技術には技術を。刀とマイクロスコープ
日本刀や刀装具用に購入していたマイクロスコープが届きました。
パソコンに繋ぐ事で高倍率ルーペで見るような写真が手軽に撮れます。
①鐔を見てみる
これを覗くと…。
次にこちらの鐔。
赤銅の象嵌のようなものがされていますが肉眼では墨で書かれたように見えて段差も一切なく象嵌に見えません。
故にどのように作られているのか気になっていたのです。
覗いてみます。
②日本刀の刀身を見てみる
次に刃文部を見てみます。
次に現代刀と鎌倉時代の古刀の切先をそれぞれ映して見ます。
因みに買ったマイクロスコープはこちらになります。
③ここから本題
さてさて。
このマイクロスコープを買ったのはこういった部分を見て楽しむのが主目的ではなく、「繕い」がどのように作られているのかを見る為に買いました。
日本刀には綺麗に見せる為、高く売る為に実際は無くなってしまっている刃を描いたり、刀身に空いた大きな穴を埋める為に埋金を入れたりと様々な繕いがされている事があります。
先に断っておきますが、全てが悪い繕いではありません。
刃の無い刀を綺麗に繕うことでその刀の美観が何倍にも増し、大切にする人が増えるならそれはその刀にとっても良い事なのではないでしょうか。
しかし気を付けなければならないのは、例えば刃が描かれている場合、普通の刃文と異なり描かれた刃文は研磨すると消えてしまうのです。
故に躍動感のある刃文の重要刀剣を買った、しかし少し疵が気になるので綺麗にしようと思って研磨に出したら刃文が全部消えてしまった、という悲惨な事にもなり得るのです。
刃を繕われているのであれば買う時に知らされるべきに私は思います。
本来刃文が無ければその分安くなって然るべきです。
しかし全てのお店がそこまで親切なお店ではないでしょうし、気づかずに健全な刀として売っているお店ももしかしたらあるかもしれません。
前置きが長くなりましたが、ここから先は自己責任でお読みください。
マイクロスコープでご自身の刀を見て幻滅する可能性のある方は試されない事をお勧めします。
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