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トリシュナーの声

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ここでは「愛を知る」ことを 最後に告げて終わる詩をお届けします。 ちなみにトリシュナーは サンスクリット語で“渇望“となっています。
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2021年6月の記事一覧

トリシュナーの声 No.13

トリシュナーの声 No.13

ヴァージンロードを歩く視界は

薄い幕に包まれている

これは親からの愛だと

大切にされてきた証だと

父の腕に

母の背に

導かれてあなたの元へ行く

友達からの優しい笑顔

弟からの少し寂しげな拍手

その真ん中を歩いて

私はあなたの元へ行く

離れていく両親のあたたかさが

もの悲しいけれど

私の前には

それ以上にあたたかい手が

薄い愛情の幕に手をかける

私はこの瞬間

愛を知

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トリシュナーの声 No.12

トリシュナーの声 No.12

井の中の蛙大海を知らず
その言葉は俺にお似合いだと思う

異性のいない中で生活してきて
親と教師くらいしか
異性と関わることはない

でもまぁ
多少写真を見て
ああだこうだ言うくらいはした
いつだって
遠い存在だから
テレビに映る女優と同じ

初恋というものすら
うろ覚えだがたぶんあの子だったか
あんなのは大概幻想だから違う

その場のノリさえ幻想に感じる

それでもいつか
いつかで構わない

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