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『犬と犬と私の波乱の幕開けの話』〜犬と私のあぶくの足跡』③

2003年5月27日

小さく汚いペットショップで出逢った
お世辞にも
可愛いとは言えない犬を買って

「私が救ったつもりで
救われてたのは私だった」

なんて
まだ知る由も無い
出逢いの日からの1週間

出逢いの日から毎日毎日
思っていた事は

『買わなきゃ良かった』だ…

✳︎

何故なら…

目に入れても痛くない程
恋しい私の先住犬


蝶よ花よと
1人で「おうち」という「お城」で
お姫様のように
暮らしていた先住犬が…

新しく来た
犬を受け入れられず…


初日は威嚇し続け…


次の日からハンガーストライキを盛大に開催し…


更には
犬にもあるんだね!の
「赤ちゃん帰り」をし始めた…


「この階段はトン出来ないよ!赤ちゃんだもん」

「抱っこしなきゃ寝ないよ!赤ちゃんだもん」

先住犬に恋し過ぎてて
数ミリの耳垢でドクターに駆け込む私だ…

毎日毎日
先住犬を連れてドクターの元へ行った

✳︎

「おうちに帰る」と意気込んでいた
犬はと言えば

先住犬に威嚇されようと

飼主(私)が
先住犬ばかりに手をかけていようとも

『ココはわたしのうちだし
ココはわたしの居るべき場所だし
ココに来たくて生まれてきたんだし』と
言わんばかりに

先住犬に威嚇され続けた初日から

へそ天(おへそを天井に向けて寝る犬にとって1番安心した寝方)で

先住犬のベッドを勝手に独占し
先住犬のおもちゃを自分のモノとし

寝ていたのだから…

✳︎

出逢いの日から

『私が犬に敵う所など一つも無かった』のだ

出逢いの日から

『犬と私の出逢いは必然だった』のだ


失ってしまったから
より深く
その事がわかる

✳︎

今こうして
21年以上前の事を
思い出し

先住犬と犬の事を
思い出し

出逢いの話を
思い出し

波乱の幕開けの出逢い

美しさのカケラも無い
自分勝手で傲慢な出逢い

買わなきゃ良かったとさえ思い続けた
そんな日々さえ


『あらゆる幸せの中でも
ナンバーワンに幸せだった』

そう思うのだから…

✳︎


『思い出』とは
過去にあるものでは無く

『思い出』とは
いつでも取り出せる永遠のモノなのなのかも知れない

✳︎

『時間』なんて
何処かの誰かが勝手に決めたものなのだから

犬と私は
自由自在に
『過去』にも『今』も『未来』へも

今も尚
一緒に飛び回っているのだ


犬と私の出逢いの日
へそ天で寝る犬


→【犬と小川と輪廻の話 『犬と私のあぶくの足跡』④】
https://note.com/katatumuri17/n/n16c6e921865f?sub_rt=share_b







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