今夜は、ここで
ジルヴェルト、今夜はここで
休むといいさ
柱の向こう側で
献灯会をしよう
"嘘か誠かなんて
僕らと違う
幸せとまやかし
すべてまがい物"
「あちらとこちらの境には
川も崖もない
橋が落ちた先には
もう後がない、ない、ない
朝霧が頬をかすめて
切り裂いて、落ち込んで
夜露が当たり散らす
声の限り、限り、限り、限り
砂漠の月の都には
あなたが待ってるの?」
これは見ての通り
おとぎ話
ジルヴェルト、今夜はここで
休むといいさ
柱の向こう側は
もう別の世界
「ここから先には来ちゃダメ、と
あれほど言ったのに
誘惑だらけのこの雪に
負けてしまった、のね、のね
風が心を持って
連れ去って、撒き散らして
波が愛を奮って
力の限り、限り、限り、限り
時間旅行は終わるとは
誰も言ってないよ」
これはわかってる通り
おとぎ話
ジルヴェルト、今夜はこれで
終わりにしよう
君の夢喰いたちが
嘆くその前に
良い夢を。
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