4歳児の、自転。
息子が小学生になり、二人で出かけることがほんの少しだけ、増えた。4歳児がお昼寝で寝静まるのを待ち、主人には娘の見守りをお願いして二人で自転車を走らせるのである。
6月にもなると梅雨空と相談にはなるが、自転車に乗っていると風も心地いい。新緑の桜並木の下を潜り抜けるのも息子と二人だとちょっとした冒険みたい。霧雨のような日でも、つめたーい!などと言いながら傘も刺さずに二人でキャッキャと自転車でお買い物に行ったり、いつもと違う道を漕いでみたり。ほんの少しの時間だけれど、私も一緒に童心に返るような、そんなテンションになる。
そんな二人時間を知った娘は「にぃにの自転車に乗りたい!」と、ある日突然言うようになった。まだ彼女は補助輪をつけてはいるが、昔からキックボードやキックバイクなどは颯爽と乗りこなすタイプ。アレも乗れる!と思ったのだろう。だがしかし。。。彼女から見ればにぃにの自転車は少し、大きい。サイズばかりはどうにもならない。
「…補助輪外してみる?」
「うん!」
二つ返事で答えた彼女の目は、キラキラしていた。
・・・
いよいよ休日。まずは昼食の買い出しに行こうと買い物に誘うも、やだ!早く補助輪を外して!お願い!乗りたい!というもんだから、車で息子と出かけている間に娘は補助輪を外し、父ちゃんと自転車を練習することになった。
小一時間ほどして戻る。目を疑った。
「の…乗れたん?」
「せやねん、、、一回もこけずに、、、のれてもーたわ・・・」
親が拍子抜けするくらい、もっと早く外してあげたらと思うくらい、彼女は乗りこなすまでに全く時間は全然かからなかった。きっと自転車に乗りたくて乗りたくて、ずーーーっと憧れていたのだろう。補助輪無しで乗りこなすにぃにの後姿を、しっかり目で追っていたのだろう。
一度くらいこけてみればいいのに、という失敗を願う私たちもどうかと思うが、後は気を緩めずにブレーキのかけ具合を伝えたり、ビュンビュン漕ぎをしないのよ、とひたすら声をかけるしかない。よっぽど自転車が楽しいのだろう。親の私たちはただ、彼女の乗りたいっていう気持ちの最高潮のタイミングで補助輪を外し、練習時間を確保したくらいである。
・・・
子供の成長って、本当に速い。親としての仕事って、子供の気持ちのタイミングとそれに合わせたチャンスの提供が、一番大事なのかもしれない。
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