note小説 三十路のオレ、がん患者 第6回 入院
4月になった。
その頃になると、近所には桜並木の桜が咲き乱れ、菜の花が歩道に彩りを添えてくれる。
梅だってまだ咲いている。
住所的には関東首都圏でベッドタウンなのだが、そうは思えないほどの田舎道だ。
入院の支度ができ、病院まで歩いていく事にした。
その田舎道を10分ほど歩けば病院に着く。
散り始めた優しい色をした桜の花びらを見ながらオレはこんな奇麗な景色を見ながら腹を切られに行くのかと現実とのコントラストにモヤモヤを抱え、病院に向かった。
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