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朝丸(現ざこば)さんのコメントを思い出しました。

 先代の桂春蝶さんが亡くなられた時の事、テレビのバラエティー番組で、朝丸(現ざこば)さんが上方の落語家さんの葬式について紹介していました。

 
 仲間の落語家が亡くなった通夜は、それこそ、お笑いの世界に居た方にふさわしく、笑いが絶えないそうです。
 ふざけて御遺体をいじったり、挙げ句の果ては御遺体で 二人羽織をしたりするそうです。
 でも翌日、いざお別れの時は、一転してみな号泣、

「噺家の世界って、おもろいでっしゃろ」

 そう話する朝丸さんからは、自身が亡くなった時もそうして見送って欲しい、そんな思いがうかがえました。

⭐⭐⭐

 最近、亡くなった方のご家族はもちろん、介護にあたったスタッフも一緒に、御遺体を起こして囲んで、みんなで笑顔て写した画像がSNSでUPされた事が賛否両論、話題になっています。

・不謹慎。

・利用者さんに敬意を払うのは、当たり前。
笑ってご遺体の写真撮影なんてありえない。

・亡くなったら死んで赤字だとか言わないし、全員で頭を下げてお見送りするのが当たり前でしょう?
 
・入居者様はお客さんであり、お客さんである以上一歩引いた敬意ある対応は当然だと思うのですが。
人によって目指す方向性が違うのは仕方ありませんが、サービス業としての在り方を無視するのはどうかと。

 批判的なコメントの多くは、現在、介護に携わっている方でした。


 今や、批判する方々が、ますますヒートアップしていて、笑顔の施設をことごとく『非常識』呼ばわりしています。

 なんでかというと、これまた話題になった、つい最近まで入院してペースト状の食事をしていた利用者に、夜中にカツ丼を提供した施設でもあるんです。

 なにかと話題の多い、施設です。

 地道に介護職に勤しんでいる方々の、怒りの琴線に触れてしまったのですね。

 でも、実際、そんなに危ない非常識な施設なら、放っとけばいいわけです。勝手に潰れるでしょう。
 
 ところが、話題にもなり、賞賛のコメントも多数。

 で、ここからはボクの想像なんですが、この施設に誹謗中傷を投げ続けている方々は、きっと、この施設に『恐怖』を感じているのでは?と。

 自分たちが、専門職として既存のルールに忠実に一生懸命介護して、信頼関係を築けていると思っている利用者さんが、もし、この施設の存在を知って、

『エエなぁ、そんな所あるんやったら、ワシ移りたいヮ』

なんて、あっさり言われたら、これは辛い。

 現実にそんな施設が現れて、世間一般に認知され支持されだしたら

『行きたい人は行けばいいわ』
とか

『多様性を認めて』

なんて流暢には言ってられない、自分の専門職として積み上げてきた自信を、一気に失ってしまう…。

⭐⭐⭐

 ボクも、その、御遺体が笑顔に囲まれた画像を観ました。

 で、朝丸さんのコメントが思い浮かびました。

 ボクがもし将来どこかの施設に入るとなった時、もしこんな施設が候補にあったら ぜひそこを選びたいし、そしてなにより、その笑顔に囲まれた御遺体を見て、とても羨ましく思ったのです。
 
 
 
 

 

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