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採用担当という仕事の何が面白いのか。を書こうと思ったら、アウトラインだけで文字が溢れてしまった。

昨日のnoteに書いた通り、私は社会人になってから転職を2回経験して、3社にわたってからずっと採用と人事に関連する仕事を行ってきた。

一貫して採用と人事に関連する仕事を行ってきたのは、全くの偶然だったのだけれど、それでも述べ15年以上にわたって続けられたのは、きっと何かしらの魅力を感じていたからだと思う。

というわけで、採用や人事の仕事において、私がどんなところに面白さを感じていたのかを振り返って考えてみたいと思う。


採用業務との関わり

私は、これまで3つの役割を通じて採用という仕事に携わってきたので、まずは前提としてどのような関わりがあったのかをご紹介してみます。

最初の関わり

私が最初に採用に関連する仕事を担当したのは、新卒で入った小さなベンチャー企業でのことである。

その会社は、企業の採用活動を支援するサービスを展開しており、具体的にはリクナビやマイナビのような独自の就活サイトと合同企業説明会(合説)の企画運営をしつつ、また企業向けに採用のコンサルティングサービスを提供していた。

営業担当として入社した私は、30~50社くらいの企業を担当し、採用担当者に対し、広告掲載のプランニングだとか、合説への出展の案内、或いは自社説明会や選考の企画などを提案する仕事をしていた。

自分が就活生だった頃には分からなかったことだけれど、企業の説明会や選考、或いはインターンシップの裏側には、採用コンサルと名乗る人材サービスを提供する会社が山のように存在している。

採用選考の場で、優秀な人材を集め採用するために、どのようなメッセージを打ち出すべきか、どのように表現するか、選考プロセスをどのように組み立てるか、各企業の採用課題に応じて、最適なプランを提案する。


2つ目の関わり

その次の採用業務との関わりは、アウトソーサーとしてだった。
アウトソーサーとは、外部委託。つまり、採用代行業者として。

これは顧客企業の採用担当者のメンバーとして、候補者対応を行ったり、説明会を行ったり、場合によっては面接などの選考対応を行う。

私がアウトソーサーとして、経験したのは4業務。

①電話対応。
これは衝撃だった。

初めてアウトソーサーとしての業務だったのだけれど、まるでコールセンターのように、たくさん電話とパソコンが並んだオフィスで、一日中架電と受電を繰り返し、説明会の呼び込み(予約受付)や、面接日程の調整を行う。

最近はほとんどの企業が、選考の予約システムのようなものを通じて、候補者側とのメール連絡を行い、予約の案内や促進を行っている。
しかし、それだけだとメールを見落としている方がいたり、何かしらの理由で後回しにしてしまう人がいる。そういった候補者に電話をして、その場で日程調整を進めて、予約まで確定させてしまうのである。

また、選考の途中辞退の連絡があった際などに、辞退理由を確認して、次回以降の採用時の参考材料にしたりもする。

私はそれまでコールセンターの業務というのは全く経験が無かったのだけれど、私がいた企業では、かなりシステマティックに業務が設計されていた。
もちろん、何かの商品案内というわけではなく、採用選考という限られたトピックだったから可能だったのかもしれないが、基本的には Yes / No の分岐に応じて、トークスクリプトがしっかりと用意されており、通話者はそれに応じて会話を進めていくだけなのである。

例えばこんな感じだ
「今お時間ありますか?(Yes / No)」
 →Yes:「それでは、次回選考の日程調整を進めさせて・・・」
 →No:「では後ほど選考に関するメールをお送り・・・」

②書類選考(1次)
これもある意味、衝撃的だった。

ある大手企業の新卒採用のお手伝いさせていただいたときのこと。
その企業では毎年3万~5万名のエントリー(応募)があり、書類選考だけでも莫大な工数が発生するということで、アウトソースしていた。

1次選考は完全に流れ作業で、10名くらいで輪になって作業する。
A~Eくらいにボックスが分けられており、そこにいくつかの基準で履歴書やエントリーシートを振り分けていくのである。

いくつかの基準とは、大学名、文理、記載量など、1名につき10秒前後くらいで判断し、どんどんボックスに投入していく。

もちろん、この選別で不合格となってしまう候補者もいる。
企業の募集条件への合致度が高いボックスから、その企業の採用担当者が直接、書類選考(2次)を進めていく。

なんとなく頭ではイメージしていたけれど、あそこまで完全にシステマティックに選別しているのかと思うと、しょうがないとはいえ ドライ だなぁ、と感嘆してしまった。
※すべての大手企業がアウトソーサーを導入しているわけではありません
※すべての応募者情報に目を通している大手企業もきっとあると思います


