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星海は豊漁なり

お前には星海漁は無理だ──俺は漁で使う「棹」の手入れをしながら心の裡で呟いていた。

星海漁には危険が多すぎる。星間移動により小惑星帯に向かうため、道中デブリにぶつかることもある。船に大穴が開いてそのまま御陀仏になるのだってザラだ。それにこの前は航路のミスで仲間の船同士が派手に激突した事故もあった。正直五体満足で漁を続けられているのは奇跡に近かった。

娘にはもう俺しかいない。もし死んでしまったら娘の面倒は誰が見るのか。一抹の不安が過ったがそれでも漁を続けるのは俺がこの仕事に魅了されていたからだろう。

しかし、結局娘に押し切られる形で船に乗せてきてしまった。一体誰に似たんだ──また心で呟きながら娘に目をやると、今しがた船を掠めたデブリを見てしきりに窓を叩いてはしゃいでいた。やめろやめろ、割れたら生身でマイナス240度に晒されるんだぞ。

「パパ見て!星海が見えてきたよ!スッゴい…」

娘の覗く窓を俺も覗き込む。

(続く)

#逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞 #SF #釣り

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