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刀油が付いていると刀は見えない

刀を鑑賞する際は刀油を打ち粉などで綺麗に落としてから鑑賞するのが基本です。これは油を落とさないと本来の刃文や地鉄が見え難い為、というのが理由です。

まず以下が油を完全に落とした状態で見える刃文や地鉄です。

これが刀身に油が付いていると以下の様に見えます。
ピンボケしているように見えますね。
油により地肌や匂い口が見え難くなります。

故に油を打ち粉などで取ってから鑑賞するのです。

因みになぜ油を塗るのかというと、刀身を錆から守る為というのと、移動時などはちょっとした揺れから付くヒケ疵などからも守ってくれます。
故に保管する時や持ち運ぶ時は油を塗っておくと良いです。

しかし、頻繁に刀を見る人であれば毎回油を塗り直す必要はありません。
なぜかと言うと、頻繁に見る場合は柔らかいネルなどで刀身を拭うはずですが、それをするだけで錆びないからです。理由はよく分かりませんが、表面の水分や目に見えない初期の錆が取り除けるからかもしれません。

私の場合どんな刀も大体7日に一度位は見るので油は塗っていません。
それでも錆びていませんので、海に近いとか結露しやすい場所に置いているとか特別な条件が無い場合はそんなに直ぐに錆びる物ではないと思います。
ただ元々錆びていた刀を研いだ場合など、休鞘の中が汚いままだとまた錆びてしまう事もあるので、研いだ時は一度休鞘の中も清掃してもらった方が良いかと思います。

という事で刀は湿度に弱いとはよく言われますが、言う程直ぐに錆びるわけではない、というのが個人的な感覚です。
聞いた話では玉鋼オンリーで作られた刀は錆びづらく、洋鉄が混じっていると錆びやすいと聞いた事があります。
まぁ大事な事は「刀を放置せず適度に状態を見てあげること」これに尽きるのではないでしょうか。


話は変わりますが、明日はいよいよ大刀剣市の設営に行ってきます。
今年は刀箱師は霜剣堂さんのブースに刀展示ケース「刀箱」を展示させて頂くので是非見に来て下さい。私も会期中ずっと会場にいますし、刀ケース近くにいることも多いと思いますので、お会いした方は是非刀談義しましょう~!
そして買った物是非自慢しにきて下さい!

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それでは皆様良き刀ライフを!

刀油と言っても鉱物性のものと植物性のものがあります。
違いなど書いていますのでよろしければ以下もご覧ください。

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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