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2024年「霜剣堂 新春日本刀展示即売会」へ行ってきました

新年という事でもはや個人的に風物詩となっている霜剣堂さんの展示即売会。今年で6年目になりますが、ここにお邪魔する事が新年を感じる事に繋がっています。

今日は朝一、10時から訪問。
今年はなんと暖簾が新調されていました。以前は確か黒地だったような。

という事でお店に到着。
今年は雪が積もっていないので有難いです。

店頭には個人的に大好きな古備前の太刀!
しかも生ぶ在銘という凄まじさ。鎌倉時代の物がほぼ完品状態で残っているという奇跡がどこまで伝わるだろうか。
外なので刃文は見えないものの、美しい姿と肌立ちつつも落ちついた地鉄に映りも見える。
これはライト下で見たら小沸出来の相当美しい刀なのではないだろうか、と妄想が膨らむ。

胸の高鳴りを抑え店内に入ると既にかなりのお客さんが。
流石初日。皆さん気合が凄い。
既に刀を手に取りながら熱心に見ている方や、展示された刀をじっくり物色している方、様々です。

霜剣堂さんの展示会は以前にも書きましたが、大体以下のようなフロア構成になっています。
緑色が比較的求めやすい100万円以下位の刀中心、青部分は150万円位~、茶色の部分には凄い刀が並び、紫色には大体25万以下位で買える格安コーナーがあります。

この図は2年前に作成した物なので今年は古刀や新刀の展示数のバランスが少し変わっていました


いつも入った瞬間にどこから見ようかワクワクして悩むのですが、今回はまず短刀エリアを見て、青や緑コーナーの刀を見つつ、奥の部屋の名刀コーナーを堪能。

面白いのが青のエリアで、普通はお店の看板になるような名刀がポンと何気なく展示されている事がある。
緑や青コーナーには出来に対して安いと思える物を見かけるので、そういった宝探し感を味わうのもまた楽しい。なのでここも見逃せません。(これは完全に個人の主観なので実際にどうかはご自身の判断でお願いします)

個人的に気になった物で言えば片切刃の新刀。
ガラス越しにも分かる、大肌の無い地鉄の精美さと匂口の均一さ。
区からスッと整った直刃。
そこに大きめの樋が入っている。
加えて姿がとても良かったので手に取らせて頂き、裏面を見て更に驚愕した。
なんと片切刃だったのである。
そして更に更に龍の彫が。
想定外が重なりすっかり魅了されてしまった。
これは実に欲しい一振りであった。
今日の夢に出てこないか心配である。

名刀コーナーの展示は圧巻で、この質と量の展示が出来るのはもはや霜剣堂さん位なのではないだろうか。
超のつく名刀を求めようと思えばお店はかなり絞られるがその筆頭に上げられるのはやはり霜剣堂さんだろうと展示を見れば誰もがそう思うのではないだろうか。
よくもこれだけの刀が並ぶものだと、開いた口が塞がらない。
その中でも個人的に気になったのは拵の付いた古備前極めの無銘太刀。

匂口の柔らかい乱れ刃に鎬筋に掛かりそうな地斑のような乱れ映りのような映りが合わさり、実に華やかな様相を呈している。大摺上げであるが腰反り姿が美しい。
在銘の古備前も勿論美しいが、地刃の好みで言えばこの古備前が一番好みであった。

今回の展示会で個人的に特に気になったのはこの2振だろうか。
前回の展示会でいいなと思った刀もあり、悩みは尽きない。
そして店内をブラブラしているとお客さん同士であの店はどうだ、この店はどうだという会話が聞こえてくるのも意外に楽しい。
そんな事も考えながら刀を拝見していると気が付くと6時間も店内にいた。

買うわけでもなく本当すみません。
…そんな事を言いつつも霜剣堂さんの展示は期間中どこかでもう1度お邪魔したいと考えています。
もしかしたら今日と展示も少し変わっているかもしれないので、それも楽しみです。
そして帰りには2024年のカレンダーを頂いてしまいました。
名刀の押形が楽しめます。
霜剣堂さんの展示即売会は1/14(日)までですので、興味のある方は是非行かれてみてはいかがでしょうか。



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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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