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関東の街中では冬でも花が咲くけれど、雪の降る冬が恋しい

昨日より最高気温が10度も低い冬日、ベランダにはキラキラとビオラが次々に咲きます。

生まれ育ったのが南東北で、結婚して北東北に移り住みました。

北の地方都市では、4年間を過ごしました。

沿岸の私のふるさととは違い、冬は雪がたくさん降りました。

ベランダでビールを冷やす、洗濯物は外で一度凍らせてから中に入れると良く乾く、生協から配達された牛乳はマンションのエントランスで腐ることなく冷たくて美味しい。

冬の子供たちは、街中でもスキーウエアを着て外遊びをし、公園へ行くのにはベビーカーではなくソリに乗せられていく。

近くの川には白鳥が来ていて、週末になると食パンをちぎって袋に入れ、小さな娘の手に握られて、白鳥に会いに散歩に行く。

外は、最高気温でもマイナス、花など咲いていないし、冬は白かグレーか黒の色のない道・公園・庭。早朝に除雪車の音で目が覚めて、クリスマスもいつもホワイトクリスマス。

今は亡き夫が会社に出勤するために、朝起きるとまず車のエンジンをかけて温め、簡単な朝食を済ませると、車に積もった雪・道路の雪をサッと搔いていく。

二重窓の家の中は暖かく、ファンヒーターをつければ、セーターを着たことがない。けれども、起床した時の冷え込みには驚き、毎日ファンヒーターに表示される室温に驚く。

マンション内にたくさんのママ友がいたし、天気が悪ければ、それぞれの家にお邪魔して遊んで長い冬も過ごし。

関東に転勤するなんて、聞いてないよーと、まさかの展開になってから、もう30年近く経ちます。

30年前関東で初めて迎えた冬は、毎日晴れていて驚きました。

朝にカーテンを開くと、晴れている。「あー今日も雪が降っていない」とため息が出ました。

乾燥していて、風が強くて、家の作りは北の様に防寒が完璧じゃない借り上げ社宅だから寒い。

家の中でセーターを着るなんて、雪国に住んでいた4年間はなかったのに。

雪が降らない日を毎日確認すると、故郷に帰りたくなって、ホームシックになった20代後半を過ごしました。

ただ一つ嬉しかったのが、冬でも花が咲いていること。

冬のホームセンターで、色とりどりの花が並んでいるのは気持ちが浮き立つほど、ときめきました。

パンジーやビオラは冬の間も枯れないでいてくれるなんて、地元やそのあと住んでいた北国ではあり得ないことでした。

冬の花が私を癒してくれました。

ここに来てよかったと思えたのは、ビオラやパンジーやジュリアンなど冬の花を触っている時でした。

マンションのエントランスに、寄せ植えの鉢を置いてみて、世話もしました。

昔の関東の地方都市の小さなマンションでは、花泥棒もなく、クレームもなく、皆が見てくれました。

夫が亡くなった今も私たちの冬はここで過ごし、ビオラの種を採り、植えて、を繰り返して生活しています。


ありがとうございます。

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