見出し画像

歌詞語彙辞典 #15

『扉』

●カウント数 1175
●最多出現ワード
★1位 「男」 合計 16カウント
・「男の」7カウント
・「男」4カウント
・「男に」3カウント
・「男は」2カウント


★2位
 「結論」 14カウント


★3位
 「死」 合計13カウント
・「死にたい」4カウント
・「死に場所を」2カウント
・「死に様こそが」「死に様を」各1カウント
・「死ぬ」「死ぬまでの」「死の」「死は」「死んだ」各1カウント


★4位
 「ココロ/心」 合計11カウント
・「ココロ」10カウント
・「心に」1カウント


★5位
 「なんて」10カウント

★5位 「歴史」10カウント


★7位
 「感じる」 合計9カウント
・「感じる」5カウント
・「感ずる」「感じてる」「感じながら」「感じられる」各1カウント

★7位 「こい」 合計9カウント
・「こい」6カウント
・「こいよ」3カウント

★7位 「ぼくら」 合計9カウント
・「ぼくら」5カウント
・「ぼくらの」2カウント
・「ぼくらは」「ぼくらも」各1カウント


★10位 「ああ」 8カウント

★10位 「生きる」 合計8カウント
・「生きている」3カウント
・「生き抜く」2カウント
・「生きて」2カウント
・「生きていたい‼︎」1カウント

★10位 「くれ」 8カウント

★10位 「この」 8カウント

★10位 「全て」 合計8カウント
・「全て」5カウント
・「全てを」3カウント

★10位 「それが」 8カウント

★10位 「中」 合計8カウント
・「中で」4カウント
・「中の」2カウント
・「中」「中へ」各1カウント

★10位 「なんだ」 8カウント

★10位 「人/ヒト」 合計8カウント
・「人に」3カウント
・「人の」「ヒトの」「ヒト」「人助け」「ヒトを」各1カウント

★10位 「僕/ぼく」 合計8カウント
・「ぼくは」6カウント
・「僕は」2カウント


その後に
・7カウント 「探す」「強い」「もって」「行」
 各内訳
 ・「探し」「探してる」各2カウント
 ・「探していた」「探してるんだ」「探すんだ」各1カウント

 ・「行く」4カウント
 ・「行き交う」「ゆけ」「行こう」各1カウント

・6カウント 「イェー」「イメージ」「傷だらけの」「酒」「自由」「そして」「空」「ディンドン」
 各内訳
 ・「イメージ」「イメージに」各2カウント
 ・「イメージと」「イメージの」各1カウント

 ・「自由」5カウント
 ・「自由を」1カウント

 ・「空…」「空の」各2カウント
 ・「空に」「空を」各1カウント



●一人称:ぼく/僕/俺/おのれ/ぼくら/我々
 「ぼく」初出
●二人称:あなた/君
●三人称:彼/奴/ヤツ

●その他の気づきポイント
・歌詞カード縦書き
・句読点あり
・改行されず、文章の成り行きのままが2曲
・ネットの歌詞サイトは旧仮名遣いもあるが、歌詞カードは現代仮名遣い
・異なる表記が1曲の中にある
  もとむる/求むる(“生きている証”)
  思い/想い(“生きている証”)
  ぼく/僕(”一万回目の旅のはじまり”)

・前作に続きカタカナ多用
アイスル、アイセイ、アノ19世紀、クズ、ココロ、化ケモノ、サガ、チカラ、トモ、トモダチ、ヒト、フイ、ミナト、ムネ、ヤツ




前作で自分を探しあぐねて “化ケモノ青年” となった彼は、おのれのルーツを確認するために実家を訪れる。そこで思索を重ねて至ったのは、‘二親に捧げられし愛’ を返すには、おのれの全部を死ぬまで使い尽くすしかないということ。
それが結論。
ひたすら連呼してしまうほどの絶対的な結論。
その普遍性を考えると、‘結論’ が連呼される “イージー” に歌われる ‘男’ と ‘女’ とは、‘父’ と ‘母’ をも含み、‘あなたを あなたを もっと知りたい’ の ’あなた’ は ‘二親’ をも含んだすべての人を指しているようにさえ感じられる。だからこのアルバムでは、前作で100超えだった一人称「俺」は鳴りを潜め(たったの2曲3か所!)、主語が「男」「ぼくら」に取って代わったのか。
では、「ぼく」はどうなったか。
何度も太陽が昇り何度も月が沈む荒れ果てた大地に、一輪の花を求めて、神を見失って孤独を抱いたまま、嵐の海に飛び込むのだ。

《近代的自我》が確立した ‘アノ19世紀以来’、いやもっと前から、‘ヒト’ は生きる理由を求めて思い悩んできた。その煩悶は今を生きる「ぼくら」が継承し、更新していく。‘幾世代にも亘る長い人の歴史の そのまた果てに佇むぼくら 古くて新しいこの気持ち 言ってみりゃあそんなとこだろう’。

だが、人の歴史と共に脈々と続いてきたそれは、ひとりひとりが気に入った場所を何度も探し、やっと辿り着いても飽き足らないほどに自分自身と戦わなければ、未来へはつながらない。‘古いほこらや ガードレールに漂う 今のおのれを 乗り越えてゆけ’。その葛藤によって、‘ニューヒーローが生まれ’ るのだ。

美しいメロディーで「森鷗外」を歌ってしまったのは、そのポップさに向かい合えなかった弱い自分がいたからだと述懐しているが、この “歴史” と冠するこの歌で始まるからこそ、《今いる場所》と《人生の役割》への想いが熱く沸騰してアルバムを貫通する。
この世界でぼくらは死ぬまで生きていくし、
この世界はぼくらが死んでも続いていく。
“星くずの中のジパング” を ‘未来と一緒に 生きている 歩んでる’。

‘歴史の末裔たるぼくら’ が、死ぬまで自分の生涯を生き抜くこと、
‘それがぼくらの未来だ’。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?