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神田藤古堂さんの展示即売会へお邪魔してきました

今日から6/15(土)まで開催中の神田藤古堂さんの展示即売会へお邪魔してきました。



・店内の様子

藤原道辰
長船祐定
求めやすい刀は平台に並べてありました


・ミニチュア刀

一通り店内を見渡していると好物の小さなものが…。
早速手に取り見せて頂く事に。
ミニチュアはついつい毎回あると気になってしまいます。
「吉貞」と銘が入っていました。小さいですが登録証も付いています。

刃文もしっかりあります。
面白い、という表現が正しいのか分かりませんが、こうした小さい刀にも刃文がしっかり入っているのはどこか不思議さを感じます。
小刀でなくなぜミニ刀にしたのか。人形刀であれば焼き入れする必要はないのにな、など。


・加州行光

次にミニ刀の傍にあった加州行光の脇差に目が持っていかれます。
純粋に良い出来をしていそうな。
南北朝頃の加州刀との事で、確かに先反りが少し加わって寸延びのように伸びた体配はこの時代の縦えば廣光や長谷部などといった刀工と似ているように感じます。

この加州行光、地鉄がとても綺麗でした。
正直加州刀がここまで精美な地鉄をしているとは思わず、変な固定観念は払拭して刀を見るべきと反省。

直刃で鉄に潤いがあり古色溢れる作でした。
光を逃すと意外に鍛え肌がよく見えます。

行光と二字銘がしっかり残っており、茎は一方を大きく面取りしたような典型的な加州茎をしています。
拵は四分一地の金具に草花があしらわれた揃い金具で統一感あり美しい仕上がりになっていました。


・仕込杖

そして心躍った品がこちら。
そう、真ん中の赤いものです。

私自身仕込み杖は映画「座頭市」を見て以来存在は知っていましたが、実物を拝見するのは初です。

一見すると杖ですが…

抜くと刀が。
ハバキなどは無く、そのまま固定されていました。
筒のように密閉性がしっかりとしており、すかすかと抜ける事はありません。

そして何といっても非常に握りやすく作られています。

鞘尻は鉄で出来ており、本来の杖としての役割も充分に果たせそうです。

勿論これを持って電車には乗ってはいけませんが、乗ってもまさか中に刀が入っているとは誰も想像しないでしょう。(※仕込杖に関する保管や持ち運びについては注意が必要で下部に追記)
店主の藤田さんと話をする中で、仕込み杖はどういう時代に登場するのかお聞きしたところ、やはり明治時代の廃刀令後だろうとの事。
刀を表だって所持出来ない時代に尚帯刀したいと考えた人の間で流行ったのかもしれないですね。
日本刀を杖に入れるという発想、最初に思いついた人はその閃きにさぞドーパミンが出ていそうです。

※20240611追記
仕込杖は銃刀法の兼ね合いで、保管される際は拵に納めることなく刀身と鞘を別々で保管する必要があるとの事です。
持ち運びの際も同様に仕込杖に入れて運ばないように注意しましょう。
仕込杖に入った状態では登録証が付いていても銃刀法違反となるようです。
尚、本仕込み杖については白鞘が付帯しているようですので、もし購入された場合は白鞘に入れて保管するようにしましょう。
また伝え聞く所によると、登録審査にあたっては仕込み杖に入っている状態では登録が難しいが、仕込み杖と刀身が別にしてあれば登録はするとの事でした。
こちらにもう少し詳細を書いています。

・終わりに

今回刀装具はあまり展示されておらず、刀がメインでしたが、いくつかは展示されています。
6/15(土)まで神田藤古堂さんで行われていますので、興味ある方は是非行かれてみては如何でしょうか。
日曜日は既に展示会が終わってしまっているので注意が必要です。


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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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