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即売会で歴戦の刀を買いました

歴戦の刀、大体残っている古い刀は皆歴戦の刀であるのですが、ここでは研ぎ減って薄くなりつつも何とか現在まで残っている刀、とでも…。

明日1/14まで行われている霜剣堂さんの展示即売会、今回は2回行ってお終いにする予定だったのですが、2回目行った際にふと格安コーナーに展示されていた初任給位の値段の刀になぜか惹きつけられた。
(その時の様子はこちらに記載)

因みにその位の値段の刀は普通欠点と呼ばれる部分が非常に多く、鑑賞に堪えうる刀は少ないというか、多数ある欠点に目を瞑りどこか一部の光る部分を見つけて楽しむというような見方になる事が多い気がするのですが、この刀は研ぎが綺麗に施されていて白鞘も新調されている。
匂切れや埋金などは当然ありつつも、それを補う遥かに多くの良い点が見られた。
研ぎ減ってはいるが大切にされてきた様子が伝わってくる刀であった。

そんな事もあってか、その刀が4日間頭から離れずどうしても再度見たくなってしまった。
そして行く予定ではなかった3回目へ本日行ってきた、という感じです。

なんと暖簾が変わっている…!


正直営業日換算で3日経っていたのでまだ在庫があるかも分からずドキドキ。
私は良いな(個人的に欲しいな)と思った物も比較的ブログやSNSなどにどんどん書くのですが(お店が公開して良いとしている物に限る)、それらに書くという事は少なからず誰かが見るという事ですので当然無くなる事もあります。
勿論書いても書かなくても無くなる時は無くなります。
反対に縁あるものは書いても書かなくても手元に来るので、それ含めて刀との縁を測ったりしています。
なので今回無ければないで潔く諦める気持ちの準備もしていました。

…が、店内に入ると幸いな事にまだ有る…!
菖蒲造りの反りの強い姿をしているので遠目からでも分かりやすいです。

家で持って見るとこのような姿。

改めて鑑賞させて頂くと、やはり良い。
乱れ映りのようなものが良く出ており(疲れ映りと思われるものも見られます)、匂口はやはり研ぎ減って硬くなってしまっているものの、幽玄な雰囲気が伝わってくる。

面白い刀である。
なにより綺麗に研がれている事に驚いた。
部分的に凸凹ある研ぎになっているが、これは刀身の減りを極力抑える為の工夫と思われる。(表面を均一に研ぐと一番深い凹の部分に合わせて研ぐので刀身を一気に減らしてしまう事になる)
刀を破壊しないように慎重に刃文や地鉄の美しい部分を強調したような気概が伝わってきて気持ちが良い。
そして白鞘も新調されている。
これでこの価格は正直驚きである。
霜剣堂の黒川さんによると「研ぎを施して白鞘を新調したので利益無いよ。笑」と仰っていた。
本当にその通りだと思う。
その価格で譲って頂ける有難い気持ちと、縁あり購入出来た嬉しさと、色々な感情が入り混じる1日でした。

この刀は無銘ですが、次回のブログでこの刀の詳細な写真を撮影して載せつつ自分なりにどの刀工かを考えて行こうと思います。


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!

続き

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。



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