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教師じゃない僕が教育現場で思うこと

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#育児

子どもの消費大好きマインドを創造大好きマインドに切り替えるには

先日とある中学校の探究学習のお手伝いに行きました。総合的な学習の時間を使って、1,2,3学年全校生徒が一斉にこれから取り組むテーマ設定を行っています。基本一人一つのテーマで「未来の気仙沼を支える」探究だったら何でもOK。 その学校にとって、今年度からの新たなチャレンジです。とてもわくわくする学習です。昨年度から先生たちが時間のない中準備をしてきました。 一人一つとなると実に多彩なテーマが出てきます。防災、環境、人口減少。みんな机の上にそれぞれiPadを出し慣れた手つきであ

子どもに「将来何になりたい?」と聞くのはもう時代錯誤、と思った話

中学校でのお話です。 「将来何になるの?」 「マンガ家。でも親はなれないからやめろって言う。私、マンガ家になれますか?」 はて。 絶対なれるよ!だからがんばれ!と励ますのは簡単だけど、なんか薄い。「とりあえず…大前提として」時間稼ぎ気味に答え始めます。 「親は反対しがちだよね。やっぱり我が子が心配だから。自分も10年前、就職けって東北に行くって言ったときはえらい怒られた。なんでこんな怒るんだろうっていうくらい、親父に怒られた。だから、親の反対はあんまり気にしなくてい

「探究学習って何なの?」と中学生に聞かれたら

私は気仙沼の公立の中学校で「探究学習」のサポートをする仕事をしています。探究学習って何でしょう? 10 × 10 = □ これが従来の学びだとしたら、 □ × □ = □ これが探究学習の形になるでしょう。従来の学びだと「問い」を出されて「唯一解」を教えてもらいます。10が10個あるから正解は100です、と。一方、探究は「問い」から自分たちでセットします。するとだいたい絶対解がないものになります。ですので、仲間たちと協力しながら「納得解」を出すという作業が待ってます。

学校のチャイムは工場を模したもの?労働者を量産するために始まった公教育

「この歳になって学校の教室に入ってびっくりしましたね。黒板があって教卓があって、一律に前を向いた机と椅子が並んでて、後ろには棚があって、その隅には掃除道具入れ。タイムスリップしたのかと思いましたよ。何十年もこの景色が変わってないことに違和感しかありませんでした」 あるパネラー(登壇者)が言いました。2017年渋谷で行われたフォーラムを聴講するために気仙沼から上京したときのことです。そのときの私はまだ学校に関わり始めた頃でした。「こんなに社会は急激に変わるのに、それでいいんで

キーワードは「失敗」。先の見通せない社会をたくましく生きる力って?

「失敗にどう対処するかという能力である」 なるほど!と思いました。 こちらの本を読んでいて発見。「グリット(grit)」という言葉があるそうです。 ペンシルバニア大学のアンジェラ・ダックワース教授の研究では、「グリット(grit)」という粘り強くやり抜く力が人生のあらゆる成功を決めると提唱している。 (同書 23p) すでに米国の先端企業では、従来型の学力評価だけではトップ人材を雇うことができないという認識の下、採用プロセスの改革に取り組んでいる。(中略)イーロン・