生涯の恩人となる上司に出会えた。

失ったもの

  1.  安定した生活

  2.  転職後、2年8ヶ月でアメリカ支社プロジェクトの終焉とともにレイオフ。アメリカで失業する羽目になった。


転職2 日系企業から純アメリカ製薬会社へ

背景

42歳でアメリカで失業し、やむを得ず仕事探しをする羽目になった。幸い、ギリギリのところでグリーンカード(永住権)を得ることができ、アメリカでの転職活動はしやすくなっていた。

アプローチ

前回同様、製薬業界のリクルーターにメールや電話でコンタクトしまくった。同時に同僚からも可能性のあるポジションを紹介してもらった。転職サイトからリクルーターを介せずに直接応募もした。最終的に4社を転職先候補とすることができた。

転職プロセス

・フォーンスクリーンと呼ばれる30~45分の電話インタヴューを人事部の人、将来のボスとなる可能性のある人とした。
・その後、直接会社を訪問する正式インタビューにこぎつける
・会社を1日訪問し、主要メンバー10人程度と各自30~45分の面談、60分間で過去の実績のプレゼン&質疑応答
・その後、2週間程度で採用通知を受け取る

転職前・転職後

・ニュージャージー州プリンストンからマサチューセッツ州ケンブリッジへ
・日系製薬会社から純アメリカ製薬会社へ
・1年10ヶ月勤務 

成功か失敗か?

短期的には失敗
純アメリカ企業の洗礼を受け、直属の上司との良好な人間関係構築に失敗、会社文化にも十分馴染めず、自分のパフォーマンスが全く発揮できず、上司に落第点をつけられ、半分クビのような状態で次の転職も決まっていないまま、会社を去ることになった。

でも、長期的に見れば成功
日本人で日本語が話せることが全く活かせない純アメリカ企業で貴重な経験を積むことができた。その後の自分の人生の重要な糧となった。

失ったもの

  1.  自信。転職後、2年も経たずして落第点をつけられて失業。

  2.  失業状態で次の転職先を探す羽目に


転職3 中堅製薬会社からビッグファーマへ

背景

44歳。転職先も決まっていないまま落第点をつけられ、前の会社を飛び出して失業状態に突入。次の転職が決まるまで半年間を要した。

アプローチ

これまでと同様に製薬業界のリクルーターにメールや電話でコンタクトしまくった。同時に同僚からも可能性のあるポジションを紹介してもらった。転職サイトからリクルーターを介せずに直接応募もした。

失業状態での転職活動でとても難航した。
最終的には5社と直接インタヴューまでこぎ着けた。
最終的には3社から採用通知をもらうことができ、最もときめいた1社を選ぶことができた。

転職プロセス

・以前の転職活動で知り合った人事担当の女性がカリフォルニアのビッグファーマに転職し、そこで募集しているポジションに興味がないかと電話をくれた。自分が前の会社を去り、失業中と知るとびっくりされたが、何とか次のステップへ進めることになった。
・30~45分の電話インタヴューを人事部の人、将来のボスとなる人とした。ここでも僕の失業中であることが懸念されたが、何とか、直接会社を訪問する正式インタビューにこぎつけた。
・会社を1日訪問し、主要メンバー10人程度と各自30~45分の面談、60分間で過去の実績のプレゼン&質疑応答
・その後、2週間程度で採用通知を受け取る

転職前・転職後

・東海岸からカリフォルニア州ロスアンゼルス郊外へ
・従業員数千人の中堅製薬会社から全世界で2万人以上の従業員を持つビッグファーマへ
・10年8ヶ月勤務 

成功か失敗か?

大成功。
上司、同僚、職場環境、すべてに恵まれ。たくさんの重要なプロジェクトも担当できた。最終的に重要プロジェクトのリーダーになり、それをやり遂げて、10年勤務した後、皆に惜しまれながら円満退社することができた。

失ったもの

  1.  前妻。仕事に没頭しすぎて、愛想をつけられ、前妻に出ていかれた。しかし、これも今から振り返れば、自分にとって重要なことだった。その後、現在の妻と出会い、更に大きな幸せを僕にもたらしてくれた。


転職4 ビッグファーマからスタートアップファーマへ

背景

55歳。ビッグファーマで10年間勤め、大きなプロジェクトも区切りがついたのを機に、心機一転、別の環境に身をおいて新たな挑戦に挑むことを決意。

アプローチ

リクルーターより新たな会社でより責任のあるポジションに挑戦してみないかと話を持ちかけられた。それに乗って、転職活動に進んだ。

転職プロセス

・2021年5月 コロナ禍で、これまでの転職活動とは全く異なり、すべてがズームミーティングで進められた。
・リクルーターと30分のズームミーティングを行い、ポジションの詳細を学び、実際のインタヴューを受けることにした。
・将来のボスと30分のズームミーティングを行った。自分のことを大変気に入ってくれた。
・その後、会社の主要メンバー8人と30~45分のズームミーティングを行った。
・60分間のズームミーティングで自分の過去の実績のプレゼン&質疑応答
・その後、2週間程度で採用通知を受け取る

転職前・転職後

・カリフォルニアから再びマサチューセッツ州ケンブリッジへ
・全世界に2万人以上の社員のいるビッグファーマから200人足らずの未だに市場に薬を出していないスタートアップファーマへ
・転職後、1年経過 

成功か失敗か?

大成功!(今のところ)
・新たな挑戦の機会を得た
・より自分の裁量・責任も増した
・幹部、上司、同僚にも恵まれ、小さな会社ならではの一体感・存在感・貢献感を味わえている

失ったもの

  1.  カリフォルニアの温暖な気候

結論

どの転職も自分の人生にとって重要な意味を持つものだった。今の環境に、周りのみんなに感謝!



#わたしの転職体験

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