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10万人を新規採用。新型コロナウイルスに対するAmazonの驚異的な俊敏性

こんにちは、RELATIONS株式会社の加藤章太朗(@katoshow)です。

前回のnoteでは、アジャイル組織に最適な目標管理のフレームワーク(戦略フレームワーク)についてお伝えしました。

今回は、パンデミック時のAmazonのAgility(俊敏性)について書きます。

新型コロナウイルスが世界中に影響を与える中、Amazonは「Amazon’s COVID-19 blog」を立ち上げ、2020年2月末よりわずか1ヶ月間で次々と手を打ってます。

従業員数が70万人以上、時価総額は約100兆円の会社とは思えないほどの俊敏性です。

具体的にどのような手を打っているか見ていきましょう。

※重要そうなものをピックアップしてまとめています。
※1ドル110円で計算しています。

働き方へのAgility(俊敏性)


・年次株主総会をオンラインにした。(2020年2月28日)

・配送センターや本社へのツアーを中止した。(2020年2月28日)

・面接をオンラインに切り替えた。(2020年2月28日)

・世界中の施設の清掃頻度を上げた。ドアノブ、階段の手すり、エレベーターのボタン、ロッカー、タッチスクリーンなどの消毒を定期的に実施。(2020年2月28日)

・在宅ワークができるすべての社員に在宅ワークを推奨した。(2020年3月6日)

寄付へのAgility(俊敏性)

・「COVID-19 Response Fund」に約1.1億円の寄付をした。(2020年3月9日)

・シアトルエリアのスモールビジネスに向けて、約5.5億円のファンドを設立した。50人未満の従業員もしくは7.7億円未満の売上の会社が対象。(2020年3月10日)

・運送のパートナーや業務委託や非正規雇用のドライバーなどに向け、約27.5億円のファンドを設立した。(2020年3月11日)

・ワシントンのCOVID-19関連の組織に約1.1億円の寄付をした。

・検査を加速させるために約22億円を拠出し「AWS Diagnostic Development Initiative」を設立。研究機関、大手企業、スタートアップ企業など合計35機関が参加し、COVID-19などの診断手法を開発していく。(2020年3月20日)

・ 「Seattle Coronavirus Assessment Network」に、Amazon Careのインフラや物流などを提供することを決めた。(2020年3月23日)

・ミュージシャンを助けるために、「the MusiCares COVID-19 Relief Fund」をサポートすることを決めた。(2020年3月24日)

・シアトルエリアの隔離中の患者や回復した人に対して、25万点以上の生活必需品を寄付する事を決めた。(2020年3月25日)

・WHOによるCOVID-19のリサーチをAWSがサポートすることを決めた。(2020年3月25日)

・Amazon.comを通じて、顧客がCOVID-19関連の活動に寄付できるようにした。(2020年3月25日)

・ホワイトハウスが立ち上げた「COVID-19 High Performance Computing Consortium」にAWSのリソースを提供し、研究者や科学者が無制限に最新技術を活用できるようにした。(2020年3月26日)

・Amazon UKがCOVID-19の検査スピードを上げるために、物流ネットワークなどを「NHS initiative」に提供する事を決めた。(2020年3月27日)

・イギリスのCOVID-19関連の組織に約4.3億円を寄付する事を決めた。(2020年3月27日)

・病院の患者に対して、Amazon MusicとFire 7 tabletを寄付する事を決めた。(2020年3月27日)

・ ライドシェアの需要が減ったことを受け、Lyftと協力しLyftのドライバーを受け入れることを決めた。(2020年3月28日)

・シアトルエリアの高齢者や基礎疾患がある人の家に73,000食を寄付するために、ケータリングビジネスの「Gourmondo」と組んだ。(2020年3月30日)

・COVID-19を緩和するためのファンドに約3億円の寄付をした。(2020年3月31日)

・「Feeding America」に、CEOのジェフ・ベゾスと創業者が約110億円を寄付した。(2020年4月2日)

・ヨーロッパのCOVID-19関連の組織に約25億円を寄付した。(2020年4月3日)

雇用へのAgility(俊敏性)


10万人の採用を決めた。COVID-19によるAmazonサービスへのニーズの高まりに対応するため。そして、COVID-19によってダメージを受けた接客業界、レストラン、旅行業界などの人の力になりたいとのこと。(2020年3月16日)

・従業員に対し、2020年4月の1ヶ月間で総額約385億円の割増賃金を支払うことを決めた。配送センター、運送業務、店舗、ドライバーなどに対して、1時間あたり2米ドル、2カナダドル、2ポンド、2ユーロを追加で支払う。(2020年3月16日)

・自社の社員でCOVID-19と診断された人や検疫を受けた人に対して、2週間の有給休暇を付与した。(2020年3月11日)

サービスへのAgility(俊敏性)


・Amazon Prime Now、Amazon Fresh、Wholoe Foods Marketに関して、顧客がドライバーと接触したくない場合、置き配を選択できるようにした。(2020年3月15日)

・アメリカの学生や教師がAmazon Future Engineer Program(オンライン学習システム)に無料でアクセスできるようにした。(2020年3月15日)

・生活必需品の供給を確保するために、物流やサプライチェーンなどを最適化する事を決めた。それにより、生活必需品以外の商品の配送が遅れる場合も発生することを受け入れた。(2020年3月17日)

・顧客が生活必需品以外を購入する際に「そんなに急がない配送」を選択することで、COVID-19で困っている人を助けられるようにした。物流を調整することで、できる限り生活必需品を困っている人に素早く届けることができる。(2020年3月17日)

・ホールフーズマーケットでは、開店前の1時間を一時的にCOVID-19の影響を受けやすい高齢者に開放することにした。アメリカとカナダは60歳以上、イギリスでは70歳以上を対象。(2020年3月18日)

・危機に乗じて価格を釣り上げる商売に対抗する強い姿勢を示した。(2020年3月23日)

・Alexaに「Stay at Home」と「Work from Home」というルーティーンを追加した。例えば「Work from Home」を選択すると、起きる時間やストレッチをする時間を教えてくれたりする。(2020年3月31日)

Amazonの俊敏性を見習いたい

いかがでしたでしょうか。以上が、2月末からの約1ヶ月間のAmazonの意思決定の一部です。70万人以上の従業員がいて時価総額が約100兆円ある会社のスピード感とは思えません。自社でも見習える部分が多々あると思うので、見習っていきたいと思います。

アジャイル組織やAgilityに関する記事を引き続きアップしていきます。

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