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SEKAI NO OWARI DOME TOUR2022『Du Gara Di Du』直前考察

『Du Gara Di Du』は、
2020年代を舞台にしたテーマパーク。
苦しいことも悲しいこともすべてひっくるめて、
象徴となるものが全部、
エンターテインメントとして表現されてしまう遊園地になる
(Fukase)

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号

『Du Gara Di Du』は、今から100年後、2122年の目線から、2022年を見つめたらどうなるのか?というFukaseのアイデアから生まれた。
100年後から見た、「2022年」という現実がひとつのアミューズメントになり、ファンタジーを描き出す———。そこには、100年後に残っているものも、残っていないものも、より深くなっている問題も、すっかりなくなっている論争もあるかもしれないが、そんなすべての現実が、「いい」でも「悪い」でも、「残ってほしい」でも「残ってほしくない」でもなく、あくまでフラットに描かれている。

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号(文=小柳大輔)

はじめに

2010年2月10日、「世界の終わり」としてインディーズデビュー。2011年8月17日、「SEKAI NO OWARI」としてメジャーデビュー。それから10年、2020年に開催予定だった10周年記念ドームツアー『Du Gara Di Du』は新型コロナウイルスの影響により中止となった。しかし2022年8月、インディーズデビューから12周年、メジャーデビューから11周年のタイミングで『Du Gara Di Du』という名前を引き継ぎ、過去一番の「ファンタジー」が開催される。
メジャーデビューから約3ヶ月で武道館ワンマン公演、4年後には2日で14万人を動員する大規模な公演を成功させてきたSEKAI NO OWARIが挑む『Du Gara Di Du』を、より楽しむ準備をするとともに、考察をしてみることにした。

『Du Gara Di Du』の世界観

Fukase「意味はないというか、まあ、何かしらの固有名詞です。今回はやっとついに『Du Gara Di Du』は遊園地になったんですけど。何かしらの固有名詞にしたかったのに、いまいち何にもならにままきたっていう感じ」

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号

Fukase「その時代に笑えなかったことが、エンターテインメントとして、こういう時代だったという象徴として出てくる。ここはほんと声を大にして言いたいんですけど、今回の『Du Gara Di Du』では2020年から100年後の未来にかけて、僕らが『世の中からなくなっていってほしいもの』を描いているわけではないんですよ。『こういうことが100年前にあったらしい』として残っていくもの———逆に言うとそういうふうに残るということは、100年後には淘汰されているかもしれないものを、できるだけ自分たちの意見はなしで、フラットに表現しようと、みんなで話し合いを重ねて作っていきました。」

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号

Fukase「今の時代はこうで、未来はよりよくなるっていう、そんな話なんかしてない。」

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号

Fukase「ライブではやったことない、ある程度聴く人に受け皿がないと完全に誤解したイメージを受けてしまうというコンセプトなんですよ。」

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号

重要なのは、SEKAI NO OWARI の立ち位置

上記の引用からもわかるように、今回のツアーはコンセプトがはっきりしている。

今回のツアーでは、バンドバンドしている曲よりも、壮大でファンタジー感溢れる楽曲が多くセットリストに組み込まれると考えられる。加えて、歌詞にも今まで以上に重点が置かれるセトリになるだろう。

