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デザインスクールを開校した背景

前職の建設会社ではインハウスデザイナーとして13年間活動し、他社のデザイナー育成も手掛けている経験から、ブランディングを加速させる手段として「デザインスクール」をこの春開校することにしました。

2018年から日本でもデザイン経営という言葉が広まりました。見た目のデザインだけではなく「デザインをする過程での考え方や行動を企業活動に活かしていこう」というのがデザイン経営の実態だと私は思っています。が、6年経った今、中小事業へのデザイン経営浸透度はイマイチ。でもブランディングに取り組む企業ならば、経営者の考えや方針をタイムリーに発信できるように見える化をする「デザインセンス」が社内に備わっているべきです。そこで、デザインとはそもそも何か?企業がデザインセンスを身につける意味、そしてデザイナー育成のきっかけとして利用してもらえるよう2泊3日の集中デザインスクールを始めてみようと思いました。(4月の開催レポはこちらから)

2024年4月24日〜26日の2泊3日集中デザインスクール開催しました(@岩手)

おかげさまで、ブランディングのお手伝いをさせて頂いてから長いお付き合いとなっているところが増えてきました。前職時代から知っている会社さんもあり長いところで7〜8年。建築設計業務も承っているので、1社とは年単位のロングスパンなプロジェクトを共にすることもあり、基本的に長〜いお付き合いです。

私がお手伝している会社さんでは採用、社風のアップデート、社員満足度アップ、売上アップ、知名度アップと各社課題を次々クリアし成果を出しています。ペースは様々でも、大きな成果をあげる会社に共通している特徴があります。それは「デザイナーを社内に育てることに舵を切った会社」です。振り返れば前職の建設会社時代も私を第一号として、在職中には250人ほどの会社に4名体制のデザイン専門部署を抱えていました(設計、意匠設計、空間デザイナーの部門は別に存在)。民事再生、リーマンショック、東日本大震災など色々な出来事を乗り越え、私が退職するあたりには会社は過去最高益。社員数も私が入社した頃の2.5倍。女性は12倍。新卒採用は20名。グッドデザイン賞も受賞でき、視察者もなかなかな数で講演依頼もありがたいことにたくさん頂いていました。

もちろんこれらの成果は、経営方針やそれを実行する社員、パートナー企業も含めて総力戦の結果ですが、13年間中でその変化を見てきた側からすると…手前味噌ですが私を含むデザイナーがいたことも大きかったのではないかと思っています。社長がぼんやりと頭の中で考えていることを、パワーポイントなどで説明資料として起こしてみる。作った資料を見ては、ん〜…何か違う。ちょっと持ち帰るわ。と、練り直しをする社長を何度も見てきました。時には「ここにこうゆう話がないと聞かされる方は理解できない」とお伝えすることもありました。

成果物としては写真や図解されたものが盛り込まれた資料、パンフレットといったデザイナーが作るものでしたが、企業内にデザイナーがいる最大のメリットは「作り上げる過程」を共に過ごせることです。これが外注デザイナーだと、時間、コストの制約が出るのでこうもべったりはいきません。そして社員だから会社事情が外の人より分かるのでどう進めるべきかも自然と判断できます。デザインしたものが社内で活用してもらえない理由の多くは、どう使えばいいか理解が追いつかないことにあると思います。作るだけではなく活用まで見通してのデザイン行為じゃないといけません。

年齢と経験を重ねるごとに形にするスキルは上がっていき、言われなくても痒いところに手が届いた資料を作ることもできましたし、それに伴う行動も社内外ですることもできるようになりました。結果的に社内外広報としても社長の思いを代弁できるようになっていました。社長は会社の最大の広告塔であることは変わりませんが、発信の右腕をインハウスデザイナーが担えるようになると様々な成果を出せるようになります。


スクール内では会話をしながら企画を練る時間も設定 デザインはコミュ力でもあり!

ブランディングに取り組むなら次なるステップとしてインハウスデザイナーの育成。インハウスまでいかなくても外部デザイナーと上手に付き合えるようになるための知識と経験を積むことで、大きな成果に繋げて頂きたい。そんなことをずっと考えていたのですが、ブランディングによる変化、手応えを感じて頂けている会社さんが増えてきた2024年。満を持して「デザインスクール」という形で更に一段上に行くきっかけを提供できたら幸いです。

もしこれを読んでご興味があれば、こちらにデザインスクールの概要を貼り付けておきますのでご連絡頂ければ嬉しいです。


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