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地方に移住する人、そして続かない人

移住相談会を開くと、そこそこ多くの人が来る。そして、コロナ影響で、これから地方での生活をする人が増えるとも言われている

しかし、一方で東京での生活を目指して地方から出てくる人は絶えない。
転出人口と転入人口の差を見ていると明らかで、圧倒的に若い世代が地方から東京に流れ込んでいる。そして帰らない

まちづくりコンサルタントの木下氏などは、「地方に若者を呼び込む努力をするより、でていってしまう人のことを考えろ!」というけど、私もその意見に大賛成である。一方、地域おこし協力隊などをきっかけとして、地方に定住をした人も、令和元年度 地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果によると、60%の定住率にとどまっている。つまり、40%の人はその地を離れる。しかもこれも、地域おこし協力隊任期後すぐの調査なので、その後継続して調査したデータがない。本来なら任期後5年でも定住しているかどうかを調査してほしいのだが、それがない。
また、40%の人が結局定住しなかった理由は何故なのかを分析していない。

地方にいったん移住する人・そして定住しない人はどんな特徴があるのだろうか。

私が農業就農支援をしていた時、実際地方(まあ、そこそこの都市ではあるが)で仕事して感じたこと、多くの地域活性化を目指した人との会話が、この問いへの答えだと思っている。

就農フェアなどのイベントで受付していると、いろいろな人が来るが、多くの出展者の反応が、以下のような人が来ることだ。
①主体性がない
②目的がぼんやりしている
③農業のことをわかっていない

そして、こういう人は長く続かないだろうと考える。私も最初はそう思っていた。しかし、実際地方にいったん移住して、結局そこには定住しない人は、下記のような特徴もあるように感じる。
(1)主体性があるというか、やりたいことがあり、頑固である
(2)それなりに仕事に対して意欲がある。むしろ、高い
(3)地方のことをある程度理解する能力があり、なんとかしなければという意識も高い


むしろ、こういう人こそ地方のこれからの担い手になるのでは?と感じるかもしれないが、逆である。それには、地方から若者が出ていく構図と同じものがある。すなわち、
1.若者を活躍させようという意識がそもそもその地域に薄い(若い人は何も考えずすべてを地域に貢献させるのが当然、消防団も若い人がやる、草刈りも、夜警も、、、などの習慣)
2.行政や民間機関が、新しい仕事を積極的に行って地域を何とかしなければという意識が希薄。地域おこし協力隊は欲しいが、その人がやることには非協力的であったりする。
3.地域がそもそも、「新しい人への拒否感」が強い。

こういうことを、大なり小なり人間なら感じる。だからこそ、(1)~(3)の特徴がある人は、反発する。そして、2年ないし3年の協力隊の経験で培った経験で、よそで新しいことをしようとする。隣接ですらない。なにせその地域の住民や行政の仕打ちを憎んでいるので、なんなら思いっきり遠くで起業したり、新たな地域おこしに関わったりする。

地域おこし協力隊が真に必要なのは、ただ数名の若者が移住したというだけではなく、それが小さくとも何か新しいことを初めて、それが地域を少しづつ変えるきっかけを生むということだ。なので、離脱率や定住率の数字そのものにあまり意味はなく、地域おこし協力隊や、移住や新規事業のための活動を行って、『何がその地域に起きたか』を検証しなければならない。そして、『何の成果も得られませんでした!!』ということを真摯に反省することをしなければならない。

もちろん、いい影響が起きていることもある。しかし、それは地域おこし協力隊の個人の資質がよかったり、行政の担当者が非常にやる気があったというような属人的な理由だったり、実はたいしたことがない成果なのに「成果がありました」と言っているだけだったりするのが多い。属人的な理由でというのは、はっきり言って成功の理由にならない。なぜ地域は衰退したか、地域は新しい人を拒むのか、なぜあの人は出て行ってしまったのか、いろいろな失敗を検証することが必用である。しかし失敗を検証したがらない。行政のせいや市長のせいにして騒ぐ議員や民間団体がいるからだ。しかし、失敗することの方が多いのだし、それを恐れては何もできない、大切なのは失敗を検証することだ。そうしない限り地域が活性化することなどありえない。

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