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日本刀は野戦では殆ど使われなかった?

今日Youtubeを見ていたら、戦国時代の戦い方をレクチャーしている動画にたどり着きました。
この動画とても面白く、戦国時代に甲冑を着た人が槍や刀を用いてどのように戦ったのかを教えてくれます。(あくまで甲冑を着て野戦をしていた時代の戦い方であり、江戸時代になると戦い方は全く変わるそうです)
よく刀屋さんなんか行くと実際に刀は戦では殆ど使われなかったんじゃないかな。と教えてくれる事も多いと思います。
実際に槍や弓に対して刀だけが300万振位現在も残っている事を考えると、あまり使われずにいた事を裏付けるような気もしますが、こうした動画を見ていると改めて刀が戦で如何に非効率な物だったか、という事が分かります。

(Youtube「戦国の武器・エグイ使い方 Samurai battle, 16th century」)


この動画内では、甲冑を着て戦う野戦では「刀ほど邪魔になるものは無い。単なる飾り。」と言い切っています。
理由は映画のように刀で鉄の鎧を斬るのは困難で、鎧を上から叩いたり、鎧の無い部分を斬ったり隙間を突いたりする事が主な攻撃戦法になりますが、それに適したのは槍や短刀だから、という理由です。(但し城内など室内であれば刀は槍などよりも活躍したのではないかと別の動画内で言っています。)

動画内では「槍vs槍」からスタートします。

とにかく槍で叩く叩く叩く。
そして弱った所を甲冑の隙間を狙って突く。

Youtube「戦国の武器・エグイ使い方 Samurai battle, 16th century」より

叩く際に槍の内側に入られてしまった場合は組討となり、そこで短刀を抜いて首など急所を突くそうです。
余りに一瞬なので刀を抜いている余裕がない事が分かります。

Youtube「戦国の武器・エグイ使い方 Samurai battle, 16th century」より


そんなあまり出番のない刀ですが、もし刀同士の戦いになったら…という戦い方も紹介されています。

甲冑が守ってくれると信じてとにかく身を低くかがめて突く、ようです。
これなら日頃鍛錬しない人でも比較的容易だそうで。
室町期の刀で反りのある片手打ちのものは反りがあり突きづらそうで反りが無い方が良いのでは?と感じていましたが、身を低くかがめて突く場合は意外に反っている事が利点になったりするのでしょうか。

Youtube「戦国の武器・エグイ使い方 Samurai battle, 16th century」より

もう一パターンは少しテクニカルな技を使った場合らしいです。

Youtube「戦国の武器・エグイ使い方 Samurai battle, 16th century」より


この他にも本当に武器を殆ど無くしてしまった場合の「刀vs短刀」や「短刀vs無手」、「刀vs打根(折れた槍など)」などもやっており参考になりました。

こうした動画を見ると改めて刀を野戦で使う事の非効率さが伝わってくるようですね。
普段農民の人が武器を手に取り戦う事を考えた場合、刀で隙間を狙って斬ったり突くよりも槍でただ叩いたりだけする方が難易度が低そうにも思います。そういう意味では槍の方が主流だった説は大いに納得出来ます。

そして実は戦国時代に一番血を吸っている物は短刀かもしれない、という可能性も充分ありそうです。
ただ今回は戦国時代の甲冑を着た場合の野戦での話ですので、戦う場所や時代が変わればまた刀も活躍していたかもしれません。


動画のチャンネル名に「ガチ甲冑合戦」とあるように手加減無しで本気で取り組んでいる姿がまたとてもリアリティがあり良く、面白かったです。
刀の鑑賞だけにフォーカスしていると刀が時代時代でなぜその大きさや長さ、反り具合に変化しているのか分かりませんが、当時の甲冑の事や戦い方を知るにつれ刀の形状にも納得出来るようになるのかもしれませんね。


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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