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未入局の後期研修医の「転職のやり方」の実際。【3000字超の有料級情報を無料で】

① 転職事情についての捕捉

前回、医局に入っていない場合の就職活動について書きました。勤務地だとか、年収相場だとか、そのあたりの情報について触れることができました。気になる人は前回のnote(2021年10月31日分)も見て下さい。

ここでは、補足的な情報を追加していきます。実際の転職活動開始の時期だとか、動き方について。そのあたりに触れていこうかと。前回と同様に医学生、初期研修医、後期研修医向けで、「医局に入らないルート」に特化した就職の実態になります。業界外の方が読んでも意味不明だと思うので、よほど興味がある場合を除いては有用じゃないと思います。

なぜ、改めてnoteにまとめようと思ったのか。僕が実際に動いてみて実感した転職事情を周りの友人に話してみると、すごくビックリされます。良くも悪くも。ですので、情報としてインターネット上で共有する価値があると思いました。意外と後期研修医、とくに未入局者の「生の声」が少なかったんですわ。若手の「医局に入らない派」な人たちの参考になれば幸いです。

なお、以下の内容は僕が実際に体験した事実と、転職エージェントさんなどの「その道でメシを食べている人」からの情報を統合して記載しています。

僕が身銭を切って動いた経緯があるので、ホントは課金コンテンツとしたいところですが、フリーアクセスと自由なインフラ構築が僕のモットーなので無料にしときます。べつに副業でやっているわけでもないですから。各自、勝手に流用して構いません。

前置きはここら辺にしておいて、以下本題。

② 転職活動の時期

初期研修のマッチングとか専門研修の施設探しの時期って、春先から夏場に見学して、秋口に内定が出るって感じですよね。大体の相場感として。

いざ専門研修が終わったあとの行き先探しを実際にやってみて意外だったのは、「転職活動の開始時期」って人によってホントにマチマチってことでした。秋口には必ず次の行き先が決まっているわけでもないんですよね。

こうなるのにも当然な事情があり、言われてみれば当たり前だったりします。

i) 医局人事の影響
巷の医療機関の採用枠は、やはり医局人事の影響を多かれ少なかれ受けることになります。直接的に医局支配の医療機関ではなくても、医局から離れる人の増減により転職相場が間接的に影響されるためです。医局人事が確定するのが10月とか11月と年の暮れですから、それと連動して転職を検討する医師が増えます。そのため、たいていは秋口以降に動く人が増えてきます。

ii) 入職時期のばらつき
そもそも、転職の世界では、入職の時期が人によって違います。たとえば育児中のママさんが復帰するケースなどの事情では、普通に9月とか12月の入職なんてのもありうるわけで。12月の入職というのは、新人の入職の感覚としては、イメージがわかないでしょう。でも、実際にはよくあるそうです。

上記i)とかii)のように、いつから転職活動を始めるのか、っていうのは横並びじゃないです。2月に始めて、3月に行き先が決まり、4月に入職、みたいなケースも余裕であるみたいです。個々人によって事情が違うのも当然ですから、あまり開始する時期についてはナーバスにならなくて大丈夫と言われましたね。いろいろな情報を統合するに、それだけは確からしいです。

③ 見学と面談云々のこと

気に入った条件の就職先があったら、エージェントさんに相談して、相手先の病院に打診を持ちかけてもらいます。

「たいていのケース」ではOKとなり、見学と面談に進むことになります。面談までこぎつけられれば、ほぼほぼ内定でした。もちろん内定を受理するかどうかは、こちらで選ぶことが出来ますし、細かい条件交渉は内定の後にもできます。交渉の場面ではエージェントさんが仲介してくれるので、ものすごく気まずいことはないですし、相手方も断られる可能性は織り込み済みとのこと。

「たいていじゃないケース」は、医師としての経験年数不足だったり(若すぎる)だとか、あるいは充足しているだとか。あまりこのルートに流れることはありませんでした。求人を相手の病院が出している以上、やはり人が足りないからね。

いくつか見学するのですが、あまりにアポを組みすぎると単純にめんどくさいです。平日の仕事の合間に、有給を使って行く形になりますから。ただ、そうはいっても、いろんな病院の事情とか「裏話」が聞けるので、すっごく有益でした。仕事のパイプも作ることが出来ました。

余裕があるなら、いくつか話だけでも聞いて良いと思います。エージェントさんには「見学する分には問題ないし、むしろそこは積極的に行ってほしい。行ったから即内定でもないし、こちらからも無理強いしないから、じっくり考えて欲しい」と言われました。

④ 「エージェントさんお断り」の施設に注意

ホームページに、はっきりと「転職仲介業者はお断り」みたいな文言がある病院がありました。決して数は多くないですけれども。

それもそのはずで。エージェントさんはボランティアで転職支援をやっているわけじゃありません。仲介料(エージェントさんの利益)が僕らの年棒に上乗せされる形で病院負担になってくるので、正直な話、雇う側としては「転職エージェントの仲介がない」方がコストカットになります。そのコスト分を僕らの給料に上乗せで提示できるので、より魅力的に映りますし。

つまり、エージェントとパイプを強くしたい医療機関は、やっぱり「何かしらの事情」があったりするわけで。あまりここでは掘り下げませんけれど、やはり人を集めにくかったりするのでしょうね。

話を戻しますけれど、エージェントお断りの施設には、仲介を頼んでも秒で断られます。「なんか、業者だと名乗ったら、担当者不在だと言われました・・・。もう1週間も不在だそうで・・・」とエージェントさんは嘆いていました。1週間不在というのは、そうそうあるシチュエーションじゃないので、やっぱりそういうことなのでしょう。がっつり業者お断りの病院でした。

こういう場合には自分で営業というか、問い合わせる必要があります。そこまで僕はガッツがないので、あまり自分で動くことはしませんでした。面倒くさいものね。

⑤ 避けた方が良いこと(一番伝えたいこと)

一点だけ、なるべく避けたほうが、自分の転職人生にとって望ましいことを言います。このことは巷でも頻繁に言われることなのですが、改めて言わせてもらいます。説教くさくて嫌だけれど。

「転職しまくり」はヤバい。

明確な理由もないのに、半年で辞めちゃったとか。これ、ホントにヤバいみたいです。確実に履歴書のキズになり、あとから修正が効きません。

もちろん辞めてしまった事情が致し方ないケースは問題ないです。たとえば施設の定員都合で離れざるを得なかったとか、病気で休職してたとか、家庭の事情だとか。色々あるとは思うのですが、やはり、特殊なケースすら無いに越したことはありません。

転職は一般的になりつつあるし、日本にも若いうちから転職に踏み切る風潮は出てきました。ある種のビジネス本やらビジネス系の人は「嫌なら転職しまくれーー!!」とかほざいていますが。これ、まだまだ危ないです。とくに医療界の古い体質を考えると、よした方が賢明。

雇う側の目線になれば分かりますけれども、職場や診療科目をコロコロ変える人に、肯定的な考えがある人ばかりじゃ無いです。

上記のことは、エージェントさんの事情もあるとは思います。急に辞められたら、エージェントさん側は、病院から「なんでそんな奴を紹介したんや?」って詰められかねないからです。手数料やら何やら、エージェント側もビジネス的に不利益を被るハズです。だとしたら、なおさら、医局に入らない人は気をつけた方が良い。頼みの綱が減りますから。コネが自前で調達できるようになるまでは、おとなしくしておきましょう。

⑥ まとめ

すぐに辞めないこと

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