見出し画像

刀購入、騙されたと感じる時はどんな時?

日本刀には偽物が存在していてかなりの数流通していると聞きます。
故に騙されて偽物を掴んでしまうのでは?問題は常に付き纏うのですが、騙されたと感じる上での要素に購入時の値段というのはかなり深く関わっているように感じます。

・パターン①

例えば20万円で買った清麿の刀が偽物だったとしてそれは騙されたと言えるのでしょうか。(本物は2000万円以上する)
客観的に見たら20万円の清麿が偽物である可能性が高いというのは明白であり、仮にその人が清麿の相場感を知らなかったとしても、20万円という価格が日本刀の中でもかなり安い部類であるという事は少し調べれば分かるわけです。
その時に20万円の刀に偽銘や疵など色々な問題があったとしても値段的にも「まぁそうだよね」であり、騙されたと言い張る金額ではないようにも個人的には思います。

・パターン②

しかし例えば2000万円で清麿を買ってそれが偽物だった場合。
つまり正真物と同じような金額で買った場合。
これが偽物だった場合は騙されたと感じる人は多いのではないでしょうか。
刀としての価格で見ても2000万円という額は特別重要刀剣クラス(最上級)の刀が買える価格であり仮に出来の良い偽物でも2~300万程度の価値にしかならず損失としても痛い額でもあります。
(偽物が200~300で売れるかも分かりませんが出来の良い偽物は得てして良い値段が付くらしいです。売る側からしたら利幅が多いのでそれもそうですね)

・パターン③

では次に例えば無鑑定の清磨が500万円だったら?
無くもなさそうな値段です。
一般的な刀の価格としては重要刀剣が買える金額ですが、清磨としては安いです。
この価格帯の清磨があったとしてそれを買おうと思う人は相当な自信をもって買う程の玄人であり、出世させて(鑑定書を付けて)儲けようなどと欲を出している人が多そうなイメージがあります。
故に素人は少ない気もするので、仮に偽物だったとしても「偽物をつかまされた」と他責する人は少なく「見抜けなかった自分が悪い」と感じる人が多そうなので、騙されたと感じる人は少なそうであります。

・パターン④

さてさて難しいのはもう1パターンあり、鑑定書が付いているけど「鍛冶平押形」に鍛冶平自身が作ったという偽物として載っている物だった場合。
以下の長州屋さんの動画で話に出ていましたが、どうやらこうした物にも鑑定書が付き正真として流通してしまっているようなのです。(14:11~)

「Youtube:# 35 稀代の偽作者「鍛冶平」と虎徹(その1)より」

つまり偽物に鑑定書が付いて正真物として流通しているわけです。
こうした刀は買う時は正真物としての値段で買っていても、刀剣店などに売る時は鍛冶平押形に載っている事実を逆手に取られて安く買い叩かれる可能性もあります。(買ったお店なら分かりませんが)
このような刀を買ってしまった場合、皆さんは騙されたと思いますか?

私は騙されたと感じてしまいそうです。
少なくとも鍛冶平押形に載っている事は買う時に明言してほしいと思ってしまい店への不信感は高まります。
まぁ実物を見て気に入り買った以上、最後は自己責任と言ってしまえばそれまでなのですが。

偽物を掴むリスクを下げる為には正真物を安く手に入れようだとかそういう欲を無くして、ちゃんとした店で相応の金額を払う事なのは間違いありません。それでも最後の鑑定書が付いているけど怪しいパターンもあるので100%安全とは言い切れませんが…。
そして万が一偽物を掴んでしまった際に「偽物でもいいや、気に入っているし」と思える為には、鑑定書や銘で買うのではなく出来を重視する事、これに限る気がします。
あくまで一個人の考えではありますが。
皆さんはどのような時に騙されたと感じますか?


今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はいいねを押して頂けると嬉しいです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?