若者の芽を摘まないために。
小学生が発明した「さんぽセル」という商品が物議を醸しているらしいというのをネットで初めて知った。
あんまり予備知識がない状態での率直な感想としては「小学生が商品開発って、それだけですごいじゃん」という感じ。
実際のところ、小学生がどの程度”商品開発”に携わっているのかの実態はわからないのだけれど、この問題の焦点は、小学生が作ったかどうかという点ではなくて、”従来型”のランドセルを”新型”のさんぽセルに置き換えることの是非というところだろう。
(まぁ、批判コメントの中には、「考えた子 馬鹿そう」という子供に向けたコメントもあったけれど、子供たちの返答が秀逸すぎるので、もはや何も言う事がない)
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新しい考え方、商品、価値というものに対して、批判的な姿勢を取る人は、どんな領域においても一定数存在する。
こういう人たちは、それを発信しているのが誰であれ、どうようの反応をする。ただ、相手が若年者や若輩者だと分かった途端に、ハードスタンスになりがちという傾向はあるかもしれない。
冒頭に紹介した記事の中で、イノベーションの芽をつぶす人は、下記のようなロジックを用いることが多いらしい。
すごくよく解る。
私自身としては、イノベーションの芽をつぶしたくないし、出来ればそれを理解してサポートに回りたいと頭では思っている。
冷静にそう思う。
一方で、考えの違いを理解することに時間がかかることもあると感じることもある。例えばもっとも身近で小さな社会である家庭において、妻の意見と自分の意見が全く異なるような場合に、上記3つにあるようなロジックを用いて、説得しようとしたこともある。
そして大抵の場合は、論理的に意見を述べているのではなく、感情的に受け入れられなくなっていたり、否定したくなっている自分に気が付いて、自分が話していることのロジックエラーに気が付いて苦笑いしてしまう。
(ちなみに妻は直感型で、そもそもロジック云々のことは気にしていない)
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異なる意見を素早く理解して、時に認めたり賞賛したり、時に改善を促すような指摘をしたり、建設的な対話に持ち込むにはどうしたらいいのだろうか。
よく言われることとしては「相手の立場に立つ」である。
しかし、これは結構難しい。
特に、自分の立場(意見)が確立してしまっているときは、それを一旦ゼロリセットしなければ、本当の意味で相手の立場に入り込むのが難しい。
では、どうするか。
私は敬意を持った疑問と質問こそが鍵なのだと思う。
疑問と質問というのは、文字通りで、相手のアイデアや考え方に対して、疑問に感じたことについては、率直に聞いてみるということである。
そこには批判もいらないし、否定もいらない。
ただ、理解したいという気持ちをもって、質問をすることこそが重要なのだ。言葉に出さなくたって、感情は言葉に乗って伝わってしまう。
もし、否定的な気持ちが言葉に乗ってしまったと感じたら、その場で「自分の考え方と異なっていたので、少し否定的な反応になっているかもしれずごめんなさい」と言葉にしてしまえばいい。
そうするだけで、自分への戒めにもなるし、相手への配慮もできて、不要なヒートアップを防ぐことが出来る。
そして「敬意を持つ」というのは、自分と同等かそれ以上に相手の方が理解が優っているかもしれないと考えることだと思う。
新しいアイデアや意見を見聞きしたときに、否定的な感情を持つときというのは、大抵が何かしらの問題点や課題に気が付いたときだろう。
例えば「さんぽセル」のケースであれば、片手がふさがってしまって危ないのではないか?という問題点などである。
この時に、問題点が露呈しているぞ!と指摘する前に、「自分が5秒で気が付いた問題点なぞ、既に相手も認識しているはずだ。なんだったら解決策まで検討済なのではないか?」と頭の中で唱えてみるのだ。これが、先ほど書いた 「敬意を持つ」ということだと考えている。
問題点の指摘というのは、暗に「あなた気が付いていないでしょ!?」という感情が見え隠れする。
ひょっとしたら、相手が認識していない問題もあるかもしれない。そういう場合は、一緒に解決方法を考えればいいのであって、攻撃する必要はないし否定も必要ない。
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偉そうなことを書いているわりに、自分とは異なる考えやアイデアに直面した時に、絶対に否定的な考えを持たないでいる自信はない。けれど、言葉に出す前に2秒くらいは脳内でとどめて逡巡するくらいのことならば、なんとかなる。(というか、若いときに思いついてすぐに言葉にして周りの人を不快にさせてしまったり、お叱りを受けた経験があって、やっとこさ気をつけられうようになってきたというのが正直なところだろう)
これから、ますます年齢を重ねて、濃いか薄いかは分からないけれど、人生の経験値は刻一刻と溜まっていく。出来るならば、若い感性というのは持ち続けていきたいけれど、それが叶わぬならば、若い感性を持つ人を応援できるような人間ではありたいな、と思う。
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