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三日月宗近の拵を見てちょっとした発見

昨日「本阿弥光悦の大宇宙」を見たついでに、東京国立博物館常設展の刀剣コーナーを久々に見てきました。
すると三日月宗近が展示されていたのですが、なんと拵も展示されていました。
私自身初めて見ます。

興奮。

国宝 三日月宗近
三日月状の打ちのけが見やすいです


そしてこちらが拵。柄や鐔は消失してしまっているのでしょう。

鞘尻に付く石突金物も消失しています。

石突金物はこんなやつです↓

(画像出典:刀剣ワールド


さて拵をよく見てみます。

鞘部の蒔絵を見るとなんと右から五七桐紋に24菊花紋、その次のヒマワリのような家紋がちょっと分からないのですが、皇族関係でしょうか。
いずれにしても非常に格式の高い家紋が並んでいます。
流石三日月宗近…

拵の時代は不明ですが、金梨地の雰囲気から個人的には桃山~江戸初期頃あたりではないかと思いますが如何でしょうか。

そして上部に目を移していくと‥‥

!?!?

なんと三日月が2箇所も入っているではありませんか!!
見つけられなかった方、一度画面を上に戻して良く探して見て下さい。

巷では有名な話?かは知りませんが、何も知らずに見つけた時の感動たるや…。
残っている金具から連想するに、三日月宗近の拵に付いた金具は「桐紋、瑞雲、三日月」で構成されている事が分かります。
太刀金具は大体テーマが統一されている事を鑑みると、先の消失した石突金物にもれ三日月があった可能性が高いと個人的には思っています。

そして鐔や、縁頭などにも当然あったでしょう。
しかし拵の造りを見るにそこまで三日月のデザインを目立つようには入れていないので、そのような所から察するに三日月は沢山入れるのではなく、きっと1金具につき三日月マーク1つ程度、鐔には両面合わせて4つくらいの三日月がさりげなく施されていたのではないでしょうか。

刀装具に興味を持ってからより刀が楽しめるようになった気がしますが、拵の元の姿をこうして想像出来るようになったのは1つその実例かもしれません。
という事で刀装具も面白いですぞ…!

刃文に現れた三日月、拵に現れた三日月。
気になる方は是非トーハクへ急いでください…!


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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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