そして、重要なのがSEKAI NO OWARIがどういった立場で出演するのかである。
例えば、前回のドームツアー『Tarkus』では、彼らは「この森で2番目のミュージシャン」という演出があった。
今回のツアーでは、最初から最後までSEKAI NO OWARIが、バンド「SEKAI NO OWARI」として出てくる可能性は低いのではないだろうか。
考えられるのは、遊園地の支配人や案内人、『Tarkus』と同様にパフォーマーとして出演する可能性である。
今回、我々観客(来園者)は、いわば「2122年から来た時間旅行客」なので、その案内をするガイド的立場がいてもおかしくはない。
題材として挙げられるであろう数々の社会問題について、SEKAI NO OWARIの思想や考えを伝えるのではなく、100年後の世界(2122年)から見た100年前の世界(2022年)を純粋に楽しむというのがコンセプトなのだと思う。
現在我々が「〇〇時代の刀」や「〇〇事件で実際に使われた銃」を見て、「これは人殺しの道具で悪い物だ」とは感じないように、現在社会問題となっていることも100年後から見たら珍しく興味深いものなのかもしれない。それを我々観客(時間旅行客)が感じる為には、SEKAI NO OWARIから直接伝えられるというよりも、テーマパークのアトラクションを通して感じることになるのだろう。
そのために、今回のツアーには、メインキャラクターのガルルとグルルと、それ以外にも名前や性格が細かく設定されている20種類のキャラクターが存在する。今回の演出は『Tarkus』のようにキャラクターと楽曲が絡み合いながら進行されるものだと考えられる。

Fukase「この時代において世の中、次の世代には残しちゃいけないっていう自分の中の感情を、世の中の人のみんなが共有できると思ったら大間違いだぜと思っているし、そういう受け皿を、自分はもっていたいと思う。自分の意見と全然違う意見を持ってる人がいたとして、その人がどうしてそういうふうに思っているのかっていう風景を知っていく時代だと思うんですよね」

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号

演出・進行考察

7月18日に公開されたDOME TOUR 2022『Du Gara Di Du』スペシャルムービーでは、たった30秒間のポップなティザーの中にヒントが散りばめられているように感じる。
その他ドームツアー特設サイト等の少ないヒントから演出とセトリに結びつけ予想してみる。

音楽ショー・・・・・・の間では、ガルルとグルルのパレードが夜を鮮やかに彩るよ!」

『Du Gara Di Du』スペシャルムービーでのガルルのセリフ「音楽ショーの間では、ガルルとグルルのパレードが夜を鮮やかに彩るよ!」である。
これはもう演出の答えと言っても過言ではない。
つまり、「2022年をテーマとした遊園地『Du Gara Di Du』で夜に開催される音楽ショー」が今回のライブなのだと考えられる。
このセリフが、オープニング曲の予想にも大きく関ることになる。

前半と後半/対比

今回のツアーには、前半と後半のように転換のタイミングがあると考えられる。
『Du Gara Di Du』スペシャルムービーからもわかる様に、音楽ショーの途中で雰囲気が一変している。ここでダークな曲が入るのではないか。逆に、そこまでは比較的ポップな曲が多くなるとも考えられるが、どういった演出になるのかは見当もつかない。

2018年の野外ツアー『INSOMNIA TRAIN』でも昼のショーと夜のショーとで演出が分けられていたように感じる。黄昏時に『炎と森のカーニバル』で転換したのはまだ記憶に新しい。今回は、転換で『白昼の夢』が入る可能性にも少し期待している。

SEKAI NO OWARI初の全国野外ツアー『INSOMNIA TRAIN』が向かった先と我々にもたらしたもの
(https://spice.eplus.jp/articles/195065)

進行

Saori「ガチガチに、セリフと曲が絡みながら、進行していくものを作ったので。」

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号

先述の通り、進行はガルルとグルルなどのキャラとセリフによって進められるだろう。

動画を見て考察

  1.  冒頭0:01〜0:02で、ガルルの背中あたりに白いものが確認できる。これが何なのかは現時点では不明だが、明らかに白いものであり敢えて描かれていると考えられる。
    もしこれがガルルの何かなのであれば演出やセトリに絡むと考えて良いだろう。しかし、動画内ではその一点にしか確認できず、直接結びつけるのは現時点では困難を極めている。『Like a scent』か。

  2. 0:06看板右上にNakajinの物と似た帽子が確認できる。左にある物体は、木に見せかけたモンスターだという可能性も否定できない。そして、遊園地の象徴でもある「観覧車」が目立っている。前回のツアー『BULE PLANET ORCHESTRA』にもでてきた文字盤がデザインされており、セットに絡んでくる可能性が高い。

