「御社はブラック企業ですか?」という質問の意図を知りたい面接官
前職で面接官をしていた時に、候補者からときどき聞かれた質問。
御社がブラックというネット記事を見ました。
本当ですか?
もっとも、もう少し具体な内容を聞かれることもある。
「残業が〇十時間もあるって書いてました」
「パワハラがひどいって聞きました」
「すぐに解雇されるって本当ですか?」
「離職率がすごく高いって・・・」
「etc, etc,」
ひらたくまとめると「ブラックっぽい噂を耳にしました」ということなのだろう。この質問をする人に、逆に聞きたい。
どんな答えを求めての質問ですか? と。
採用しようという意欲のある面接官なら、大抵の場合、綺麗な答えを返す。
「繁忙期には残業が〇時間くらいになることもありますが、平均すると△時間くらいですよ」
「パワハラがもし発生した場合は、厳密に対処しているので働きやすい職場だと思いますよ」
「すぐに解雇されません。そもそも日本の雇用慣習や法令によって簡単に解雇なんて出来ないんですよ」
「離職率は〇%くらいですね。どう判断するかはあなた次第ですが、業界平均よりは低めですよ」
きっと、こんな感じだろう。
ネットに書かれていることが事実であれ、事実無根の虚偽情報であれ、事実が柔らかく聞こえるように答える。
そして、何を信じるかは候補者次第ではあるが、候補者には面接官の返答が事実かどうかを厳密に確認する術はない。
面接官が、
「そうなんです、うちはブラック企業です」とでも回答してくれるならば、質問する意味はあるし、選考を途中辞退するという選択肢も生まれよう。
しかし、
「いやいや、ブラックではありません。ただ相性の良し悪しはあるかもです」というような白でも黒でもない回答が返ってきたときに、そんな曖昧な情報をもとに、選考辞退するだろうか。或いは、面接官の回答する様子から、真実を透かして読み取ることが出来る自信でもあるのだろうか。
少し目線を変えて、
逆の立場で考えてみるとよいかもしれない。
あなたが面接官の立場だったとして、
「あなた(面接官)が働く会社って、ブラックなんでしょ?」と聞いてくる候補者と一緒に働きたいと思うだろうか。
答えはNoである。
というわけで、前述の私の質問がうまれる。
「ブラックかどうかを尋ねることで、あなたはどんな情報を引き出したいのだ?」と。
逆質問(候補者から企業・面接官への質問)は、慎重に考えないとけっこうネガティブイメージを持たれることがあるので、要注意。
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