こんな土置きをするとこんな刃文になる
日本刀は焼き入れ前に焼場土と呼ばれる泥のようなものを刀身に塗ります。
焼きを入れたい所(刃文部)には薄く塗り、それ以外の所には厚く塗ります。
焼き入れでは熱した刀身を水の中にジュボっと入れるわけですが、この時に土を厚く塗った箇所はゆっくり冷めていく事になります。
つまり薄く塗った刃文の部分は急冷されて硬質化されて硬くなり、厚く塗った方はゆっくり冷える事で折れず曲がらずの刀が出来上がります。
以下の画像を見る限り、土の置き方によりある程度自由自在に付けたい刃文を表現できるようです。
という事は日本刀の様々な刃文を表現する土置の方法がある事になります。
この複雑に見える土置き、一体どのように置くとどんな刃文が出来上がるのでしょうか?
以前刀剣博物館で展示されていた土置きサンプル(上畠宗泰氏)がありましたので紹介します。
①代表的な刃文の土置き
展示用に赤と黒で分かりやすく塗り分けられていますが、両方土が塗られている状態です。赤の方が黒より厚く塗られています。
黒い部分が土を塗っていないわけではありません。
・のたれと直刃
のたれと直刃は土置きも一番単純なようです。
完成は恐らくこんな感じになります。
・互の目
互の目になると線を書いています。
この線が後に以下のような足になると思われます。
・丁子
ここから土の置き方が素人には分けがわからなくなります。
完成するとこのようになると思われます。
・皆焼
ここまで来ると完成後の刃文を全くイメージ出来ません。
皆焼と書いてあるのできっとこうなるのでしょう。。
②どのくらい土を置くのか
先ほどは黒と赤で色分けされていましたが、実際は両方同じ色なのでかなり難しそうです。
乾くと以下くらいの厚みになるようです。
(画像出典:Twitter刀剣博物館)
③終わりに
なんとこの土置きを応用して、猫の姿を刀身に焼き入れる刀匠も!
しっかり猫の形が入っている!!!
大橋刀匠のこれからの作がとても楽しみです^^
土の置き方でここまで刃文が変わるのも面白いですね。
室町以前の日本刀がこのように焼場土を置いて作られたかは不明ですが、昔の刀工も自由自在に刃文を描いていたことは間違いありません。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
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