  3. 0:07工場の排ガス問題だと考えらる。直接結びつく楽曲はないように思えるが、「club EARTH」が工場地帯にあることや、Fukase自身も工場地帯を嫌っている様子はないため、演出に絡む可能性が高い。

  4. 0:09ガルルとグルルが肩を組み、手にはウイスキーのようなものをもっているが、老いた後は湯呑みのようなものにかわっている。時間経過の強調としてのアイテムなのか、楽曲や演出に絡んでくるかは要検討である。

  5. 0:13ブタ、牛、羊、馬が確認できる「アニマルゴーアラウンド」。食糧や衣類等に使われるいのちとして生きる動物を題材にしているのだろう。これは直接楽曲に絡むと見て間違いない。候補としては、『虹色の戦争』『死の魔法』『世界平和』『illusion』『生物学的幻想曲』『深い森』『マーメイドラプソディー』等多くある。それぞれの根拠は「セトリ考察システム(全曲)」に記載する。この中からであれば『生物学的幻想曲』がマッチしている気もするが、ドームツアーという点も含めて『虹色の戦争』はセトリに入るだろう。

  6. 0:15「ヘイターズコースター」では、そのままヘイトやSNSでの誹謗中傷や現代の表現問題に関わると予想している。候補として、『Witch』『アースチャイアルド』『LOVE SONG』『YOKOHAMA blues』等だろうか。『アースチャイアルド』は遊園地感溢れる楽曲と歌詞でまずセトリに絡むとみていいだろう。しかし同時に有力なオープニング候補でもある。ここでも、SEKAI NO OWARIの立ち位置と視点に悩まされる。

  7. 0:19ガルルのセリフ「音楽ショーの間では、ガルルとグルルのパレードが夜を鮮やかに彩るよ!」圧倒的伏線だと考えている。

  8. 0:20戦車とその後ろにミサイルのようなものが確認できるので、戦争関連だと考えられる。候補は、『illusion』『深い森』『Dragon Night』などだろうか。
    個人的に『Dragon Night』はやってほしいので、セトリ候補に入れる。

  9. 0:23このスペシャルムービーで一番不可解な部分である。突然の暗転によりキャラクターはジャンキー(?)になり、兵隊(音楽隊?)は骸骨に、客の影も明らかに変化している。これは、ライブの演出としても大きな転換のタイミングだと考えられる。まず個人的な希望も含めての候補は『broken bone』だ。可能性は低い。人影の雰囲気から『Witch』『Food』や『ラフレシア』なども考えられるが、コンセプトが微妙に違う気もする。音楽ショーとしては『Monsoon Night』はまさに入ってきそうだが、逆に入らない可能性もある。楽曲と直接結びつくというよりは、転換のタイミングとしての演出なのだろうか。
    否、私は圧倒的な予想を思いついてしまった。そう、「BAD MOOD」の登場である。詳細は省くが、アニメ「BAD MOOD」で社会問題を遠回しに、かつ皮肉に取り上げていた気がする。さらにメンバーにジャンキーがいる。キャラクターとして演出にも使いやすい。これは「BAD MOOD」の登場、つまり「End of the World」の楽曲が披露される可能性に結びつく。そうなると一気に幅が広がり候補も増える。『Lost』や『Bad Day』が披露される可能性が生まれるのだ!!!!!!!!
    BAD MOOD公式サイト

  10. 0:27文字の先が尖っている。骨のように見えるが何か関係があるのだろうか。そう、つまりこれは『broken bone』の可能性が残されているということである!!!!!!!!

