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星野源 / SUN ディスクレビュー

「5もあれば1もある作品なのに人を選ばない一枚」

この作品は星野源8作目のシングル作品である
タイトル曲はドラマ「心がポキッとね」の主題歌に起用された一曲である


カップリング曲は三曲収録されている
まず一曲目「SUN」はリズムの作り方が緻密で
ドラムとヴォーカルのはめ方がバランス良く組み立てられている


音作りもただ並べただけでなく痛い所と気持ちいい所を行き来するような
遊び心が満載で抜群の掴み曲に仕上がっている


構えて聞く曲というよりかは流れてくる音にのれるかのれないかが重要な曲で
気づいたら体が乗っていたというのがこの曲の一つのゴールだと思う


サビの女性コーラスが効果的であれによってサビの華やかさが増している
歌詞はタイトル通り光に向かう歌詞でその光も誰にとっても感じやすい
光であるので分かりやすい歌詞になっていると思う
良い意味で手に取る事へのハードルが低い曲である


ニ曲目は「MOON Sick」この曲は「SUN」より更に遊びが凄い曲である
勿論ある程度枠組みはあるが自由な音楽でその自由さがそのまま良さになっている

ジャンルはジャジーというかブルースというか何というかそう言ったものを
日本人がうまく落とし込んだ感じである

全く違和感なく落とし込んでいるので遊び方の上手さがこの曲でも出ていた
そしてプレーヤーが伝わる曲だとも感じた

演奏している人の味と存在感がこの曲の醍醐味なのではないだろうか
サックスの音が特にそれを表していたと思う


三曲目は「いち に さん」この曲は彼の得意技が出ている曲である
誤解を生むかもしれないが星野源のカップリングに入りそうな雰囲気であり
まさにという曲で裏切りみたいなものはないのだが
そういう曲が一曲入っている事は才能の枯渇ではなく全く逆で
進化するために自分から出てくることを深くする為に必要なことなのだと思う

そういう意味では音楽家として山を登る風景を見せてもらっているかのような曲で
そして彼がみる頂上はまだまだ先なのだろうと感じさせてくれる曲である


四曲目は「マッドメン」この曲は彼がチャレンジャーである事がわかる曲である

あまり纏めすぎずあえて荒いものを世に出した事がうかがい知れる
メロディなどは流石に構築はしているがある程度余裕を持たせて作られている

こういう試みは嫌いじゃないし綺麗なものだけが正解ではないと気付かせてくれる
リズマシンで遊んでる姿にも見えるがこれも一つの曲である

四曲全てを聞いて感じたのは
肩の力が抜けていて良い曲たちが並んでると言うことである

無茶をするというより楽しむということがシンプルに伝わってきたし
クオリティも高い所で作られていたので純粋に良い作品であると思う

ストレスがなく無駄に恐ろしくすることもない
こういう作品は実は稀に見る作品であると思う

これは決してオール3の作品という事ではない
この作品は5もあれば1もある作品なのに人を選ばない作品だということである

好みがどうとかごちゃごちゃ言わずとりあえず聞いて欲しい作品である
どこか面白みを感じてもらえる一枚だと思う


変幻自在のクリエーターユニット「KATANAGARI」です。基本ミュージシャンとライターです。Apple musicなどでカバー音楽、オリジナル音楽を配信しています。 https://itunes.apple.com/jp/artist/katanagari/1288449046