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刀剣店の良し悪し判断は直ぐに出来ない

買った物が良い物かどうかを買った時点で判断するのは個人的には難しく、大体は後になってから買って良かったな~、などと思ったりする。
良い物もあれば反対にこれはそうでもないな、と思うものもある。
ずっと手元に置いておきたい物が買えたのならその店を良い店と思うだろうし、何か買った後に嫌な思いをする事があればその店を避けるようになるかもしれない。

しかし良い店、悪い店の判断はなかなか難しい。
良い店と感じるのは例えば、良い物を安く融通してくれた(と感じる)時とか、親身に相談に乗ってくれるだとか、裏から良い品を出してくれるだとか、人によって感じるポイントは色々あるだろう。

一方悪い店と感じるのは高く買わされた(と感じる)とか、店主の対応が悪いとか、買った品物が悪いとか、約束を反故にされたとか、自分自身に対して何かしらの不利益があったと感じた場合に悪いお店と判断する事だろう。

ところで、良い物を安く融通してくれたと思うのも、それが良い物であるという感覚も、反対に高く買わされたと思うのも、買った品物が悪いと感じるのも当然ながら全て個人の感覚であり、その感覚の精度は個人の経験に委ねられている。
知識がある人は正確な判断(店選び)が出来るかもしれないが、知識が無いうちは正確な判断はなかなか難しいだろう。
間違った判断を自分自身がしている事もある。

例えば当初買う際には気づかなかった疵を後日鑑賞中に発見したとする。
こんな疵があるなら教えてくれても良いのに、と店に不信感を抱く。
しかしそれから時間が経ち知識を付けていく中で、欠点と思っていた疵は実は刀には当たり前のようにある疵で、気にする必要はない(むしろそれを気にし過ぎると逆に変な化物を掴んでしまう恐れがある)事を知ったりなど、自分の知識不足が理由で一方的に憎悪している場合もあり得る。

一方で知識が付く事で、例えば状態の良い物に付けられる価格で買った刀にも関わらず、後から茎が錆付されたものであったり、刃を描いていたりなど繕いを見つけて落胆する事もあるかもしれない。
繕い分値段が相場よりも安く設定されていれば良いが、そうでない高い価格で買ったのであれば、いくら自分自身の力不足が原因と反省してはみても、やはりその店から遠ざかる(悪い店と判断する)という判断は正確な判断と言えそうである。

経験と知識により物事を判断する精度が上がっていくのであれば、店の良し悪しを判断するのには時間がかかると言える。
更に言えば1つの物だけでその店の良し悪しを判断するのもなかなか難しい。1回目はイマイチでも、2回目の品は良いという事があるかもしれない。
という事で色々買ってみて勉強しながら時間を置いて冷静に判断してその買い物の平均点を出してみると正確な店選びが出来るのではないかと感じる。
満足出来た買い物が多く出てきているなら良い店だし、満足出来ていない買い物が多いなら悪い店だろう。
ただ1点1点が高いので平均点を出すのにも時間とお金が必要で、難しくはあるのですが。。

店の方が優しいという判断基準も大事かもしれませんが、「店の方が優しい=良い店」とは限らない。
その店が最終的に良いかどうかは少なくとも「品物」と「価格」という事実ベースの物事から判断した方が正確な判断が出来そうに感じるし、それには自分自身も知識と経験を積まないと正確な判断が出来ない、という話でした。


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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