平均年齢33.3歳の会社でやっているリスキリングとは?
私が働いているサイバーエージェントの社員の平均年齢は33.3歳です。
現在の日本の労働者の平均年齢は40代です。
自己紹介
2005年に株式会社サイバーエージェントへ中途入社し、最近は主にエンジニア社員の育成施策を企画設計運用する仕事に大半の時間を費やしています。
この記事を書いている現時点の私の年齢は50代です。
経歴について
入社してしばらくの間は、一般的に「業務系のシステムエンジニア」と呼ばれるような仕事をやっていました。
2024年の現在に至るまで、いくつかの部署を異動し、直近では「あした会議」形式の会議を運営したり、会議の決議を目的に沿って滞りなく進捗させる仕事を主な業務とする部署に所属しています。
サイバーエージェント内で「本家の」と呼ばれる「あした会議」で決議された「リスキリングセンター」という全社横断施策に、2022年から関わっています。
もう少し詳しい経歴や、リスキリングの仕事に関わり始めた経緯、サイバーエージェントの「あした会議」や「リスキリングセンター」についての説明などを、ITエンジニア向け情報共有メディア「Qiita」に書いたので是非ご覧ください。
平均年齢33.3歳の会社でリスキリングをやっている理由
ところで「リスキリング」って?
言葉の定義を、生成AIで調べてみました。
念のため別のモデルにも聞いてみました。
元々のリスキリングという言葉は、年齢も性別も経歴も関係ないようです。
「リスキリング」と似たような意味の言葉に「リカレント」というものもあるので、同じく生成AIで違いを調べてみました。
念のため別のモデルにも聞いてみました。
政府が促進しているリスキリング
ベテランの労働移動の為の再教育
女性の労働参加や活躍促進
という労働人口減少への対策が、日本の政府が促進しているリスキリングの主な目的だと思います。
岸田政権が発足した後、連日のように報道されてきた内容なので、私含め大半の日本の方は、「リスキリング」という言葉から連想するのはこの2点で、特に1点目の「ベテランの労働移動の為の再教育」の印象が強いと思います。
ですが、私がいま働いているサイバーエージェントは平均的な日本の労働環境とは少し異なります。
サイバーエージェントのリスキリング
サイバーエージェントでは、エンジニア社員のキャリアアップとキャリア形成支援を主な目的に、常に新しい技術を身に着けてもらうための学習機会を提供していて、そのための社内研修を「リスキリング」と呼んでます。
政府が促進しているものよりも、元々の言葉の定義に近く、リカレントの意味も一部含んでいる印象です。
サイバーエージェントの掲げるMission Statementの中には「有能な社員が長期にわたって働き続けられる環境を実現」という文面がふくまれています。
「有能な社員」が有能であり続けるためには、社会やビジネスの変化や、その時々に担うべき役割の変化に応じて、常に新しい知識やスキルを身に着け、能力を更新していく必要があります。
そのための機会の一部を社員に提供しているのが「リスキリングセンター」という全社横断施策です。
この記事を書いているのが4月なのですが、今年も多くの新卒の新入社員が入社してくれました。
みな若くして優秀で有能な方ばかりです。サイバーエージェントの新卒採用の対象の大半は大卒や院卒の方ですが、中には高校生の時点で採用が内定し、アルバイトの経験も経て高卒で入社されたエンジニア社員の方もいらっしゃいます。
今年の入社式で社長の藤田が新入社員へ伝えた言葉に下記のような内容がありました。
優秀で有能な新入社員であっても、これから活躍できるかは別問題なのと同様に、この先もずっと有能であり続けられるかも、また別問題だと思います。
有能であり続けるためには、常に社会やビジネスや、その時々に担うべき役割の変化に応じて、能力を更新し続ける努力が必要になってきます。
50代のベテランが平均年齢33.3歳の社員をリスキリングしている理由
平均的な日本の労働環境とは少し違うサイバーエージェントでは、政府の促進に応じてベテランなのでリスキリングの研修に行ってらっしゃいと、特別なお膳立てがされることはありません。
おそらく平均的な日本の労働環境に近い企業の場合も、その大半では特別なお膳立てはされていないであろうと思っています。
なので、私の場合は、リスキリングを推進する側の仕事に関わることで、ビジネスの変化を感じやすい環境に身を置き、能力を更新するテコとして活用しています。
この記事を書くこともテコの一つです。
話を本題に戻します。
平均年齢33.3歳の会社でやっているリスキリングとは?
生成AI大号令
サイバーエージェントでは以前から主に広告事業で積極的にAIを活用してきました。
2022年末のOpenAIによるChatGPT公開を起点に、2023年に世の中では生成AIブームが起きました。
これは一過性の現象ではなく、今後生成AIを活用して、既存の仕事のやり方を変えていくことが他社との競争力の大きな差になるという全社的な認識のもと、「生成AI大号令」ともいえるような数多くの施策の実施やサービスの開発が行われ、業界を牽引すべく社内外へ発信をしています。
生成AI活用の為のリスキリング
サイバーエージェントは人材こそが競争力と標榜し、創業1年目から新卒採用と社員の育成に注力しています。
昨年2023年に実施した技術者版のあした会議「CA BASE SUMMIT」で、生成AIを活用するための育成施策が決議されました。
まずは施策の第一弾として同年12月まで、全職種向けに「生成AI徹底理解リスキリング for Everyone」という社内研修を実施し、全社員に受講してもらいました。
今年2024年に入って、施策の第二弾としてエンジニア社員向けに自社プロダクトへ生成AIを広く組み込むための能力を身に着けてもらう社内研修「生成AI徹底理解リスキリング for Developers」を実施しました。
具体的にどんな事をやったの?と興味を持たれた方は、サイバーエージェントの公式技術ブログへ記事を投稿しましたので、ぜひご覧頂ください。
約1カ月の研修期間でエンジニア社員がLLMを組み込んだ機能を大量に実装出来た理由 ー「生成AI徹底理解リスキリング」の第二弾について
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