大きななにか、空飛ぶなにか、移動式のなにか

テーマパークや遊園地のアトラクションと演出がからんでくることは間違いないだろうが、具体的にはどのようなものが予想できるだろうか。ステージの場所や座席等のイメージも出ていない現時点での予想になる。
今まで数々の幻想的で壮大な演出を創り上げてきたSEKAI NO OWARIのことなので、当然予想してそのまま予想通りとも思えないが、過去の傾向から考えられる3つの演出を取り上げてみる。

大きななにか

Saori「今回の『Du Gara Di Du』でやるような規模のセットは、ドームの規模のセットなんで。」

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号

前回のドームツアーでは天井にまで昇る巨大樹や、野外ツアー『INSOMNIA TRAIN』では、会場横いっぱいに広がる汽車があったので、SEKAI NO OWARIが大規模と言ったら、それはもう大規模なのだろう。

SEKAI NO OWARI初の全国野外ツアー『INSOMNIA TRAIN』が向かった先と我々にもたらしたもの(https://spice.eplus.jp/articles/195065)

空飛ぶ何か

「空飛ぶ」というより、上の空間も使いそうだと考えられる。観覧車などのアトラクションで埋まっているのかもしれない。前回のドームツアーでは巨大なクジラが空を飛んだので、今回も何かしら飛ぶ可能性もある。

SEKAI NO OWARI「Hey Ho」from『Tarkus』

移動式のなにか

前回のドームツアーでは終演後、トロッコのようなものに乗ってSEKAI NO OWARIが退場した。今までのツアーでも会場を何かに乗って回ることはあったので、今回もあるのではないか。音楽ショーやパレードという演出は、移動式の演出を予想する十分な根拠になる。しかし、感染症対策の影響で演出が制限されている可能性もある。ちなみに銀テは無いと言っていた。

衣装

SEKAI NO OWARIのライブでは、衣装も楽しみな点である。
今年開催された前ツアー『BLUE PLANET ORCHESTRA』では宇宙服で出演。
しかし2019年に開催された前々ツアーの『The Colors』ではコンセプトはあるものの、それぞれ好きな服を着てて私服感溢れる衣装だった。
『Tarkus』『INSOMNIA TRAIN』ではタキシードやドレスなど、フォーマルな衣装だった。
それらをふまえて、今回の衣装は、ツアー用に特別制作した衣装だと予想する。
『BLUE PLANET ORCHESTRA』、2013年野外ワンマンライブ『炎と森のカーニバル』のように独特の世界観が繰り広げられる演出・セットになると考えられるので、それに合わせた衣装になるのではないかと思う。しかしこれも、SEKAI NO OWARIがどういう立場で出演するのかによって変わる。テーマパークの案内人などであれば、真逆のフォーマルなタキシードなども考えられるので、当日が楽しみである。

 『Tarkus』の衣装
「グッチ」がセカオワドームツアーで衣装提供 スタイリストは百瀬豪
『BLUE PLANET ORCHESTRA』のNakajin(twitter@nakajin_sekaino)

オープニングとセトリ

オープニング曲

現時点での候補は『炎と森のカーニバル』『Mr.Heartache』『アースチャイルド』『ピエロ』『周波数』『スターライトパレード』『インスタントラジオ』である。2019年のツアー『The Colors』では、まさかの(?)『Death Disco』がオープニング曲だった。それを可能にしたのがライブアレンジである。『Tarkus』の『炎と森のカーニバル』も壮大にアレンジしたゆえの圧倒的オープニングであった。
つまり、アレンジを考慮するのであれば、どの曲も候補になりうるということである。

『炎と森のカーニバル』

傾向的にも個人的にも『炎と森のカーニバル』は候補から外せない。前回のドームツアー『Tarkus』のオープニングで巨大樹からSEKAI NO OWARIが出てきた演出と歓声で会場が揺れていた印象が強い。しかし、それによって今回のオープニング曲ではない可能性がある。感染症対策で歓声も無い。残念。

