中国人における対立と感情表現

中国人と付き合うようになった日本人で最初に結構驚くのが、中国人の見知らぬ人達、つまり自分たちの仲間内の外にいる人達に急に敵意むき出しにして、突っかかっていく様ではないだろうか。私ですらあまりの剣幕に驚くこともあるし、そこまで吠えんでもええやん、とか冷めた目で見てたりすることがある。

内と外についての考察は華村氏のNOTEに詳しい。日本人と中国人のそれの違いをかなり分かりやすく言語化されているので、詳しくは氏のNOTEをじっくり読んで頂きたい。

日本の場合見知らぬ人に対しても、そこそこおおらかである。これはまあ間違いないだろう。これが商売の場面でも同じようなことが言える。日本では未だにテレアポだったり、飛び込み営業が通じる世界だった。コロナ後はどこも基本不必要な訪問を断ったり、新規営業はお断りというところが増えたようだが、コロナが落ち着いたら昔のような状況に戻ると考えている。

逆に、中国で同じような手法で営業活動をすると冷や水どころか洪水レベルの返しがあなたを待っている。テレアポすると「不好意思,我不需要」でガチャッと電話を切られる、飛び込み営業したくてもビルのセキュリティーを突破できない、工場の門衛にとめられてしまう、見知らぬ輩と話をすることはないときっぱり断られてしまう。

私が最近読んだ「異文化理解力」という本では、中国人の「ソト」に対する風当たりの強さについて、下記のような言及があったので一部を引用させて頂く。

対立回避型である理由は、韓国でも中国でも、グループ内に対する振る舞いと、グループ外に対する振る舞いが大きく異なる点に起因する。孔子は関係のある人間に対する指針は非常に明確に打ち出している。しかし孔子は見知らぬ相手に対してどう振舞うかにはほとんど言及していない。特に中国では、人口が多く競争が激しいため、グループ外の人間との関係に対しては無頓着で、対立した場合は、敵意を表すことすらある。そのため、上司や、同僚や、クライアントに対して礼儀正しく慎み深い敬意を表す中国人が、取引先となり得る初めて会う相手に対してあらゆる反論をすることがあり得るのだ。

会社で色々な部署のスタッフの働きぶりをチェックしているが、彼らは往々にしてサプライヤーへの風当たりが強い。かなり強気である。無論、それだけのビジネス規模でやっているから相手も合わせてくれているのだろうが、それにしても態度が偉そうで厳しすぎるのではと傍で聞いていて心配することがある。

初めて会うサプライヤーに対してはまるで詐欺師と対峙するかのように、矢継ぎ早に質問を投げかけ、回答に対して「嘘だ」と言わんばかりの語気に顔つきで、同じ会社の人間としても傍から見ていてドン引きしてしまうことすらある。

私の妻もそうなのだが、基本「ソト」の人に対する期待値は異常に低く、信頼という言葉は一切感じない。まるで戦争中の敵のように相手を見ているのである。華村氏のNOTEでも指摘されているように、私も氏同様妻から「あんたは甘い」と都度都度諭されてしまう(笑)

ウチとソトを理解する、これも中国人を理解するのに重要なファクターとなるのは間違いない。


今日はここまで。ぜぇーうぇー(上海語でさようなら)

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