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刀や刀装具の画像加工マジック

刀剣店のHPやオークションサイト、SNSなど日本刀や刀装具の写真を見る機会が増えました。
刃文や地鉄を綺麗に見やすくする為に写真加工(とりわけ手軽にできる明るさ調整やコントラスト調整)は多くの人がしている事と思います。
というよりも写真加工しないと、なかなか肉眼での見え方に近づける事は難しいと思います。
私もなるべく肉眼で見た時と同じような見え方になるように画像を加工しているのですが、その過程でどんな加工をするとどういう見え方になるかを色々いじっていると、ネットに上がっている他の刀の写真を見た時にもある程度は肉眼での見え方が何となくイメージできるようになります。

これがどんな時に役立つかと言えば、例えばネットで刀や刀装具を画像だけ見て買おうとする時でしょうか。(実物を手に取って見た方が良いのは言うまでもありませんが、出来ない事も往々にしてあります)
当然ですが「ネットの画像≠肉眼での見え方」です。
画像をそのまま肉眼での見え方と妄信してしまうと、実際の物が届いた時に「想像と違う感」が強く感じられる恐れがありますし、疵なども見落とす可能性があります。

例えば、代表的な画像加工の中でも明るさ調整をすれば刃がはっきり見えてきますし、コントラストを上げると色味が濃くなり刀でいえば地景などがはっきりし傷は目立たなくなります。
刀装具なら深みや艶の出た写真になるので「なんか良く見える」というマジックが働き多用している人が多いように感じます。

今回は代表的な画像加工の「コントラスト」と「明るさ調整」の極端な場合を載せるので、見え方を是非参考にされてみてください
後半では実際に私がオークションで落とした刀装具を用いながら、画像加工の実例を交えながら実際の見え方との違いを実感して頂ければと思います。

私がネットで刀装具などを買う時は特に加工されていそうだなと感じたものは、一度画像を手元に保存して、自分でその画像を加工してオリジナルに戻す作業をしています。(刀は流石に値段も高く実物を見て買いたい派なのでネットでは買いませんが)
この作業をする事で一見良さそうに見えていた物が実はいまいちそうに見えたりする事も多いので、届いてからの現実とのギャップも少なくなります。

という事でまずは刀の写真の比較からどうぞ。

■刀の場合

①加工前の元写真

②コントラストのみ最大にかけた時

地景が目立ち、疵が隠れる。映りなども見やすくなる

③明るさのみ最暗にした場合

刃中の働きが見やすくなる。得てしてオレンジ色になっていくのが特徴

④コントラスト(最大)+明るさ(最暗)

かなりギラギラしているが地景も刃中の働きも見やすくはある。
なんか良さそうに見えるのがこの加工の特徴

⑤実際の見え方に近づけて加工した場合

これが一番肉眼に近い所の加工


かなり見え方が異なるのがお分かり頂けたと思います。
但し慣れる為には自分の刀なり刀装具で色々試して肉眼と加工画像の見え方の違いを記憶するしかないと思いますので、是非色々トライされてみて下さい。

次に刀装具です。
実際に私がオークションで落としたものを用いながら、実例を交えて見え方の違いを実感して頂ければと思います。
出品画像に用いられている加工は正に、明るさを下げて、コントラストを上げている事です。
一見して黒々、艶々している見た目ですが、元に戻すとどうなるか。
見え方の変化を共に追っていきましょう。

■刀装具の場合

①実際の出品画像

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