群馬県 多文化共創担い手事業 Rootsインターンを実施しました(前編)
令和5年度、カタリバと群馬県は、地域で暮らす外国にルーツをもつ高校生がこの先も群馬県で自己実現ができるとともに、多様な背景をもった方々が共創し活気あふれる地域で在れることを目指し、連携を締結しました。群馬県多文化共創カンパニーに認証された地域企業(※注1)で、企業に赴いての1Dayインターン体験を軸に、約半年間のメンタリングと高校生自身が設定したキャリア実現への1歩「マイアクション」に取り組みました。
当日の様子をご取材いただきました。
10月15日(日)県の多文化共生イベントで活動報告会を実施します!
群馬県Rootsインターンに参加した高校生4名が、企業での体験を通して学んだこと、地域の大人と話して感じたこと、そして今自分の将来にむけて取り組んでいることを等身大のことばで語ります。
報告会の様子は、後日、tsulunos 〜群馬県公式〜Youtubeにて配信予定です。また、こちらのレポートの後編として様子をお伝えします。
高校生の未来を応援する、大人の想い
1Day体験に先駆け6月、Rootsインターンを共創してくださっている関係者がオンラインで集まりました。今回のインターンに賛同をいただいた群馬県多文化共創カンパニーである石川建設株式会社、グローリーハイグレイス有限会社、有限会社農園星ノ環、そして参加生徒の在籍校である群馬県立伊勢崎工業高校定時制課程の先生方、加えて、群馬県ぐんま暮らし・外国人活躍推進課とカタリバの4者が顔を合わせる場となりました。Rootsインターン実施レポート前編では、多文化共生・共創の最前線にいる大人が、どのような想い・視座でこの活動に参加しているかをお伝えさせていただきます。
自分の可能性はまだまだ何も始まっていない。ここからはじめればいい。
まずは、それぞれの立場から今回のプログラム参加に至った経緯などをお話しいただきました。参加された多くの関係者の方々から、生徒たちの成長を期待する声がきかれ、まだ見ぬ生徒たちの成長や変容に想いを馳せる時間となりました。
伊勢崎工業高校の石久保校長先生からも、生徒が成長する未来への期待がきかれました。
インターンに参加した元高校生の経験談。社会とつながるきっかけ、お互いに壁を壊してもっと過ごしやすくなるために。
みなさまのご挨拶に続いて、昨年、高校生としてインターンに取り組んだ東京の元高校生から、自身の歩みとインターンが本人にとってどのような意義があったかをお話しいただきました。
フィリピンから日本の定時制高校に至った経緯、Rootsインターンに参加したことで少し自分に自信を持つことができ、新しいチャレンジにも取り組めている様子を教えてくれました。
群馬県の「多文化共生・共創」の歩みとこれから。私たちは、ここからはじめる。
群馬県には、県民の約3%にあたる6万5千人の外国人住民が暮らしています。2005年に全国に先駆け多文化共生支援室を設置後、多文化共生の地域づくりに力を入れています。
2007年:群馬県多文化共生推進指針を策定(2012年・2018年に改定)
2021年:群馬県多文化共生・共創推進条例の制定
2022年:群馬県多文化共生・共創推進基本計画策定
多文化共創担い手育成事業 Rootsインターンも、群馬県多文化共生・共創推進条例に掲げる多文化共生・共創社会の実現に向けた関連事業です。まだまだはじまったばかりの取り組み、参加者同士で、この事業の先の未来について語る時間もありました。
とても印象的だったのは、みなさん多文化共生・共創ということを、日本人と外国人という二項対立ではなく、「誰もが」という言葉で語っていたことでした。誰かにやさしいは、誰にとってもやさしい。群馬県の多文化 ”共創” の活動から、カタリバRootsプロジェクトも組織やサービスの在り方を考えさせられる時間となりました。
後編では、半年のプロジェクトを終えた高校生の学びについてお伝えする予定です。ぜひ、楽しみにしてくださるとうれしいです!
▽後編はこちらから!半年間活動した参加者の声をお届けしています▽
■群馬県「多文化共創担い手育成事業」とは
「多文化共生・共創推進条例」を制定している群馬県では、その実現に向けて、ともに価値を創造する外国人材の確保が課題となっています。そこで、群馬県は、将来を担う若い世代の多文化共創への参画を推進するため、今年度から新たに「Rootsインターン」の取り組みを始めました。この取り組みにより、外国人県民を多文化共創社会の担い手として育んでいきます。
■「Rootsプロジェクト」とは
Rootsプロジェクトは、国籍や生い立ちに関係なく、日本にいるすべての人に「社会に居場所がある状態をつくる」ことを目指し、学校内外での学習支援・キャリア支援に取り組む事業です。Rootsインターンは、外国ルーツの高校生がキャリアを考える中で直面する言語・文化・価値観の違いで生まれる社会との壁を、職業体験を通じた対話を通して子どもと企業が双方に考える機会をつくっています。この取り組みは、彼らへの認知・理解や日本で働くことへの期待を育むことを目指しています。