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教師じゃない僕が教育現場で思うこと

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#子育て

学びを通してチャレンジが連鎖するまちになってきたかもと思った瞬間

気仙沼で一緒に活動するなるさんからお誘いを受けました。「今度、高校生と外国人実習生とバスケするけど、来る?」 その男子高校生は高校の「課題研究」という授業で、外国人実習生たちとのコミュニケーションを深めようと探究しています。そこでスポーツに目をつけ、自らスポーツ交流会を企画した、というのです。 当日、PIER7という内湾エリアにある施設。バスケコート半面分、ガラス張りの屋内運動場にベトナムからの実習生6名がやってきました。高校生は3名。お互いどこかぎこちない感じで自己紹介

子どもの消費大好きマインドを創造大好きマインドに切り替えるには

先日とある中学校の探究学習のお手伝いに行きました。総合的な学習の時間を使って、1,2,3学年全校生徒が一斉にこれから取り組むテーマ設定を行っています。基本一人一つのテーマで「未来の気仙沼を支える」探究だったら何でもOK。 その学校にとって、今年度からの新たなチャレンジです。とてもわくわくする学習です。昨年度から先生たちが時間のない中準備をしてきました。 一人一つとなると実に多彩なテーマが出てきます。防災、環境、人口減少。みんな机の上にそれぞれiPadを出し慣れた手つきであ

【東日本大震災から10年】移住者の私が気仙沼の高校生に気づかされた 3.11による奇跡と違和感

新卒無職ボランティアがどうせ納税するならと「移住」10年前の春、ちょうど大学卒業のタイミングだった私は気仙沼の唐桑半島に飛び込みました。兵庫県出身で、東北には縁もゆかりもありません。早稲田大学在学中に中国でハンセン病回復者が今なお隔離されている村を回っていた私は、その原体験から「今私が現場に行かねば」という「勘違い使命感」を発症、内定先の会社へ勤めることを辞退します。学生時代の仲間の支えが、この新卒無職ボランティアという無謀な被災地入りを可能にしました。 (唐桑半島の舞根1

子どもに「将来何になりたい?」と聞くのはもう時代錯誤、と思った話

中学校でのお話です。 「将来何になるの?」 「マンガ家。でも親はなれないからやめろって言う。私、マンガ家になれますか?」 はて。 絶対なれるよ!だからがんばれ!と励ますのは簡単だけど、なんか薄い。「とりあえず…大前提として」時間稼ぎ気味に答え始めます。 「親は反対しがちだよね。やっぱり我が子が心配だから。自分も10年前、就職けって東北に行くって言ったときはえらい怒られた。なんでこんな怒るんだろうっていうくらい、親父に怒られた。だから、親の反対はあんまり気にしなくてい

「探究学習って何なの?」と中学生に聞かれたら

私は気仙沼の公立の中学校で「探究学習」のサポートをする仕事をしています。探究学習って何でしょう? 10 × 10 = □ これが従来の学びだとしたら、 □ × □ = □ これが探究学習の形になるでしょう。従来の学びだと「問い」を出されて「唯一解」を教えてもらいます。10が10個あるから正解は100です、と。一方、探究は「問い」から自分たちでセットします。するとだいたい絶対解がないものになります。ですので、仲間たちと協力しながら「納得解」を出すという作業が待ってます。

学校のチャイムは工場を模したもの?労働者を量産するために始まった公教育

「この歳になって学校の教室に入ってびっくりしましたね。黒板があって教卓があって、一律に前を向いた机と椅子が並んでて、後ろには棚があって、その隅には掃除道具入れ。タイムスリップしたのかと思いましたよ。何十年もこの景色が変わってないことに違和感しかありませんでした」 あるパネラー(登壇者)が言いました。2017年渋谷で行われたフォーラムを聴講するために気仙沼から上京したときのことです。そのときの私はまだ学校に関わり始めた頃でした。「こんなに社会は急激に変わるのに、それでいいんで

キーワードは「失敗」。先の見通せない社会をたくましく生きる力って?

「失敗にどう対処するかという能力である」 なるほど!と思いました。 こちらの本を読んでいて発見。「グリット(grit)」という言葉があるそうです。 ペンシルバニア大学のアンジェラ・ダックワース教授の研究では、「グリット(grit)」という粘り強くやり抜く力が人生のあらゆる成功を決めると提唱している。 (同書 23p) すでに米国の先端企業では、従来型の学力評価だけではトップ人材を雇うことができないという認識の下、採用プロセスの改革に取り組んでいる。(中略)イーロン・