『Mr.Heartache』

個人的には『Mr.Heartache』はオープニング向きだと思っているが、今回はコンセプトが違いすぎるのかもしれない。いつかオープニングで見たい。

『アースチャイルド』

最有力候補は『アースチャイルド』である。コンセプトと言ってもオープニング、つまり導入なので、どちらかというと派手さを優先するのでは無いかと思う。『アースチャイルド』は十分なテーマパーク感とセカオワ感の両方を備えていて、ドームツアーのオープニングにふさわしいのではないか。
ひとつ懸念があるとすれば、「宇宙感」である。
もともと「宇宙」がコンセプトだった2020年の『Du Gara Di Du』が中止となり、「宇宙」は2022年『BLUE PLANET ORCHESTRA』に生まれ変わった。
したがって、今回のツアーで宇宙が前面的に絡むことはないと言われている。

『ピエロ』

コンセプトに縛られすぎるのもよくは無い。あくまでもオープニングであり、全曲がコンセプチュアルな楽曲ではないだろう。留意すべきは「遊園地/テーマパーク感」と「ファンタジー」のみで問題ないと考えられる。
そうなると、『ピエロ』も怪しいが、「サーカス」という似て非なるエンターテインメントである。さらに、歌詞はファンタジーというよりは人に寄り添う内容である。それであれば『炎と森のカーニバル』が前に出るだろうか。

『周波数』

『周波数』は「奇抜な色の虎」でもあることから「ガルル/グルル」と何かしら関係していることは言うまでもなく、セトリにも絡んでくるだろう。そして、オープニング/エンディングの可能性も十分にある。

『スターライトパレード』

『スターライトパレード』も十分にありうる。若干の「宇宙感」は否めないがよくオープニング曲になる傾向があり、歌詞もマッチしていると言える。そして、暗闇から突然明るくなる演出が容易に想像できるほど、圧倒的にオープニングにピッタリな曲である。
しかし、アンコール後1曲目の可能性も高い。
前回のツアー『BLUE PLANET ORCHESTRA』では感染症対策のためアンコール時は手拍子だった。しかし、心の中には『スターライトパレード』が流れていたのではないだろうか。したがってアンコール1曲目が『スターライトパレード』だとも予想できる。
とはいえ、この曲にはやはり圧倒的なオープニング力があるため、最後まで候補に残るだろう。『ARENA TOUR 2013「ENTERTAINMENT」in 国立代々木第一体育館』のライブ映像を見ればその迫力がわかるので、観たことのない人は一度観ることを勧める。

『インスタントラジオ』

そして真打が『インスタントラジオ』である。
この可能性も否定できないところが、SEKAI NO OWARIの面白いところである。普段最後の曲として使われがちなこの曲は、『INSOMNIA TRAIN』ではジャズアレンジでオープニング曲として使われた。あの驚きは今でも覚えている。
またこの曲は、「Ladies and Gentlemen, Boys and Girls」から始まる。
そう、圧倒的テーマパークのオープニング感である!!
そしてなにより、『Du Gara Di Du』は延期されたもののSEKAI NO OWARIの10周年記念ライブだったということ。
これらを考慮すると、十分に可能性はあると思う。

さらに、「Ladies and Gentlemen, Boys and Girls」というフレーズが廃止されている傾向をご存知だろうか。東京ディズニーランドや日本航空等が、性の多様性を尊重したセクシャルマイノリティーへの配慮ということで廃止している。
これはまさに、未来から覗く現代の傾向としてピッタリなのではないか。

『虹色の戦争』

『虹色の戦争』の可能性もあるのだろうか、いやない。
『虹色の戦争』は圧倒的二番手。オープニングが終わり静まり返った後に始まってこそ虹色の戦争。傾向からしても圧倒的2曲目率。
『虹色の戦争』はゾロであり、レイリーであり、ベン・ベックマンなのである。

