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前職の後輩が会社辞めるってよ

前職の後輩からLinkedin経由で久しぶりに連絡がきた。

あまりに珍しいので何かと思って見てみたら、退職のご報告と書いてあった。

前職はアメリカ系の会社で、定年を待たずして退職する人もそれなりに居たので、さほど驚くことではないけれど、一緒に仕事をしていた人が退職するというのは、少し寂しい気持ちになる。
(そういう私の方が先に退職しているので、何を今さらというところだけれど。)


実は、その後輩を採用したのは私だ。
途中で私の部署異動があり、最終的には別のチームになってしまったが、上司と部下という関係だったこともあるので、お互いに非常によく知っている間柄だ。

彼は、前職で私にとって初めての"自分で直接採用した部下"だったことに加えて、障がい者手帳を持っていたこともあり、何かと印象深い。

彼が入社した当時の私は、会社全体の障がい者採用を担当していた。
それまで、障がい者採用専任のリクルーターや部門はなく、いわばプロジェクトの立ち上げのような位置づけだった。

私自身もそれまで障がい者採用の経験は全くなく、また障がい者と一緒に仕事をした経験も全くなかったので、すべてが手探りだった。

厚生労働省が発行している資料を読み、支援団体の話を聞き、就職支援企業の講演を聞き、イチから勉強していった。

当日の私の上司の方針で、まず人事部内で障がい者の採用を積極的に進めることとなり、私の部下のポジションの採用が始まった。

ある障がい者の就職支援企業と協力して、登録している方の中から何名かご紹介いただき、そのうちの1名に最初は2か月間の職場体験として、会社に来て一緒に働いてもらうことにした。(最終的には正社員として入社してもらった)


彼は発達障害(ADHD)と診断されていた。
ADHDというと、一般に注意欠如や、多動・衝動性が特性と言われる。
しかし、支援団体の担当者の話によると、個人によってその程度や顕著に表れる状況などが、全く異なるという。

実際に、彼と最初に話してみた印象としては、どこにでもいる普通の青年という印象だった。
新卒で一般企業に入社して働いていたこともあり、PCスキルなども高く、業務上は特に困るようなことはなかった。ただ、指示を出すときに、曖昧な言葉を使うと、上手く理解できないというか、サジ加減が難しいらしい。

例えば「この資料、サクっとまとめておいて」なんて指示すると、フリーズしてしまう。サクっのような、空気を読んだいい塩梅の言葉が鬼門なのだ。
「30分でまとめておいて」「5ページでまとめておいて」のように、定量的な情報であれば、その通りに仕上げてくれる。

このコミュニケーション上の特性は、大変なようで、仕事をする上ではとても助かった。
チーム内の情報共有から、曖昧さがどんどんと排除されていくからである。
マニュアルなどを作ってもらえば、非常に理路整然として、分かりやすい言葉でまとめてくれる。

もちろん、注意欠陥が原因で手痛いミスをしてしまったことはあるけれど、そんなのは後になれば笑い話だ。
むしろ、彼から学ばせてもらったことは山ほどある。

もちろん彼だけではなく、当時チーム内にいた全てのメンバーから学ばせてもらったことも山ほどあるのだけれど、直接の上司部下という関係だった彼は、私にとってはやはり特別な存在である。


そんな彼と、来週久しぶりにZoomで話すことになった。
なぜ退職を決めたのか、これからどんなことに挑戦するのか。
聞きたい話は山ほどあり、今から楽しみだ。

トークストレート直接的に言うロジカル論理的に定量的に
彼とのコミュニケーションのルールを思い出そう。






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