ライク・ア・ローリング・ストーン
一
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!
「シット!オムスビだ!!」
岩陰に隠れながらジェイドは叫んだ。一体何なんだアイツは!俺達のフジ登山を踏みにじりやがって!彼は恋人のローズと友人のデイビス、マリアとフジの日出を拝みに来ていた。しかし災厄は突然転がって来た。地響きと悲鳴を聞いた時には遅かった。後続のマリアは消えていたのだ。あれは岩とも違う、あえて例えるなら昼飯に貰ったオムスビ──ジェイドはそう感じた。
「待って!一人足りないわ!」
叫んだのはローズだった。
「デイビス!早くこっちこい!」
ジェイドがまた叫ぶと、デイビスは足を引きずりながら岩陰に向かおうとする。その瞬間──
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!
デイビスの姿は跡形も無くなっていた。
「マザーファッカー!!俺のダチまで持っていきやがって!!」
彼は怒りに任せて地面を殴りつけた。
二
一週間前、最初に異変に気付いたのは山岳救助隊の嶋田だった。
(続く)
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