ヤフオクで買った小汚い鐔、埋忠鐔?
ヤフオクで菊花図の真鍮鐔を購入したのですが、色々見ている内にもしかすると埋忠ではないか?と感じる部分があったのでメモしておく。
横47mm×縦56mm、厚み3㎜。
耳部には縦方向に丁寧に鑢が掛けられ、ルーペで表面を見てみるとまさかの…。 薬品を用いたような布目状の細かい地荒らしは明寿鐔や光忠鐔などに見られるものと似ている。
そして以下のように中心部に向かって阿弥陀鑢のようなものも見受けられ、真鍮地とは色が異なる事から金で象嵌が入れてあるようにも見える。
茎孔上下部には花の刻印が打たれているなど京物を思わせる洒落た工夫が見られる。
こちらは以前似たような物を銀座長州屋さんの埋忠橘宗義の鐔で拝見させて頂いた事がある。
そして責鏨は棒状のものと、丸いものがそれぞれ打たれているのでそれぞれ別の時代の所有者が付けたのだろう。
棒状の責鏨は金山鐔や古金工鐔などにまま見られる形状である気がする。
以下は同じく銀座長州屋さんで以前拝見させて頂いた金山鐔。
という事で商品説明には古金工とあったものの、地肌の様子や花の責鏨の様子から個人的には埋忠の線を感じてます。
この鐔はまだ鑑定書が付いていないので、こちらも今度審査に出してみようと思います。
製作当初の姿を想像するに相当に金色の派手な鐔だったと思われ、結構良い短刀に付いていたのではないか、などなど妄想しています。
という事で試しに短刀に合わせて見た所、思いのほか格が合っているようにも見える気も。朱塗の鞘など合いそうですね。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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