見出し画像

【詩】After fiction

12時のチャイムがカラカラと鳴って
門限がきたシンデレラは帰ってしまった。
されど、パーティーは続く。

チックタッタッタ 祭囃子で
チーク真っ赤っか 踊る踊り子
チックタッタッタ それを横目に
遅刻真っ只中 焦るラビット
もし、少女が夢から醒めても彼の寝坊は変わらない

「ピーターパンはいいヤツだった。
私のもとを去るまでは」
酒を呷った年寄り紳士が、懐かしの友を思い出す
16コールをすぎているのに懐かしの声は聞こえない

「「「なんてしあわせな後の祭りだ‼︎」」」
口を揃えて大人達は笑う
少年少女が本を閉じたあとに
新しい命が産まれるように




この話は残念ながら、君の孫が年を取り看取られる時に見る夢の話だ。
要するに、フィクション君が見ることは出来ないということだ。

お題:絵本

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?