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刀展示ケース製作日記⑤ 配線

私が作る展示ケース(刀箱漆)の制作工程を複数回に分けて書いています。
完成した展示ケースは以下の物です。

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動画でも刀展示ケースの機能を一通り紹介してます。


・前回までのあらすじ

設計したデータを基に実際に加工して、外装部分を製作しました。
今回はこの製作した外装に配線をして、ライトを点灯させるところまで書きます。



①配線図を書く

家庭用のコンセント(100V)に繋いでライトが点くようにしますが、ライトは24V用なので100Vを24Vに変換する必要があります。
他にもスイッチで刃文用ライトと地鉄用ライトの切替がしたかったり、何かの理由で電気部材が壊れた際のフェールセーフが欲しかったり…

などなど一人で全て実装するのは不安だったので元同期の電気設計のプロに相談しながら配線図を描いてもらいました。
(下の配線図はライトの切替スイッチ無しverです)

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②配線を3Dモデルに反映

上の配線図を基に3Dに反映していきながら、配線同士が絡まらないような電気部材の配置を考えていきます。
これをしておくと実際に配線をした際に綺麗にまとめる事ができ、配線ミスも少なくなります。

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③実際に配線していく

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3Dデータを基に長さを測りながら配線を作っていきます。
配線や電気部材はネットショップで購入しています。
3色用意したのは配線ミスをなくすためです。
私は「+側に繋ぐ線を白、-側に繋ぐ線を黒、GNDに繋ぐ線を緑」にしました。(+側はよく赤い線が使われる事が多い印象です)

色分けをしなくても配線さえ間違えなければ問題ないのですが、普通は色分けします。
また、使用用途によってそれに合った線の太さを選ぶ必要もあります。
配線の選び方について興味ある方は以下を見てみても良いかもしれません。



④一部はんだ付け

これらを配線図を見ながら、はんだこてを使ったりして一つ一つ線で繋いでいきます。
と言っても下のヒューズ周りの配線部分だけなのですが、、

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⑤仮配線による火入れ(点灯)

仮配線が終わったらいよいよ電気を入れます。
配線を間違えると電気部品が壊れることがあるので、このタイミングが一番緊張します。(特にライトは1個25000円もするので相当な痛手です)
稀に火を噴くので消火器を念のためそばに置いて、かつ配線図を作ってくれた同期にテレビ電話して中継しながら火入れを行いました。笑

前の会社では試作機の火入れの時に煙が出て皆で「わぁー!」とか笑いあったのは良い思い出です。
その時は多分試作費で1000万円位はかかっていたんですが、今は失敗した分のコストが自分に降りかかってくるので笑えない…
その時の様子が以下です。


⑥外装へ配線を移植していく

仮点灯が無事に確認出来たので外装に組み立てていきます。

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最後に電気を入れてみて問題なければ配線作業完了です!

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⑦終わりに

配線作業としては大体2日程度でしょうか。
慎重さが求められるので緊張感は凄いですが、電気が無事に点いたときはいよいよ完成が近づいた気がしてワクワクします。

次回は刀の背面にあるバックボードと、土台への壁紙貼り付けについて書いていきます。
メインである刀を如何に引き立たせるか、刀を邪魔しない物をどう選ぶかが肝になってくる大事な作業です。


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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