③採用事務
採用活動には、様々な事務作業が付随する。
応募者とのメール対応、日程調整、応募状況や選考状況のレポーティング、応募書類の保管と破棄などが主な作業となる。

一見地味に見えるこの作業も、実はかなり気を付けないといけないことがたくさんある。

例えば、前述のような大手企業の場合は、候補者へのメール配信といっても、一度に数千通のメールを同時に一斉配信するような場合がある。(例:説明会のご案内など)

作業自体は、システム上で、対象者を絞り込んで、適切なメールテンプレートを選択して、配信ボタンを押すという単純作業なのだけれど、対象者を誤って選択してしまったり、メールテンプレートを誤ってしまうと、けっこう大きな事故になる。

実際に、私がアウトソーサーとして就業している間に、別担当者が起こしてしまった事故として、合格者に対して、不合格通知を送った というものがあった。後から、訂正連絡をしたとしても、そんなミスをしてしまう企業への信用というのは、大きく低下してしまうし、選考辞退につながってしまう。
アウトソーサーは、プロとして業務を引き受けているので、謝罪では済まないような、非常に厳しい状況になってしまうことがある。

従って、メール配信一つとっても、常に緊張感をもって対応することが求められる(とはいっても、慣れと油断は出てくる)。
また、緊張感に作業制度を任せるというのは属人的であり、ミスが生まれる温床になってしまうので、チェックリストの徹底や、メール設定者と配信者を別担当にしてダブルチェックするなど、様々な仕組みが導入されていた。

こういった作業プロセス設計などは、非常に勉強になった。


④採用担当者代理
説明や面接を企業の採用担当者の代わりに行う場合がある。
これは、依頼主の企業のスタンスや採用の規模にもよって、依頼される場合とされない場合に分かれてくる。

私が実際に採用担当者の代理として、オモテに立って候補者と接した経験は2社ある。1社は国内大手企業のグループ会社で説明会を実施、もう1社は米系大手企業の中途採用の1次面接を行った。

これは、慣れるまで非常に難しいし、勉強が必要である。

そもそも、顧客企業がどういうビジネスを展開していて、組織課題がどこにあって、どのような人材を欲しているかといった、採用活動の背景を理解しないことには、適切な採用判断は出来ない。そういう意味で、自分の未経験領域であった顧客企業の理解と、そこから求める人物像をイメージするのが難しく「採用基準」を感覚的につかむのに苦労した。

この経験から、合否判断をどのように下すべきなのか、そういった点については非常に勉強になった。


3つ目の関わり

3つ目は、企業内の採用担当として。
主な担当範囲は中途採用だったけれど、約5年間の経験の中で、新卒採用にも携わったし、障がい者採用も担当したし、第二新卒レベルから、本部長クラスなどの上級職の担当も行ったし、職種としても、人事、ファイナンス、調達、生産管理、IT、エンジニア、SCM、コールセンターなど、かなり多岐にわたる職種の採用を担当した。

採用担当として勉強になった点と言えば、社内調整をどのように進めるか。またベンダー企業をどのようにハンドルするかという点である。
私が担当した職種の採用予算は全体で3,000~4,000万円くらい。けっこうな金額である。それをファイナンスから予算承認をもらうところから、どの業者(広告、人材紹介等)に投下するかの計画と運用するかなど、予実管理など、かなりシビアに求められた。

他にも、採用の手法として、広告からの募集の他に、人材紹介やダイレクトソーシング、紹介予定派遣、社員紹介、アウトプレースメントなど、色々な方法を学ぶことが出来た。

おかげで、数百人規模までであれば、採用計画の立案から運用までは一通り対応できるようになった。

他にも、面接トレーニングなども受ける側から実施する側まで経験したことで、面接においてどのようにヒアリングを深めるのか、またどのように採用判断を下すべきかといった点についても、経験を積むことが出来た。



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このように私はこれまで3つの役割から、採用という業務に携わってきた。
軽く紹介するつもりが、けっこうなボリュームになってしまったので、実際に採用業務のどこに面白さを感じたかについては、明日以降に別記述でまとめようと思う。
#アウトラインを書くだけで、これだけのボリュームになってしまうあたり、それだけ自分にとって思い入れのある仕事だったのだろうな、と思い知らされました。







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