転職理由「このままでいいのか不安に感じて」それ大丈夫?
転職相談をお伺いしていたり、面接で転職理由をお伺いしていると、けっこうな割合で出てくる返答。
「このまま今の仕事を続けていて大丈夫か不安に感じて」という言葉。
将来不安を感じて、転職活動をする。
一見すると、ごく当たり前で筋の通った考えと行動のように見える。
会社の業績が悪い。
業界全体の先行きが暗い。
劣悪な労働環境。
将来の不安に感じる要素をはらんだ仕事や職場というのは、実際にいくつもある。
その不安を解消するために、業績の良い会社、成長産業、健全な職場を求めて転職活動をするというのは理に叶っているのかもしれない。
一方で、こんな疑問も感じる。
「先行きに不安のない、ノーリスクな職場って存在するのだろうか?」と。
リーマンショック以降、大企業であってもふとしたきっかけであっという間に倒産に追い込まれてしまうということを、多くの人は知っている。
どんなに売り上げが伸びていようと、キャッシュフローが悪ければ倒産することだってある。
成長産業でも、感染症や戦争によって状況が急転直下することだってある。
健全な職場環境だと思っていたのに、体調を崩してしまうことだってある。
何が言いたいかというと、どんな職場であっても、中長期的に健全と確信をもって言えるような職場など、もはや存在しないのではないか?という事である。
何も格別にネガティブに悲観的に捉えようとしているわけではなくて、当たり前の事実に、平然と向き合う時がきたということのようにも思う。
「中長期的に健全だと確信を持って言える職場が存在しない」という前提に立った時に、将来不安を感じた時の対処方法は、果たして転職なのだろうか?ということを考えたい。
転職というのは、現状よりもよい条件(待遇だけではなく、会社業績や職場環境なども含めた広い意味で)の環境を探し、異動していく手段である。
しかし、前述の通り、どんなによい条件の職場が見つかったとしても、それは恒久的なものではないとすれば、いつかまた転職する必要性に迫られる。
すなわち、転職と言うのは暫定的な対処療法のようなものにも思えてくる。
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「会社の業績が悪くて将来が不安」という人がいるけれど、ここで言う不安というのはどのようなものなのだろうかと、少し具体化してみる。
会社の業績が悪化したときに、従業員が被る可能性がある不利益とはどのようなものだろうか。
・リストラなど雇用関係の終了(解雇)
・賃金の不払い
・業績悪化に伴う職場の雰囲気の悪化
・望まない業務へのアサイン
ざっくりだけれど、こんなところだろうか。
確かに、ある日突然解雇されたら、生活へのインパクトは結構大きいかもしれない。
しかし、実際にはそれほど危惧すべき問題ではない。
解雇されたら、別の仕事に就けばいいだけである。
現状では有効求人倍率が1倍を超えているので、仕事の選り好みをしなければ、再就職が出来ないということはない。
もちろん、仕事の選り好みをしなければ、給与は減るかもしれないし、望まない仕事をするハメになるかもしれないし、劣悪な職場環境で働くことになるかもしれない。
そんな状況は誰だって望んでいない。
つまり、ポイントは、解雇されることではなくて、自分が在る程度希望した働き方が実現出来なくなるかもしれないという不安にあるということになる。
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自分が望む働き方を実現出来る人というのは、どのような人だろうか。
前提として、どのような働き方をしたいかという理想像を持っていることが挙げられる。理想や希望がなければ、実現のしようがない。
その上で、望む仕事をするためには、知識や経験、熱意などを備えているということが必要な要素となってくる。
長々と書いてきたけれど、将来不安を感じたときにするべきことは、対処療法的な転職で時間を稼ぐことも重要だけれど、それ以上に重要視するべきは、自分の理想とする働き方を具体化し、そのために必要な要素を集め、積み重ねるために尽力することなのだろう。
場合によっては、スクールや学校に通って知識を付けることかもしれないし、簡易な仕事で実績を積み、徐々に難易度をあげていくことかもしれない。
転職の先に何を見出すのか。
もちろん正解は一つではないけれど、キャリアを考える際には短期的な目標と中長期的な目標の両軸で考えると、マイルストーンを設定しやすい。
と、言うわけで、
将来に不安を感じて転職を検討している方は、不安の正体がどこにあるのか、その解消のために必要な要素は何なのか、解像度をあげてみると意外な解決方法が見えてくるかもしれない。
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