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田舎に移住したら、どんなビジネスをするか

 人間がどう行動したら良いか、というのは「環境」によって決まります。自然環境、ってことではなく、ま、それももちろん含むんですが、人口とか、どういうふうに食料を獲得するかとか、技術インフラとか、ですね。その外部環境と、目的(大抵は、幸せに暮らすことが目的となる)が決まれば、行動の最適解が決まります。

 ただ、環境が変わったら、すぐに行動が変わるかというと、そうでもない。人間は、慣れます。基本的には、今までやってきたことを、そのまま継続します。なぜなら、人間の遺伝子が想定する環境は、人間の寿命ぐらいの短い期間では変化しないはずだから、です。数万年前の狩猟採取時代に、たとえ気候が変わったりしても、そんなものは数百年とかのスパンがかかりますから、数十年ぐらいは行動を変えなくてもいいんですよ。子供の頃に通用した行動パターンは、死ぬまで使えると想定しているんです。

 もちろん、環境が変わって、通用しなくなる場合も、あったでしょう。そこも、そういうレアケースに対応するほどのコストをかけるシステム(遺伝子)にするか。例えば、1年ごとに環境をリサーチして最適な行動を組み直すようにプログラムすることもできるでしょうが、そんなことしたら、脳の負担がやばい。毎年、新しい言語を覚えるようなものです。だから、そういう行動パターンを覚えるのは、生まれてから十数年だけにして、あとはそのプログラムを使い続けるというような、省力システムにしているのでしょう。

 しかし現代社会というのは、環境の変化が激しいです。ま、これも主観的な捉えようで、いわゆる「世間」とか「常識」を気にしたり、最新の技術に追いつこうとすると、なかなか変化が激しいんですけれども。自分の身の回りのことしか考えないという、ある意味、仏教的な生き方をするのであれば、変化が無いとも言えますが。ほとんどの人は、変化は激しいと思っているでしょうし、この文章が目についている人は、そう思っている確率が高いでしょうから、そういうことにして話を進めます。

 環境の変化があるのに、一方で人間の遺伝子は、行動を変えないように出来ている。ここにズレが生じます。環境が変化しているということは、今後、そっちの最適解に移っていくはずなんですけど、移るのには時間がかかる。そこにギャップが生じる。それを人より早く察知すれば、そこの「人の動き」が経済になり、需要が発生し、お金も発生する。みんながみんな、すぐさま最適解の行動を取るのであれば、何の商売もできませんし、貧富の差も生まれないでしょう。でも現実はそうならないから、いろいろなビジネスが誕生するんです。

 例えば、インターネット網が全国99%ぐらいを網羅するという「環境の変化」が起こったのなら、田舎に住むというのは、多くの人にとっての最適解となります。そもそも、数十年前から続く東京一極集中の最大の理由は「仕事」ですから、それがリモートでも良くなれば、わざわざ家賃が高くて、空気と水が汚い都会に住む必要なんて、無くなるんです。ただ、人間の行動は、数年とか数十年とかいう短いスパンでは変わらないから、まだ環境の変化に対応していないだけのことです。

 インターネットというインフラが整ったことにより、人間が地方に分散していくという流れになるのは、今後、数十年で見れば明らかだと思います。また、メーカー的な「モノの生産」も、無人化が進みますから、都会で人を集める必要が無くなる。自然と地方に分散するはず。ただ、その流れが少しでも早い方が多くの人が幸せになるだろうから、「なるはや」でやった方が良いだろう、ってことです。僕は、そこの本質が「コミュニティ」だと思っていますから、そこを進めますが、いろいろな関わり方があると思います。

 住居が無いから、そこを整えるという不動産や建築とか。解体業とか。移住に前向きな層は、子育て世代も多いから、教育関係のサービスとか。家事代行とか。地域とつなげるコーディネーター的な役割とか。ま、大きな流れでの「都会から田舎」が今後、来ると分かっていれば、そこに無数の需要があるということが分かります。なので、そういうサービスを提供すればいい、ってことです。林業も良いですね。植林の話も散々、していますが、あれはいつか、どうにかしなきゃいけませんから。

 一次産業でいえば、漁業は(そんな詳しくないけど)先細りだと思う。環境が悪化して、漁業資源が少なくなっていくだろうし、保護の面からも規制されるでしょうし。農業は、国がまともなら、きちんとした保護政策が続くだろうから、良いんじゃないですか。農作業が好きならば。ま、僕は林業が一番、必要だと思いますね。日本は、農地よりも林地が多いですし。林業の実作業じゃなくても、土地の取りまとめという事務作業も需要が高い。林業はそこがネックになっていますから。

 これは、どこでやっても成功するビジネスモデルだと思いますけど、林業の山というのは民有地が多いんですが、境界が複雑だったり、地主と連絡が取りにくいとかで、まとめた伐採ができないことが多いんですよ。これを取りまとめて、大きな面積を一気に伐採できるようにするというのは、需要があります。事務仕事ですね。デスクワークで出来るので、そんな林業サービス作ったら需要めっちゃあるので、ぜひやってください。僕もこれはやらなきゃいけないんですが、何しろ色々と忙しくて、後回し後回しになっている。うーむ。

 ま、それよりも僕が面白いなと思っているのは、田舎の山奥でコミュニティを作るモデルとして、植林地の近くに簡易製材所を作って、現地で製材して家を建てていくというスキーム。相当、コストが安くなると思っています。インフラ含めで、数十件のコミュニティをどうやって安く作っていくかと考えると、使える水があって、植林があって、ならその場所に直接、製材所を作るべきだな、と。そういうモデルを作ろうと。ま、それが先ほど言った、大きな流れを加速できるんじゃないかと思っている、って話です。

 あと、インターネット網もそのうちスターリンクになるでしょう。本当に、どこでもサービス提供できるようになる。で、日本の場合は、海外移住しようとか言っても難しい。日本語の壁がありますから。文化がかなり特殊なので、ほとんどの人は海外移住しようとは思えない。となると、国内の田舎です。安全の面から言っても、国内の田舎に人が流れる。津波、川の氾濫、地震とかの天災、そして紛争リスクも考えると、そうなる。ってことでね、田舎に来たら良いですよ、という話です。またあした。

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