中国人のスケジューリングに対する柔軟な対応に振り回される(ように見える)日本人達

実際に中国に住んでいるといつも驚かせるのが中国政府の動きの速さである。しかも頻繁に変更を行う。決断の速さとそれに伴う実行力が極めて高い。朝令暮改ならぬ、朝令朝改である。駄目だと思ったらすぐに方向転換、そして正しい方向にシフトさせていく。正直他国民としては羨ましいとさえ思う。

これは中国人とビジネスを行っていると特に感じるだろう。スケジューリングについては、スケジュールがあってないようなものだと日本人はとらえてしまうことも少なくない。「あいつらはスケジュールを守らない」「言ったことをすぐに取り下げて、違うことを言い出す」工場経営におかれては、これは特に顕著で、色々な界隈で苦しんでいる日本人達の話が耳に入ってくる。

今回は、以前ご紹介した本の内容を引用しながら、今回は中国人のスケジューリング感について掘り下げていきたいと思う。


中国の文化では、時間に正確であることが美徳とされていて、ミーティングに遅れる場合はしっかりと謝る必要がある。ただ中国人と日本人の時間に対する認識が似ているのはここまでだ。日本人は非常にしっかりと計画を立てる。彼らは柔軟というよりは明らかに組織化されている。中国では、事前の計画がないまま、あらゆることがその場で起きる。中国人は柔軟性の最たる人々だ。明日や来週のことは考えず、今ここのことを考える文化

日本人の場合、スケジュールが一旦決まるとそれを崩さないで実行する為に組織化して動く。一方中国人の場合は、スケジュールは常に変化するものと考えているので、事前になるまで何も決めないことが非常に多い

日本の習慣で私自身意味不明に感じていたのが、新年の挨拶のアポどりである。これを12月の上旬から客先に電話をして、三が日明けにアポをとっておくというものだ。この謎の習慣は中国人には全く理解できないことだろう。日本人の私ですら理解できない。ただ、取引先も同じようにやってくるので正直非常にめんどくさいし、そんな用件でわざわざアポとりの電話をしてこないでくれと思ってしまう。

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中国でビジネスを行っていると、アポどりをする必要も当たり前のようにあるのだが、1週間後や2週間後のアポを取ろうと思っても「その週になってからまた連絡してくれ」とつれない返事をもらうだけである。彼らからすればそんな先の話なんて分からない、今日の予定だってどうなるか分からないのだから。

中国では、事前にアジェンダを送っておくと、当日になってアジェンダを誰も読んでいないか、ミーティングがキャンセルになったことを知る。だからいまでは、ちゃんとミーティングが行われるか前日に確認の電話を入れるようにしている。そしてミーティング中は、事前のスケジュールにはこだわらず、どのような順序でも進むに任せて柔軟でいるように心がけている。

アポどりの話で行くと、訪問前日には「絶対」事前確認を行っておくべきである。多くの中国人達がそのことを忘れていることが多い。電話で再度確認をしておくことで訪問当日アポをとった本人がいないというようなことを防ぐことができる。また、自分との約束を忘れてその日に他の予定をいれていることも多々ある彼らなので、リマインドすることで、彼らに再度その日の予定調整をさせることができる。これは地味だが結構重要なことである。

また、事業計画であったり、年度の販売計画であったり、色々な要素が複雑に絡み合い、計画になかったことが多発したとき、日本人は対応が後手後手にまわりあたふたして途方に暮れることが多いが、中国人の場合は変化は予想の範囲内といわんばかりに、大して気にもせず方向転換を行うことが出来る人が多い。

中国人の同僚たちの働き方を見ていると、本当にただただ驚くよ。彼らは即興で計画を進めるのに優れている

我々日本人として、彼らと共に何かを行う時は常に下記のような意識を持っておくのが重要なのである。

中国人は極めて柔軟なのだと一度理解すれば、自分が合わせる限りすべてうまくいく。

作者は、日本人と中国人の「決断」と「スケジューリング」について下記のような分析を示してくれている。これは多くの人が納得するかもしれない。私も留学時代多くのドイツ人の友達ができたので、お互いによく相性の良さや類似点を話すことが多く、気の合う友人として仲良くさせてもらったが、フランス人とはどうしても馬が合わなかった(笑)

決断とスケジューリングでは、日本人はドイツの文化と近く、フランスとは遠く、中国とはさらに遠い
中国人は素早く決断し、計画は頻繁かつ簡単に変更し、計画に固執するより柔軟性や順応性に重きを置いています。これら二つの指標(決断とスケジューリング)では、中国人は日本人よりフランス人に近い


異文化コミュニケーションで悩む人たちに下記のような質問をお互いにし一緒に考えることで、問題解決を行うべきとアドバイスを与えてくれている。

●自分たちの文化の位置づけに賛成ですか?なぜですか?あるいはなぜ反対なのですか?
●あなたの文化の位置づけに関して、よりよい理解が得られるような話はありますか?
●こうした概念がチームの共同作業に影響を与えていると思いますか?
●こうした違いを考慮して、どうすればより効率的に働けると思いますか?



では、今日はここまで。ぜぇーうぇー(上海語でさようなら)

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