つまりオープニングは

今回のオープニングは、『Tarkus』同様、先に我々観客への演出があり、その後にSEKAI NO OWARIの登場だと考えられる。そうなると、Welcome系(?)の歌詞だからといってオープニング候補にするのは時期尚早である。
現在オープニング候補の楽曲は全て、前奏が比較的長めにとられてある。登場する時間が必要だからだ。
さらに、今回は今までで一番コンセプトが全面に出ていることも考えると、
『BLUE PLANET ORCHESTRA』のように、既存曲ではなく、オープニング用楽曲が用意されている可能性もある。
『ファンタジー』や『虹色の戦争』も当てはまるが、あまりにバンドバンドしている気がする。
つまり、音楽界に革命が起きるであろう今回のツアーにおいて、
オープニング曲を予想することはとても難しいのである。(ドンッ!!!)

オープニング考察まとめ

最終候補は、『アースチャイルド』、『スターライトパレード』『インスタントラジオ』にする。
上記の候補曲以外であれば、それはそれで嬉しい。
あったていればそれも嬉しい。

DGDDセットリスト予想

セトリ考察システム(全曲)

セトリ考察システムを作ってみた。
曲名ごとに「テーマパーク/アトラクション」「コンセプト/視点」「直感」の項目に対して「◎」「○」「△」「×」で予想をし、それを踏まえてセトリに入る可能性を同4段階で表している。編集可にしいてる筈なので、ダウンロードして各々でセトリをつくってみてはどうだろうか。

セットリスト考察

前提として、曲数は19曲(16曲+アンコール3曲)で予想している。
当日は、OPEN16:00(または16:30)でSTARTが18:00(または18:30)となっている。
参考として前回のドームツアーをはじめとする4公演をあげると、
『Tarkus』18曲(16曲+アンコール2曲)
『INSOMNIA TRAIN』21曲(19曲+アンコール2曲)
『The Colors』20曲(17曲+アンコール3曲)
『BLUE PLANET ORCHESTRA』20曲(17曲+アンコール3曲)
である。
演出の時間が長くなると想定すると、18〜20曲が妥当だろう。
コンセプトが全面に出ているセトリになる分、アンコールはセカオワ感を全面的に出した曲になると予想している。
SEKAI NO OWARIの場合、セットリストが変更される可能性も考慮したが、今回のツアーはキャラとの兼ね合いがあるため大きな変更はないと考えられる。
それらをふまえてセットリストを予想してみた。

セットリスト

1.『スターライトパレード』

「演出・進行考察」でも言及したが、『Du Gara Di Du』スペシャルムービーのセリフ「音楽ショーの間では、ガルルとグルルのパレードが夜を鮮やかに彩るよ!」が決定打である。「音楽ショー」「パレード」「夜」のキーワードも当てはまる。先述の通り、
「2022年をテーマとした遊園地『Du Gara Di Du』で夜に開催される音楽ショー」
が今回のライブなのだと考えられる。

そろそろ気づいただろう!
そう!つまりこの「夜を鮮やかに彩るガルルとグルルのパレード」の名前こそが、
『スターライトパレード』なのである!!!!(ドンッ!!!)

2. 『Monsoon Night』

『スターライトパレード』が終わり静まり返った会場で、いきなり火柱とともに始まるのではないかと予想。テーマパーク感溢れる曲ではあるので、セトリのどこかには入るだろう。

3.『虹色の戦争』

コンセプトとの一致はもちろん、SEKAI NO OWARIの人気曲としても楽曲のパワーをもっており、セトリに入ることは間違いない。

4.『天使と悪魔』

現在の世の中の条理について触れている歌詞であり、「いじめ」「TV」のようなキーワードを未来から見ると言う点においてもコンセプトと一致するのではないかと予想。

5.※『silent』/『眠り姫』/『イルミネーション』

公式ファンクラブS.N.O.W.Sのコンテンツ「Saoriの絵日記」2022年7月24日を見た人はわかるだろうが、DJ LOVEが挑戦するであろうアレをふまえての予想である。
ファンクラブの内容なので多くは語らないが、アレに当てはまるのではないかと思う楽曲3曲を選んでみただけなのであてにはならない。
『イルミネーション』は本当に聴きたい。

