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『迷惑をかけない生き方~その答えは“愛“だった』〜Jiiさんのエッセイ集1-28を読んで〜(note創作大賞感想文)


私は長い事生きてきて
“迷惑をかけられた“数より
“迷惑をかけてしまった“数の方が
圧倒的に多い…そんな人間だ

勿論
この国に生きている限り
私なりにベストを尽くし
「空気を読み」
「自己責任で」
なるべく
他人に
「迷惑をかけないように」
生きようと努力はしてきた

でも
いつも
私の「迷惑をかけない」生き方は
遥か彼方で空回る

迷惑をかけないようにすればする程
「ちょうど良い所」が
迷子になる

そんな
不器用な生き方しか出来ない私が

今夏
「迷惑をかけない」生き方を模索し
「迷惑をかけない」事を物語の軸として
「迷惑をかけない」彼の半生を描く
【Jiiさん】というクリエイターに出逢い

私より若い世代のJiiさんが紡ぐ
28話にまで及ぶ“エッセイ“


しかしながら
エッセイという枠には収まらない

彼の生きてきた半生を綴った
『青春小説』を
毎日コツコツ
1話から順番に読み進めた


何故
どの話も飛ばさず
毎日読み進められたか?と問われれば

『果たして
この若いクリエイター(Jiiさん)は
“迷惑をかけない“という生き方に
現時点でどんな答えを導き出すのか?』

『彼(Jiiさん)の答え』が
知りたくて堪らなくなったからだ

✳︎


勿論の事ながら

1話から28話まで
読み進めさせる事ができる

シリアスにも振り過ぎず
コミカルにわざとらしいオチもつけず

『ちょうど良いバランス感覚』で
紡がれる彼の文章力も素晴らしかった

何より圧倒的に優れていたのは
「過去の経験を
読者が“追体験“出来る様に
事細かに思い出し描く」センスだ

自分の目で見たものを、自分の目で見たように書くことーそれが基本的な姿勢である。自分の感じたことを、本当に感じたように書くことである。安易な感動や、一般化を排して、できるだけシンプルに、そしてリアルにものを書くこと。
          『遠い太鼓』村上春樹

彼が経験してきた過去の出来事を
村上春樹が述べる様に

『シンプルにリアルに書く』筆力が
読む者を惹きつけるのだ

しかしながら…
もしかしたら…


彼が
過去の出来事を
鮮明に思い出し
シンプルにリアルに言葉にする事で


内実
彼の心が悲鳴を上げてしまう瞬間も
度々あったのではないか?

老婆心から…心配しながら読み進めたが…

半分程読み終えた辺りから


「彼はきっと言葉にする事で
彼自身で心のケアが出来る
クレバーな人なのだ」と気づき

無駄な心配も無く
『迷惑をかけない』という生き方に
彼がどんな答えを出すのか?
期待しながら読み進めた


✳︎


いや
正確に言うと違うかも知れない

迷惑をかけたり
迷惑をかけられたりしながら
生きた経験のある私の世代とは違う

私より若い世代である彼は

私以上に
『迷惑をかけない』事がデフォルトで
『自己責任論』蔓延の中生きてきたのだから

「やっぱり俺はこれからも迷惑をかけないで
生きていく!」

そんな『答え』が彼から出ても


其れが『正解では無い』なんて
他人の私が
いや誰もが
言える事では無い


彼が出した『答え』が『正解』なのだ


そう思わせる位
物語の軸である
「迷惑をかけない」という事が
1話から28話(現時点での最終公開話)まで
ブレる事無く
徹底的に貫き通されながら

彼のエッセイ(物語)は進んで行った

✳︎

彼は「迷惑をかけない」と思いながらも

野球部のキャプテンになったり
店長を任されたり
現職に就く為(現職が何か?気になる方は是非お読み下さい)夜間専門学校へ行ったり


「迷惑」を避けては通れない経験をしてきた事が
描かれている

そして
やっぱり
「迷惑」からは逃げられず


お互いに「迷惑をかけたりかけられたり」する


そんな経験を沢山していく様は


彼が
人生という名の
ロールプレイングゲームの中で
一つ一つ
人と「迷惑をかけたりかけられたりしながら」
関わる為の
『武器』を手に入れていく瞬間に立ち会えた様な…

そんな
清々しい素直な感動を覚え


また
「迷惑をかけない落とし所の迷子」である
不器用な私自身にとっては

彼の歩む道は
『希望』ともなった

私も
これからだって
人と関わる為の『武器』を手に入れれば良い
それだけの話で
答えはシンプルだと


彼が
彼の人生を通じて
教えてくれたのだ


✳︎

そもそも
彼が
心の底から「迷惑をかけない」道を
望んでいたならば


『人との関わりを完全に断ち切る』道だって
あったのだ

その道だって
間違いでは無いのだから


✳︎

でも
彼が
人と深く関わり

時に迷い
時に傷付き
時に許し合い


そして
彼が導き出した
現時点での『迷惑をかけない生き方の答え』が

【人を思いやり人を大好きになる事】だった事

ロールプレイングゲームファイナルステージ
『第一章』が
壮大な花火と共に綺麗に彩られ

『第二章』へと美しく続く予感に満ちた
【愛しかない答え】だった事に

胸が熱くなり

自然と涙が滲み出た

✳︎

彼は
これからも
彼の物語を
人生の実世界の中でも
そして
言葉の世界の中でも
続けて行く

その時
彼の半生の
ロールプレイングゲームの中で手にした
【「愛」という武器】が
彼の今後に祝福を与えてくれます様にと

彼の『迷惑をかけない青春小説』を
読ませて頂いた感謝の気持ちとして
祈りを送りたい


Jiiさんありがと

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