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成木鐔⑮ 赤坂初代忠正 鉢木透写

好きすぎる成木鐔の紹介が止まりませんが、手元にある成木鐔でまだ紹介していない物がいくつかあるので気が向いた時に載せていきます。
今回は有名な赤坂鐔の鉢木透写の鐔になります。
謡曲の「鉢木」の物語を比喩した図柄です。

箱書きは無いのですが、鉄の質感や銘の書体から平成頃の作と思われます。

成木さんの作は高温で熱する為か側面に鍛割れが出ているのが多いのですが、こちらの作も出ています。
むしろこれがある事で成木さんの作と安心できる程です。

表面の鉄はしっとりした艶やかさがあります。
古作さが無く成木さんらしさの出ている地鉄です。

透かしの内側を見ると結構錆が付いています。
あまり付かないものも多いので使用している材料の差によるのかもしれません。

あまり内側が錆びない成木鐔はこのような感じの物も多い


尚、この鉢木透鐔の本歌は「刀装具の鑑賞(尚友会)」に掲載されています。
実物はまだ見た事がありませんので本歌の鉄質については分かりません。

「刀装具の鑑賞(尚友会)」より

成木氏は写しでも結構アバウトに写すイメージがあるのですが、こちらは重ねてみると比較的正確に写している様子が見て取れます。
但し櫃孔の大きさや位置などはアバウトです。

傑作とまではいきませんが比較的よく出来ている部類の成木鐔に感じます。


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それでは皆様良き刀ライフを!

成木一成氏については以下にまとめています。

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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