6.『マーメイドラプソディー』

水族館やイルカショーなど、動物を使ったエンターテインメントという点において歌詞とコンセプトが一致している。しかし、『Eve』もセトリに入ると考えられるので、なくなる可能性もある。

7.『周波数』

歌詞にある「奇抜な色の虎」がまさにガルルとグルルなので、セトリに入ることは間違い無いのではないか。また、歌詞の内容が特徴的なので、演出的と相互に影響する重要な楽曲だと考えられる。

8.『Eve』

『Habit』のカップリング曲。どうしても『Habit』が目立ってしまうが、名曲との呼び声も高い。
2022年6月25日放送のラジオ『The House』で言及されているが、「今の時代から未来に向けて淘汰されていくもの」「禁断の恋愛」を結びつけている。
禁断の恋をしている2人がイルカショーに行き、「これはきっと時代に合わなくなるからなくなる」と女性が言う。それに対する主人公の気持ちがどんどんと描かれていく曲である。
「禁断の恋では好きだけど会ってはいけない」
「イルカショーは動物愛護の観点からなくなっていくのかもしれない」
「どちらも好きだけど存在してはいけないものなのかもしれない。この気持ちは主人公と相手の関係と同じである。だけど、自から離れていくほど高貴な人間ではない」というような内容の歌詞である。
この2つを結びつけ楽曲におとしこめるFukaseの天才的な作詞センスが目立っている曲でもある。メンバーも最初は意味がわからなかったらしい。
本人たちは『Eve』をとても良い曲で好きな曲ではあるが、人気曲にはならないとも公言している。『白昼の夢』と同じようにカルト的人気が出る可能性はある。

Fukase「”Eve”は自分の好きなものベースで考えたけど、『Du Gara Di Du』に関しては、正直自分が好きだと思ってたり、なくなってほしいなあと思ってるものは、気持ち的にはたぶんひとつくらいしか入ってない。気持ちが入ってるのはヘイトくらいですよ、ほんとに(笑)」

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号

9.『Witch』/『broken bone』

『Witch』は歌詞を考えても十分セトリに入る可能性がある。ダークすぎずポップすぎず、コンセプトにも合っている。
しかし、『Du Gara Di Du』スペシャルムービーで暗転時、ガルルとグルルの前にいる音楽隊が骨になっている。これは『broken bone』しか考えられない。というより、ドームで『broken bone』を聴きたい。

10. 『illusion』

歌詞の内容に「食べる命」「TV」「戦争」や、表現について言及されているため、ライブのコンセプトと一致している。ダークな曲なので後半だと予想している。

11. 『Love the warz』

「戦争」や「平和」など、歌詞の内容とコンセプトがマッチしている。ライブ常連曲でもあるので安定してセトリに入るのではないかと考えた。

12.『Habit』

まあさすがにやるかな、と。

13.『バードマン』

好き。やってほしい。聴きたい。

14.『ムーンライトステーション』

大規模なセットに合う幻想的で壮大な曲である。100年後の世界に「花火大会」がなくなっている可能性や、「かぐや姫」という御伽噺がテーマパークのコンセプトに合う可能性を考えた。
2日間で14万人を動員した『Twilight City at NISSAN STADIUM』で披露された同曲は圧倒的であるので、観たことのない人は是非観ることを勧める。
しかし、その印象の強さゆえセトリに入らない可能性も考えられる。

15.『Hey Ho』

歌詞の内容が非常に人間的でSEKAI NO OWARIらしさが出ていると思うが、コンセプトと少し違う気もする。
ただ、演出次第では気持ちに寄り添う曲としてセトリに入る可能性が高い。

