期待されていると勘違いしている新卒へ

弊社にも来年また新卒が入ってくるので、その子やこれから先入ってくる新卒、ひいては全国の結果が出なくて悩んでいる新卒に向けてNOTEを書こうと思う。


私自身そこまで多くの新卒を見てきたわけではないが、極度に失敗を恐れたり、結果が出せなくて悩む新卒が多いように思える。

なんなら私が新卒の時も、結果が出せなくて毎日悩んでいた。
自分は期待されて入ったのだから、もっと結果を出さなければ!
もう社会人なんだから失敗は許されない!
という痛い勘違いをして毎日悩んでいた。


そのような新卒時代を経て管理職になった今声を大にして言いたい事は”悩まなくていい”という事。


どうすれば結果を出せるかを”考えること”は大事だけど、
悩む必要は全くない。

なぜ悩まなくていいのか。

それはあなたは期待されていないから。
君は自分が思っているよりも期待されていないから。


正確には、トッププレイヤーとして結果を出すことを期待されているわけではない。

考えてみて欲しい。
君が中学の野球部の監督だとしよう。


3月に小学校を卒業して、
野球部に入部してきたばかりの少し足が早いだけの野球初心者に何を期待するだろうか。


試合でホームランを打ったり、投手として相手打線を完封する事を期待するだろうか。
縮こまった確実にヒットを狙うようなバッティングを求めるだろうか。


恐らくそんなことは期待しないだろう。
期待する事は、ただがむしゃらに目の前の事に打ち込んで成長する事。
大振りで三振してもいいし、渾身のストレートを投げて打たれたって良い。


失敗しても良いから、思いっきりプレーすることを監督としてのあなたは望むのではないだろうか。

そして2年後、最後の大会で大活躍するようなスター選手になる事を望んでいるのではないだろうか。


これは君の上司も同じだ。
別に君が入社当初からバリバリトッププレイヤーとして売上を出す事を期待しているわけではない。

君の上司は2か月3か月という短いスパンで君を見ているわけではない。

1年後2年後に一人で仕事を回せるようになってきて、
プレイヤーとしてエース争いができるようになってくれればいいと思っているだろう。


だから新卒一年目で結果が出なくても悩まなくいい。
それで君の上司は君に失望したりしない。


今の君を苦しめているのは、
自分が期待されていると思っているレベルと、
実際に上司が期待しているレベルのギャップだ。


不安なら上司に聞いてみるといい。

”僕に期待している事はなんですか?”
と。

恐らく君の上司は、
失敗しても良いから目の前の事に誰よりも真剣にがむしゃらに取り組むこと。
と答えるのではないだろうか。


そもそも新卒は結果を出さなくても、
組織内で前向きに業務に取り組んでいるだけで企業からしたらプラスはあるのだ。

新卒が誰よりも前向きに熱意をもって仕事に取り組むだけで、
既存社員の火もつくしチームに勢いが出る。
主体的に手を上げて発言する事で、
それが大きく的から外れていたとしても新鮮な意見として議論の潤滑剤になる。

新卒の入社という新しい風をふかすことで、
凝り固まった企業文化をいい方向に持っていく事だってできる。

このように、君たち新卒は成果を出す以外の方法で組織を前に進める力を持っている。

だから売上という目に見える成果が出なくても悩まなくていい。

君に価値はある。


ただ、勘違いして欲しくない事もある。

これはなにも結果を出すために努力しなくてもいいという話ではない。自分が与えられた目の前の仕事に対して、
どうすれば120%の結果を出せるかを脳が焼き切れるまで考えなければならないし、
考えたことを遂行するために死ぬほど努力しなければならない。

そして自分は組織で一番下だと謙虚に受け止め、
社内の誰よりも勤勉に学ばなければならない。

ただ、成果が出ない時も悩む必要はない。
次どうすれば上手くいくかを考えればいいだけだ。

自分は期待に応えられていない。
と思うかもしれないが、嘆く必要もない。

先ほども言ったように、君がなりふり構わずがむしゃらに仕事に向き合っているだけで期待には応えられている。

そこまで真摯に仕事に向き合えたと胸を張って言えるのであれば、
たとえ成果が出なかったとして君の上司は君を責めないし、失望したり見捨てたりしないだろう。

最後に一つ。
君たち新卒に理解しておいて欲しい前提がある。

新卒1年目は道徳に背かない限りどんな失敗をしても許されるボーナスステージだという事だ。

売上を出せないどころか自分の存在が赤字になったとしても(そもそも新卒一年目は基本的に存在が赤字)、
何かやらかして取引先にこっぴどく怒られたとしても、
新卒一年目は許される。

そんなボーナスステージでこじんまりと手堅い仕事をするのはもったい無いと思わないか。
2年目3年目と年次を重ね、役職がついて行くにつれ失敗は許されなくなってくる。

大きなチャレンジをして最小のダメージで大失敗できるのは今だけなのだ。だからホームラン狙いでおもいっきりバットを振って三振すればいい。

全力でバットを振っていると、
大きな挫折をする事もあればあらゆる方面から怒られるような大失敗をする事もあるだろう。
でもそれは後々振り返った時にいい経験になるし、財産になる。

挫折をしたことがない者に人は魅力を感じない。
だから一年目で思いっきり挫折も失敗も味わって痛い思いをすればいい。

その経験が君を魅力的な社会人に育ててくれるだろう。


この記事を読んで、
一人でも多くの新卒が恐れを消して仕事に真摯に向き合えるようになる事を願う。


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