16.『Dragon Night』

ドームでの『Dragon Night』ほどカッコいい曲はあるだろうか。
個人的な好みを含まずとも、ドームで聴きたい曲であり、歌詞の内容も楽曲の迫力も(本編)の最後を締めくくるにピッタリな曲なのではないだろうか。

Encore

17.『アースチャイルド』

アンコール1曲目としても、歌詞とライブのマッチもピッタリだと感じた。しかし、先述の通り、若干の「宇宙感」がどうなるのか気になる。

18.『RPG』

なんだかんだやる。アンコール後にSEKAI NO OWARIとしてやる。しかし『RPG』が入ることでアンコールが強すぎる気もする。

19.『インスタントラジオ』

圧倒的なオープニング候補でありながらエンディングに決めた。SEKAI NO OWARIのライブの幕を下ろすのにふさわしく、最後のギターソロも含めて余韻が長い点。そしてセカオワファンの細胞に刻まれる数々のライブのエンディングから、やはり『インスタントラジオ』で終わらせると予想。

セトリ考察まとめ

演出により曲順などは予想から大きく外れるだろうが、現時点での全力セトリ考察である。
根拠も、まあわからなくもないレベルで説明できているのではないかと思うが、これらの想像を大きく越えてくるのがSEKAI NO OWARIである。
つまり、合っていても嬉しい、外れても嬉しいということである!!!

『Du Gara Di Du』を楽しむために

予備知識や準備は必要なのか

スターライトリングはもちろん、グッズのTシャツやタオル、ヘアバンドなどはSEKAI NO OWARIが生み出した『Du Gara Di Du』をより楽しめるアイテムとして必須だろう。
しかし気になるのは、ツアーのコンセプトでもある社会問題などについての事前知識は必要なのかである。SEKAI NO OWARIのライブは初めての人でも楽しめることは間違いないが、内容が分かった方がより楽しめるのではないか。
その答えは、ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号に記載されている。

Fukase「それこそ"Habit"だって、『説教するって快楽なんかじゃなくない?』って言ってる人に向けては歌ってないんですよ、はっきり言って。『説教するって全然快楽じゃないんだよ』までしか聴けてない人には、そもそも言ってないと。その人たちのことは考えてない。だって、自分たちの話してる話が100%みんなに伝わるとは思ってないから。もちろん100%伝わるように努力はしてるし、今回もわかる人にだけわかってほしいとは思ってないけど、多少なりとも今の世の中の動向や、いつも僕らが車に乗って現場に向かう時に話し合っている、いちばん最初の部分みたいなところ。それをまったく想定できないで観られると、もしかしたら意味はわからないかもしれない。」

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号

Saori「予備知識がまったくない子どもが来ても、楽しめるようなセットとキャラクターがいるんで。でも、どのぐらいこのコンセプトを楽しめるのかっていうのは予備知識によって変わると思います。今の日本が抱えている問題にどのぐらい知識があるかで、『あ、こういうことをたぶん言いたいんだな』みたいなことを理解できるかできないか、っていうのは多少あるかもしれないです。」

ROCKIN'ON JAPAN 2022年9月号

『Du Gara Di Du』ツアー日程

  • 2022年8月14日(日)バンテリンドーム ナゴヤ
    OPEN16:00/START18:00

  • 2022年9月3日(土)京セラドーム 大阪
    OPEN16:00/START18:00

  • 2022年9月14日(水)東京ドーム
    OPEN16:30/START18:30

  • 2022年9月15日(木)東京ドーム
    OPEN16:30/START18:30

  • 2022年10月1日23(日)福岡PayPayドーム
    OPEN16:00/START18:00

さいごに

約1万4千文字という長編の考察になったが、SEKAI NO OWARIの魅力が1人でも多くの人に伝わり、『Du Gara Di Du』というドームツアーを少しでも楽しむことができるきっかけになれば、それ以上のことはない。

参考

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